金融リテラシーの向上に役立ちそうな本や映画を紹介する短期集中連載。今回はMonJa編集部員のモリコ、TNB、しらこしらおの3人のおすすめを紹介します。これを読めば2021年の金運・投資運アップは間違いなし!?

投資運がアップする!? 2021年に読みたい本①

おすすめ本①『コロナ後の世界経済 米中新冷戦と日本経済の復活!』

モリコMonJa編集部・モリコのおすすめ本

コロナ後の世界経済 米中新冷戦と日本経済の復活!コロナ後の世界経済 米中新冷戦と日本経済の復活!
エミン・ユルマズ著(集英社)

「今後は世界の投資マネーが日本に集まり、日本の株式市場が空前の活況を迎える。2025年に日経平均は5万円を超え、バブル期を超える日本株の上昇がおこる」――。著書であるトルコ人の天才エコノミスト、エミン・ユルマズ氏はそう大胆に予想する。世界的なインフレが予想されるなか、資産を目減りさせないためには、株式投資が欠かせない。本書では、アフターコロナの社会状況の変化を見据えつつ、長期投資に耐えうる日本株を具体的に紹介する。投資初心者はもちろん、上級者にとっても実用的な一冊といえる。

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コロナ後の銘柄選びのヒントに!

「2025年には日経平均5万円を軽々クリアすると予測するエミンさん。本書を読むと、本当にそうなる気がしてきます。これからの日本の可能性、希望が感じられ、日本人として勇気づけられる内容です。どういう視点で銘柄を選ぶべきか、投資のヒントを得ることもできます。注目銘柄の一覧が掲載されているのも嬉しい。(普段の取材ではなかなか教えてもらえません)」(モリコ)

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エミンさんには過去2回、MonJaでインタビューしています。日本株に強気な姿勢は一環しています。

エミンさんに聞く、2020年秋の株式市場はどう動く?(2020年10月8日)
エミンさんに聞く「コロナショック」の行く末は?(2020年4月16日)

おすすめ本②『明日、私は誰かのカノジョ』

TNBMonJa編集部・TNBのおすすめ本

明日、私は誰かのカノジョ明日、私は誰かのカノジョ
をの ひなお作(サイコミ×裏少年サンデーコミックス)

単行本以外に、ウェブコミック配信サイト「サイコミ」で配信中のマンガ。お金を支払って理想の「カノジョ」をレンタルできる「彼女代行」サービスで働く女性たちにスポットを当てた恋愛・ヒューマンドラマ。2020年12月18日に第5巻が発売された。

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2020年のマネーと人のリアルを描く

「オムニバス形式の恋愛マンガであり、私もそのつもりで読み始めましたが、主人公の女性たちが抱える苦悩や葛藤、彼女たちを取り巻く人間模様や社会にしっかり焦点が当てられていて読みごたえはあり、一気にハマりました」

「彼女代行」のアルバイトをする女子大生「雪」の章から物語はスタート。同じ職場で働くパパ活女子の「リナ」や美容整形にのめり込む「あやな」、ホストクラブにハマる「ゆあ」と彼女の紹介でハマりだしてしまう「萌」など、章ごとに主人公が変わり、現代の女性を取り巻く美、欲望、お金のリアルな姿が描かれます」

「作中ではマッチングアプリや現実にあるホストクラブや飲み屋も登場し、途中からはコロナ禍のため登場人物はマスクを常備するなどリアルな描写が多く、『これはマンガだけど、登場人物たちのような人は、きっとどこにでもいるんだ』と実感させられます」

「『闇金ウシジマくん』や『ナニワ金融道』のように2020年代のマネーと人のリアルな姿を切り取った作品としてイチ押しです」(TNB)

TNB氏の推薦コメントを読むだけでお腹いっぱいになってしまいます……。マンガの登場人物のような人は実際にたくさんいると思いますが、みんな幸せになってほしいと願うしかありません。

おすすめ本③『最も賢い億万長者 数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか』

しらこしらおMonJa編集部・しらこしらおのおすすめ本

最も賢い億万長者最も賢い億万長者 数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか
グレゴリー・ザッカーマン著、水谷淳訳(ダイヤモンド社)

ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロス、ピーター・リンチといった著名投資家を凌ぐ、桁外れの利益を出し続ける謎のヘッジファンド「ルネサンス・テクノロジーズ」。創始者のジム・シモンズは、40歳で数学者からトレーダーに転身した変わり種。なぜ、素人集団のルネサンスが市場で勝ち続けてきたのか。人間の感情を一切排除したアルゴリズム投資の裏で繰り広げられる、科学者たちの喜怒哀楽のドラマ。

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謎のヘッジファンドの裏側にある人間ドラマ

「金融市場の法則性を科学的に解明するという難題には寝食を忘れて取り組むけれど、金儲けや贅沢にはまるで無関心という科学者や数学者たちの、いわば青春物語です(みんな結構年取っているけど……)。ファンドの成功とともに莫大なお金を手にすることで人が変わっていく様子や、社員が増えることで起こる人間関係のゴタゴタなどは、『どこも一緒だなー』と妙に安心します」

「同社の旗艦ファンドである『メダリオン』は、1988年の運用開始以来、年率約66%(運用手数料差し引き前)という驚異的な収益率を上げています。だからといって、人間が投資判断するより、アルゴリズムのほうが優れていると結論付けるのは早いでしょう。同じようにアルゴリズムを駆使した運用でもパッとしないファンドはいくらでもありますし、反対に人の判断による優れたアクティブ・ファンドもあります。ただ、データの蓄積と処理能力が高まれば高まるほど、アルゴリズムは洗練されていくので、将来的には機械が勝つのかな。運用の世界から定性的な評価がなくなったら、それはそれでさみしいな、などと考えつつ、濃厚な人間ドラマを堪能できるお勧めの一冊です」

「ちなみに本書の中で個人的に一番興味深い人物がクオンツの専門家で、のちに共同CEOになるロバート・マーサーです。『大豪邸のリビングに三人の娘の等身大の肖像画を飾る』という独特な感性を持つ彼は、研究では膨大なデータを精査するのに、何の証拠もないネトウヨ陰謀論を簡単に信じ込んでしまう、何とも困った天才科学者です。トランプ大統領にとっての最大の寄付者でもあり、彼がいなければトランプ政権は誕生しなかったといわれています」

「超大金持ちになる⇒税金で取られるぐらいなら自分が支持する団体に寄付する⇒極端な思想を持つ団体に莫大な資金が流れる……ということにもなり、善意を超えた寄付文化は、これはこれで問題あるかもなーと考えさせられました」(しらこしらお)

ビジネスの世界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がはやっていますが、デジタルの最先端ともいえるクオンツ戦略(数値データを駆使して投資する手法)に携わる人すら人間の「業」から逃れられないのだから、私たちのような一般の勤め人がアナログから抜け出せなくても仕方ないと思いました。

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