株式投資にはリスク(株価変動など)があり、取引によっては思わぬ大きな損失を被ることがあります。その思わぬ損失発生にいたるまでにはいくつかのパターンがあります。次の損失事例を参考してつまらない負け、大損を防ぎましょう。
よくある3つの失敗例
福沢 隆雄
若葉マークの株式投資 代表
その1 人に言われたまま株式を買う
「知人」や「証券営業担当者」との話の中で「○○銘柄がよさそうだ」との情報を得て、検討もせずにすぐ買ってしまうケース。
対応
話を聞いてから、すぐに買い注文を出すことなく、一旦、よく検討してみましょう。買付けの根拠をよく聞き、その記録を残しましょう。次に会社四季報や会社のホームページなどで会社内容をよく調べましょう。また、株価が高値でないかどうか検討しましょう。市場には、多くの情報が氾濫しています。取引にあたり、早耳情報などに頼らず自分でよく検討してください。
その2 雑誌の記事などを見てそのまま買う
週刊誌や経済誌の記事などを見て、検討することなく、そのまま鵜のみにして当該銘柄を買ってしまうケース。
対応
全国誌や有名雑誌などに個別銘柄の推奨が掲載されたら、その時点が株価のピークかもしれません。雑誌などで掲載された時は、その情報を得た人がたくさんいます。あなたの後に誰が買うか考えてください、あなたが買った後に買付けの勢いがとまると株価は下落していきます。また、雑誌はその企業について、継続して分析するわけではありません。その号だけの記事がほとんどです。よく検討しましょう。
その3 人気の高騰株を買う(飛びつき買い、値ざや稼ぎの買い)
急速に株価がぐんぐん上がっている株式、人気株を買うものです。今人気があって、株価が上昇している銘柄は、まだ上がると思いがちです。値動きの良い銘柄をタイミング良く買って、上昇したら売却しようとする方法です。経験を積んだ者の行う手法です。初心者は避けましょう。
対応
こうした銘柄は買付したあとに急落となるケースが多く見受けられます。株価が上昇していることから高値つかみをしてしまい、その後の急落のため、売るタイミングをなくしてしまいます(いわゆる「塩漬け」となります。
失敗を防ぐ方法は?
早耳情報やマスコミ情報をもとにして単に株価の動きで株式を買うことは避けましょう。他人の判断で投資をすると、損をしてもなぜ損したのかわかりません。他人の判断に頼ってばかりいると投資の力はつきません。
また、ゴルフの場合はプロとアマが戦う場合に技量が異なるため、アマにハンディーキャップをつけてレベルを調整してあり、プロとアマとが楽しくプレーできるようになっています。一方、株式市場では、プロもアマも同じ土俵で戦っています。自分の大切なお金です。投資の判断は自分ですべきです。初心者は、リスクを小さくするため、まずは少額投資を心がけましょう。
投資対象企業を検討しましょう
会社四季報などで会社の内容を検討しましょう。例えば、冷蔵庫を買う時は、家電量販店に行き、カタログを見て、大きさ、価格、電力消費料、使い勝手などをチェックするでしょう。同じように、株式を買うときも、企業の内容(業務内容、企業業績など)をよく検討して買いましょう。
株価は、妥当な水準か
株価の分析をしてみましょう。現在の株価は、安いか、高いか、今後の見込み・その理由はどうか。株価だけをみて、単に株価が上昇しているだけの理由で購入することは避けましょう。
買付け金額は少額で
株式投資の初心者は、少額で投資をしましょう。少額投資であれば損失も小さくなります。また、その損失原因を学ぶと、金融リテラシー(知力)がついてきます。損失の原因をよく検討し、その記録を残しましょう。
次回(6月19日予定)は、株価が高いか安いかの指標「PER(株価収益率)」について説明したいと思います。