犬や猫などを家族として迎える時には様々な費用がかかります。ケージやおもちゃなどの生活用品を揃えるのにもお金がかかりますし、エサ代や予防注射、そして病気になった時の医療費なども考えておかなくてはいけません。今回はペット保険についてご説明いたします。

  • ペットには人間のような公的保険制度がないので、医療費は全額自己負担になる
  • ペットも加齢とともに病気になる確率は高まっていく
  • ペット保険は加入できる年齢制限があるので早めに検討しよう

ペット保険とは?

ペット保険とは、ペットの医療費に備えるための保険です。人間には公的保険制度があるため、病院にかかったとしても3割の自己負担で済みます。一方、動物の場合には公的保険制度がありませんので、病院にかかったときに発生した費用は全額自己負担しなくてはいけません。そうした費用に備えられるのが、ペット保険です。

主に入院や手術を対象に、治療にかかった費用の50%や70%が補償されます。通院の補償があるものや、ペットが他人にケガをさせたり他人の物を壊してしまったりした場合の賠償に備える賠償責任特約をつけられるものもあります。

新しいNISAの“裏技”教えます! ニッセイアセットマネジメントの情報発信&資産運用アプリ

人間の医療保険と同様に治療後に保険金請求をするものもありますが、最近では窓口で精算をする際に保険金を差し引いた額で精算が可能なものや、LINEで保険金請求をできるものも出ています。

保険料を抑えるかわりに免責金額が設定されているものや、支払限度額や支払限度日数が設定されているものもあるようです。ペット保険を検討する際はそうした違いも比較してみると良いかもしれません。

ペットの医療費、いくらかかる?

では、ペットの医療費とは実際いくらくらいかかるものなのでしょうか。アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2019」 のデータから、犬や猫の医療事情を見てみましょう。

【図表1】犬・猫の年齢別の年間診療費(1頭あたり)
犬猫年齢別年間診療費
出典:アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2019」犬の年齢別の年間診療費(1頭あたり)平均値、猫の年齢別の年間診療費(1頭あたり)平均値より筆者作成

年齢別の診療費を見ると、人間と同じように犬や猫も年齢に比例して病気になる確率は高くなっていくためか、診療費は増加していく傾向にあります。0歳と10歳で比べると、年間の診療費は犬の場合は約3.7倍、猫の場合は約3.2倍となっています。このデータの金額が毎年かかるとすると、12歳までで犬の場合は約85万円、猫の場合は約46万円が必要となる計算です。

しかし病気の種類によってはさらに費用がかかる場合もあるようです。

【図表2】犬の保険金請求理由と診療費
犬の保険金請求理由と診療費
出典:アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2019」犬の請求理由TOP20より一部抜粋

【図表3】猫の保険金請求理由と診療費猫の保険金請求理由と診療費
出典:アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2019」猫の請求理由TOP20より一部抜粋

年間で保険金請求の多い、つまり犬・猫がかかりやすい病気を見てみると、犬の弁膜症や慢性腎臓病、猫の慢性腎臓病や心筋症など、年間平均で10万円以上診療費のかかる場合もあるようです。かかりやすい病気の種類は犬・猫の品種によって異なり、病気の種類によっては繰り返し通院が必要になることも考えられます。小さい家族のため、やはりお金の備えはしっかりしておけると安心です。

病院で診察を受ける犬
ペットは家族。手厚い治療を受けさせてあげるには、ペット保険の存在が心強い

ペット保険の加入は若いうちに検討を!

ペット保険への加入を検討する上で注意したいのは、ペット保険の加入条件です。

ペット保険の種類によっては、加入できる年齢の上限が設定されているものがあります。その上限以上の年齢になってからではそのペット保険に加入することはできません。また、ペット保険は原則、健康な状態のペットが加入するものです。いざ病気をしてから「今後の治療に備えてペット保険に入ろう」と考えても、その病気については補償の対象外となる条件付きでしか加入できない場合や、加入自体を断られる場合もあります。

現在、犬の平均寿命は約14歳、猫の平均寿命は約14.2歳 と、どちらも長寿となっています。大切な家族の健康のためにも、ペット保険の加入は若いうちに検討をするようにしたいですね。

メルマガ会員募集中

ESG特集