まだまだ若い20代の人にとっては、老後資金と言われてもピンとこないかもしれません。しかし、安心して老後を送るためには、まとまったお金が必要になります。そして、なるべく少ない負担でお金を貯めるためには、早めに資産形成にとりかかることが効果的です。若いうちから資産を増やすにはどうしたらよいのか考えてみます。
- 「老後2000万円問題」で顕在化したように、老後資金が不足する可能性がある
- 少ない負担で老後資金を準備するためには、若いうちから時間を味方につけて備える
- つみたてNISAやiDeCoを活用してムリなく資産形成したい
「老後2000万円問題」がもたらしたもの
2019年6月、金融庁の報告書に記載された「老後資金が2000万円不足する」という内容が議論を巻き起こし、「老後2000万円問題」として広く認識されるようになりました。
老後2000万円問題の概要は、公的年金だけでは老後資金が足りなくなるため、自己資金で2000万円準備する必要があるというものでした。しかし実際は、公的年金の受給額や生活費は人によって異なるため、不足額も異なるものと考えられます。一括りに2000万円足りないというのはやや乱暴といえます。とはいえ、老後資金が不足する可能性のある人が多いことは事実として受け止める必要があるでしょう。
20代に広がる投資熱
2020年のコロナショック以降、20代を中心に若年投資家が増えているようです。
混乱する世界情勢や経済低迷を受けて、将来的な貯蓄不足への不安が高まっています。老後に必要となる、まとまった資金を準備する場合、やはり20、30代の若い時期から資産形成をはじめておくのが効果的です。
最近では「FIRE(ファイヤー)」と呼ばれる「経済的自由かつ早期リタイア」という生き方が注目を集めています。欧米の若者に人気のムーブメントでしたが、日本でも徐々に注目されるようになってきました。若い頃から積極的に投資に取り組み、資産形成を続ければ、こうした生き方をするのも夢ではありません。
20代が実践すべき備えとは?
お金は、株式や債券、投資信託、保険などの金融商品を使って資産運用することで増える可能性が高まります。しかし、収入のほとんどを運用に回してしまったら、日々の生活を満足に過ごすことは困難でしょう。
資産運用を検討する際に20代が優先するべきことは、運用資金を作ることです。いまの収入から捻出することが難しければ、ムダな支出を減らすか、本業の収入を増やす努力をしましょう。臨時的な出費や不測の事態に対応するための貯蓄も大切です。まずは安定した日々の生活を送るために、安定した収入を確保し、ムダな支出を減らし、最低限の貯蓄をすることを心掛けましょう。
次に検討するべきことは、副業による収入の増加と余剰資金の投資です。副業はあくまでも本業の補完的な役割であるため、毎日の仕事に影響がでないことが大前提になります。よって、体力や時間に余裕があれば、検討してみてもよいでしょう。
今は副業で稼げる時代ですが、やはり本業の収入が多いことに越したことはありません。「いまの会社の収入が少ない」「キャリアアップをはかりたい」という場合は、転職を検討するのも一つの方法です。
そして、副業で稼いだお金や毎月の給料の余剰資金を投資にまわすのが、効率よく資産を成長させる方法です。
投資でぜひ活用してほしいのは、つみたてNISA、iDeCoといった税制優遇のある制度です。どちらも長期的な資産形成を支援する制度のため、投資初心者でも使いやすい設計になっています。
つみたてNISAやiDeCoなどの制度については、以下の記事も参考にしてみてください。
資産形成スタートは、早いほど効果的
20代は老後までの時間が長く、無理なくじっくりと資産を成長させられます。つみたてNISAやiDeCoといった制度はかける時間が長いほど効果が大きく出てくるため、運用を早く始めるほど有利です。老後の備えを充実させるためには、若いうちからコツコツ資産運用していくことがおすすめです。