子育てファミリー層を中心に資産運用の相談やアドバイスをしているファイナンシャルプランナーの谷崎由美さんが、家計を通じて暮らしのあり方を考える「生活経営」の実践方法をお伝えする不定期連載。

要望が漠然なまま「何がお勧めか」を聞く相談者

谷崎 由美
谷崎 由美
ライフワークサポート
代表取締役

2001年にライフワークサポートを創業した後、私は3年間で約600人の方から保険の相談を受けました。当時、相談者からはたびたび、「何がお勧めですか」と聞かれました。また、欲しいものがわからず保険代理店や銀行などの販売員にお勧めを聞き、「アドバイスどおりに選択したのに思ったようにならない」と不満に感じている人も多かったです。

そうした経験から、私は生活者に資産運用が広まらない理由は、誰かに「説得」されているばかりで、自分が資産運用をする意味について「納得」できていないからだと考えています。

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本来、「□□年後に△△△な生活をしたいから、こういうものが欲しい」と、自分の気持ちや要望がはっきりしているからこそ、そのために必要な選択肢について考えられて、その後の選択が自分に合っているからこそ納得できるものです。しかし、多くの人は自分の人生における要望や目標は漠然としているもので、日々の生活と家計をどう捉えて改善していけばいいのか、そのための手順や考え方もわかっていません。

「生活を経営する」方法を伝授

「お客さまのためになるアドバイスをするには、まずは、お金を通じて暮らし方を考えてもらう必要がある」と考え、私はお客さまのあり方(方向性)に合わせてやり方(技術・手段)を提案する姿勢でアドバイスをしています。

とくに重視しているのが、自分自身で考えてもらうこと。そのため、お客さまには、「これからご夫婦で(あなたに)生活の計画を立てて、家計を見直していく『生活経営』をしてもらいます」と伝え、まずは自分たちの経営計画書であるライフプランの作成を通じて自らの方向性を発見してもらっています。

その後は、お客さま自身が家計のPDCA(Plan、Do、Check、Action)を習慣化できるように、「マネートレーニング」を行って生活経営をサポートしています(図表)。


『フィデューシャリー・デューティー・ワークショップ-金融における顧客本位な働き方改革-』(KINZAIバリュー叢書)の図を基に作成

次回は、生活経営を行うための前提として、貯蓄と投資の違いについて考えてみたいと思います。

(次回は5月27日を予定しています)

【過去記事】谷崎由美さんインタビュー 投資も「万能包丁」から始めればいい

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