「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回のテーマは、前回に引き続き「株主優待」。筆者の大泉さんが実際にどんな優待を活用しているかを紹介します。
- 鉄道会社の株主優待は、優待切符のほかにグループ会社のサービスも楽しめる
- 自社製品を株主優待として提供する会社も多い
- 株主優待として、幅広い用途に使える「クオカード」を配る会社もある
皆さん、こんにちは! 私が住み、そして働いている東京では、とうとう3度目の緊急事態宣言が発令されてしまいました。
先ほど、新宿駅の西口にあるデパートに行ってきました。明日からの臨時休業を控え、あわただしい様子が何気に寂しく感じられました。馴染みのお花屋さんに声を掛けると、「ウチは、明日からもやってますよ♪」と元気な声が返ってきました。ホッとしました。
さて、本稿では前回に引き続き、株主優待について、筆者なりの活用法を述べてみたいと思います。
株主優待の活用法① 鉄道会社の優待
鉄道会社の株主優待といえば、代表的なのは「優待切符(もしくは優待乗車証)」でしょうか?
筆者の場合、優待切符はお客様を訪問したりする時などに活かしました。優待切符の有効活用(?)をしたくて、遠回りもしました。と言うと「株主優待ゆえに時間を無駄にしているのでは?」という指摘をいただきそうですが、筆者はもともと「乗り鉄」ですから、趣味と仕事を兼ねての優待切符の活用でした。
また、優待切符を手にしたものの、その沿線には仕事がないこともありました。
そんな時は、優待切符とともに、その鉄道会社が経営する温泉に出かけました。温泉ではもちろん、株主優待の割引券を利用することができます。
鉄道会社は多数のグループ会社を抱え、デパートやホテル、旅行代理店など、さまざまな事業を展開しています。ですので、鉄道会社の株主優待も優待切符のほかに、グループ会社の株主優待割引券も付いています。デパートやホテルは進物やクリスマスケーキを買う時に利用します。
親類が都内に来たときはホテルに泊まってもらったのですが、株主優待の割引券を利用して「眺望の良い部屋」をとることができました。株主からのホテルの予約ということで、ホテルの方も、それなりに気をつかってくれていたみたいです。
他にも、旅行に出かける時には旅行代理店の株主優待割引券を利用する、という具合ですね。
筆者の場合、仕事と暮らし、そして趣味にまで活かすことができるのが鉄道会社の株主優待です。
株主優待の活用法② 自社製品
小売り向けの製品を作っている会社の場合、自社製品が、そのまま株主優待になっていることもあります。筆者の場合、マスクと調味料をもらいました。
(マスクと調味料は、別々の会社です)
こういう時節ですから、どちらもありがたい株主優待です。特に調味料は、我が家では使用頻度が高いので、株式を買い増しすることで株主優待の量を増やすことを考えたのですが、その会社はどうやら保有する株式の数に関係なく、株主優待の量は一律らしいので、同じ会社の株式を家族の名義で買うことにしました。これで2人分の株主優待を得ることができますね。
株主優待の活用法③ クオカード
さて、筆者の保有している株式には、株主優待が「クオカード」という会社もあります。医療の会社と、システム系の会社です。クオカードですと使い道が自由ですから、ありがたいですよね。
しかし、クオカードでもらうのなら、配当金でもらった方がうれしいかなとも思いました。配当金なら現金ですから、もっと使い勝手が良いですから。でも株主優待のクオカードなら、税金の源泉徴収がありませんからね(厳密には、雑所得として所得税の対象になりえますが、その条件が当てはまるケースは少ないようです)。なお、株主優待がクオカードという会社でも、もちろん配当金もあります。
ちなみに、筆者が現在持っている株式の株主優待は、以下のようになっています。
(いずれも実在する会社ではありますが、特定を避けるために、株主優待の内容はサイトや誌面などとは一部異なる表現で書きました)
筆者が持っている株式の株主優待の例
A 自社カレンダー
B 美術施設招待券
C クオカード
株式数と保有期間 | 株主優待の内容 |
---|---|
100~300株かつ保有期間3年未満 | A~Cより1点+マスクセット(小) |
100~300株かつ保有期間3年以上 | A~Cより1点+マスクセット(大) |
400株以上 |
まとめに代えて
「(筆者は)意外と日本株を持っているのでは?」と思われた読者の方、いらっしゃるかも知れませんね。最近なんです、日本株を買ったのは。やっぱり良いですね。ネット証券って。夜な夜な情報を集めては、人知れず、買い注文を入れることができますし、手数料は安いし。
いずれ、どういった証券会社を利用するかについても述べてみたいと思います。
さて、次稿では、株主優待の影の部分について考えてみます。投資の入り口のハードルを下げてくれるのが株主優待なのかもしれません。しかし、株主優待では気に留めておきたいこともあります。
(次回は5月17日を予定しています)