米アップルが新たなサブスクリプション(定額制)サービスを開始します。2019年3月25日、米カリフォルニアの本社で開催されたプレスイベントで、同社は既に展開する音楽配信の「Apple Music」に加え、ニュース配信の「Apple News+」、2019年秋からはゲーム配信の「Apple Arcade」、動画配信の「Apple TV+」、同社独自のクレジットカード「Apple Card」をスタートすると発表しました。

アップルのプレスイベントと聞くと、新しい機能を搭載した次世代のハードウェアが発表されるイメージがありますが、今回は既存のハードで利用できるサービスの発表となりました。これは、各社のハードウェアの競争がある程度成熟したことを表しているのでしょうか? 今後のテクノロジー業界の争いには注目です。

さて、今回発表されたアップルの新サービスは、具体的にどのような内容になっているのでしょうか。

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Apple News+

Apple News+

Apple News+は、あらゆる雑誌や新聞、ウェブコンテンツなどをひとつのアプリ上でまとめて購読できるようになるニュースアプリです。
同社の既存サービスの「Apple News」に300を超える雑誌が追加された拡張版で、月額料金9.99ドル(約1200円)を支払えば登録されている雑誌や新聞、ニュースが読み放題というサービスです。アメリカとカナダでは発表日と同時にサービスがスタート、2019年秋以降からはオーストラリアやイギリスでもサービス開始が予定されているようです。日本でのサービス開始はまだ先のようです。
今後、そんなApple News+に、雑誌だけでなくコミック本などが加われば、利用時間に応じて料金を徴収する漫画喫茶のようなビジネスにとって脅威となりそうですね。

Apple Arcade

Apple Arcade

Apple Arcadeは、月額決まった料金を支払えば、Apple Arcadeに登録されている100種類以上のゲームが遊び放題となるサービスです。
最大の特徴は、Apple Arcadeのゲームを著名なゲームクリエイター陣が手掛けている点です。例えば、「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親である坂口博氏、「シムシティ」の制作者のウィル・ライトなど。ゲームファンを満足させる内容になることが期待されています。

スマホゲームより質が高く、家庭用ゲーム機よりリーズナブル。独特のポジショニングを目指すApple Arcadeは、今後のゲーム市場の方向性を占う試金石となりそうです。そんなApple Arcadeは、2019年秋頃、世界150以上の地域でサービス開始の予定とのことです。

Apple Arcadeの紹介ムービー(YouTube)

トラリピインタビュー

Apple TV+

Apple TV+

既存のアップルのサービス「Apple TV」で利用できる新たなサービスとして発表されたのがApple TV+です。
Apple TVとは、テレビとHDMIケーブルをApple TVのセットトップボックス(STB)に繋ぐだけで、インターネット経由で様々なコンテンツを楽しむことができるサービスです。例えば、スマホやPC上で日常的に利用するYouTubeやNetflixがテレビの画面で視聴することができるようになります。
そんなApple TVを進化させ、有料チャンネルの購読ができる「Apple TV channels」と、アップル独自のオリジナルコンテンツを配信するサービスApple TV+が発表されたというわけです。

このオリジナルコンテンツですが、どうやら誰でも一度は聞いたことのある著名な監督たちが制作に関わっているようです。例えば、スティーブン・スピルバーグソフィア・コッポラM・ナイト・シャマランデイミアン・チャゼルJ・J・エイブラムスなど。たいへん豪華な面々がApple TV+の船出を後押しするといった状況になっていますが、動画配信サービス市場は激戦区。競合には、Hulu、Amazon Prime、AbemaTVなどがあります。今後、Apple TV+は先行する動画配信サービスとどう差別化を図ってくるのでしょうか?

Apple TV+の紹介ムービー(YouTube)

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