少額から長期に積み立てて分散投資ができる非課税制度『つみたてNISA』。主に投資対象としているのが、国内外の株式や債券、リートなど様々な投資対象に分散投資するバランスファンドです。今回は、このバランスファンドが連動を目指す指数について詳しくみていきましょう。

  • つみたてNISAの投資対象商品は、バランスファンドが半数を占める
  • 国内外の3つの資産(株式・債券・REIT)を組み合わせて分散投資
  • 連動を目指す指数の数は違うが、利用する指数は似通っている

つみたてNISA対象商品の半数は、バランスファンド

つみたてNISA対象商品(2020年12月23日時点)193本の中で、インデックス型に分類される投資信託は167本あります(ETFを除く)。

<つみたてNISA対象商品>
運用方法 ファンド本数
インデックス型 167本
アクティブ型 19本
ETF 7本
合計 193本

(金融庁HPを参考に筆者作成)

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その中で、バランスファンドに分類されるものが約半分の83本です。つみたてNISAの場合「長期、分散、積立」が運用の基本になるので、バランスファンドの多さには納得します。また、つみたてNISA対象商品は株式への投資が必須のため、資産の投資先としては「株式と債券」「株式とREIT」「株式、債券とREIT」の3パターンです。
これに、地域分散を加えると対象となる指数の数は以下の表のようになります。今回は指数の多い順に利用されている指数について見ていきます。

<バランスファンドの指数の数と本数>
大分類 小分類 本数
国内型 2指数 2本
3指数 2本
海外型 2指数 5本
3指数 4本
4指数 21本
5指数 2本
6指数 15本
7指数 2本
8指数 30本

(金融庁のHPを参考に筆者作成)

つみたてNISAのバランスファンドで利用されている指数

海外型8指数で利用されている指数

海外型8指数のファンドは、株式と債券を国内と先進国、新興国の3つの地域に分けて6(2×3)指数、それにREITを国内、先進国の2つに分け合計8指数になります。

株式は国内「TOPIX」、先進国「MSCIコクサイインデックス」、新興国「MSCIエマージング・マーケットインデックス」です。
債券は国内「NOMURA-BPI国債」、先進国「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」、新興国「JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド」になります。
REITは国内「東証REIT指数」、先進国「S&P先進国REITインデックス(除く日本)」です。

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海外型7指数で利用されている指数

海外型7指数では、運用先から新興国債券(JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファンド)を外すファンドと新興国株式(MSCIエマージング・マーケットインデックス)を運用先から外す2つのタイプがありました。

海外型6指数で利用されている指数

海外型6指数では外す運用先が以下の3つのタイプに分かれました。

  1. 国内(東証REIT指数)、先進国REIT(S&P先進国REITインデックス(除く日本))
    を運用先から外すタイプ。
  2. 新興国債券(JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド)、新興国株式(MSCIエマージング・マーケットインデックス)を運用先から外すタイプ。
  3. 国内REIT(東証REIT指数)、新興国債券(JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド)を運用先から外すタイプ。

海外型5指数で利用されている指数

海外型5指数では外す運用先が以下の2つタイプに分かれました。

  1. 国内債券(NOMURA-BPI国債)、先進国債券(FTSE世界国債インデックス(除く日本))新興国債券(JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド)を外し、株式とREITに運用先を絞るタイプ。
  2. 国内株式(TOPIX)、国内債券(NOMURA-BPI国債)、国内REIT(東証REIT指数)を外し海外に運用先を絞るタイプ。

海外型7指数~5指数までは、各運用会社の運用方針により外れる運用先が変わります。

海外型4指数で利用されている指数

海外型4指数ではタイプは1つで、国内REIT(東証REIT指数)、先進国REIT(S&P先進国REITインデックス(除く日本))、新興国株式(MSCIエマージング・マーケットインデックス)、新興国債券(JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド)の4つが運用先から外れていました。

4指数の場合は株式と債券の組み合わせのみになります。

海外型3指数で利用されている指数

海外型3指数で運用するファンドは全て株式に絞った運用でした。
国内株で「TOPIX」ではなく「MSCIジャパンインデックス」を使うファンドがありましたが、先進国(MSCIコクサイインデックス)、新興国(MSCIエマージング・マーケットインデックス)を別の指数に変更するところはありませんでした。

3指数以下は利用する指数にも変化が見られます。

海外型2指数で利用されている指数

海外型2指数では利用された指数に変化がありました。投資先は株式、債券ですが、株式では日本を含む先進国を含む「MSCI ワールド・インデックス」と日本と先進国、新興国を含んだ「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」、債券では日本を含み世界の投資適格債を対象にした「ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックス」が利用されていました。

海外型2指数では、少ない指数でどれだけ地域をカバーするかを考えて指数を変更しています。

国内型3指数で利用されている指数

国内型3指数は株式(TOPIX)、REIT(東証REIT指数)、債券(NOMURA-BPI国債)と海外型で利用される指数と変わりませんでした。

国内2指数で利用されている指数

国内型の2指数は投資対象が株式とREITとなり、株式(日経平均)、REIT(東証REIT指数)と株式の指数がTOPIXから変わっていました。

利用されている指数には、あまり大きな違いがない

以上、個々のバランスファンドが連動を目指している指数を調べてみると、利用する指数の増減による変化はありますが、利用されている指数には、あまり大きな違いがないことがわかりました。また、指数の数が偶数の方が運用しやすいのか、ファンドの数が多い傾向にあることも2番目の表からわかりました。

次回は、今回と同じデータを使いバランス型運用スタイルの違いについて見ていきます。

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