「寝ていても勝手に配当金が入ってくる」──。そんな不労所得を夢見て株式投資を行っている人、きっと多いですよね。「たくさん配当金を出している企業を選べばいいんでしょ?そんなのカンタン!」そう思ったアナタ、世の中そんなに甘くありませんよ! 業績はよくないのにムリして配当金を出している企業も意外とあるんです。そこで高配当株を選ぶ際の注意点やポイントについて、いま注目の投資YouTuberぽんちよさんに教えていただきます。

  • 配当金をもらっても株価が下落していれば、トータルで資産が減っている可能性も
  • 理想的な高配当株を見極めるポイントは「売上高」「営業利益率」「配当性向」
  • 配当性向が高ければ高いほど、利益を圧迫している可能性もあるので注意が必要

高配当株を買ったら悲しい結果に…!?

私は普段「【投資家】ぽんちよ」(2020年11月24日現在登録者11.1万人)としてYouTubeで投資初心者向けに投資の話を発信しますが、その中でも人気なのは「高配当株投資」に関する動画です。やはり投資を始めたばかりの方にとっては、「高配当株からの配当金」というものが魅力的に映るのだと思います。

しかし投資初心者に人気だからと言って「高配当株投資が簡単」というわけではありません! そこで今回は高配当株投資のヒントとして「理想の高配当株とは」「高配当株選びのポイント」について解説したいと思います。

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高配当株を購入する大きな理由としてあげられるのが「保有しているだけで配当金が入ってくる」というインカムゲインだと思います。しかし注意しなければいけないのは「配当金はもらったけど株価が下落して資産はマイナス」という現象です。

寝ながら不労所得のイメージ寝ていても配当金が入ってくる夢の不労所得ライフ……。それを目的に高配当株投資を実践している投資家も少なくない

例えば日本の高配当株で人気な日本たばこ産業【JT】(2914)は、現在100株21万円ほどで購入でき、100株保有しているだけで15400円の配当金が入ってきます(利回り7.1%)。しかし、もし仮にこのJT株を5年前から保有していたとしたらどうでしょう?

5年前の株価水準はおよそ4000円台、しかし一方5年後の現在は、株価が約半分まで下落しています。結果的に冒頭でも話した「配当金はもらったけどそれ以上に資産が減ってる」という悲しい事態に陥ってしまっています。

【図表1】過去5年間のJTの株価推移(2016年1月4日~2020年11月20日、終値)
JTの過去5年間の株価推移

マネーマシンとなりうる理想の高配当株とは?

先ほどの「JT株への投資」では、7%の利回りで配当金を得たとしても、トータルで見て資産が減ってしまい、ここ5年間で見れば失敗の投資と言えるでしょう。では単に「利回りが高い」ということではない「真の理想の高配当株」とはどのようなものでしょうか?

トラリピインタビュー

この問いに関し、長期で高配当株によりマネーマシンを作っていくなら「株価が大暴落しない安定した配当金をだし続ける企業」というのが理想的な高配当企業だと思います。特に高配当株で注意しないといけないのは「減配」です。

せっかく高配当株だと思って保有していたのに、業績不振により減配し、インカムゲインが減少してしまってもは元も子もないです。また、「減配発表」と同時に起こるのが「株価暴落」です。高配当株はやはり「高配当」であるがゆえに投資家に保有されている側面もあるので、その魅力が失われてしまえば、当然のように不人気となり売りが殺到し、株価は下落してしまいます。

理想の高配当株のポイント

では、どんな特徴を持つ銘柄が「理想の高配当株」となりうるのでしょうか? 私が特に注目しているのが「売上高」「営業利益率」「配当性向」です。

まず1つ目の売上高ですが、売上高は企業全体の事業規模の推移を表します。もしこの売上高が年々減少していれば、企業の事業規模が小さくなっているということを意味するので、今後衰退していくことが予感できるでしょう。ぜひあなたが高配当株を選ぶ際は、売上高が上昇傾向にあり企業規模が大きくなり続けている銘柄を選んでください。

2つ目の「営業利益率」に関しては、本業で稼ぐ力を意味します。たとえ売上高が緩やかに伸びていたとしても、「低価格化」などにより営業利益率が減少し「稼ぐ力」が弱まっていれば、企業は利益創出ができず、いずれ減配するほかありません。

そして3つ目に「配当性向」です。これは「配当金÷1株利益(EPS)」によって求められますが、配当性向が高ければ高いほど「配当金が利益を圧迫している」ということを表します。ちなみに先ほど紹介したJTは、年々営業利益率が低下し、稼ぐ力が弱まってきており、結果として配当性向が90%近くまで上昇しています。

高配当株選びで確認すべきポイント

つまり、利益のほとんどを配当金に回してなんとか減配せずに耐えている状況です。このような企業状態から、「減配リスク」を警戒されているからこそ、JTの株価が下落しているのです。いままで闇雲に高配当株を購入していた方は、ぜひ、今回紹介した「売上高」「営業利益率」「配当性向」、この3つのポイントを見つめなおし、もう一度ポートフォリオの見直しや高配当選びをしていただければと思います。

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