相談者に喜んでもらうことで自身が救われる

天職なのですね。どのような経緯で、今のお仕事に就かれたのでしょうか?

鮎原さん 振り返れば、初めて携帯電話を買った高校時代が起点になっていると思います。「持ちたければ自分で払え」というお金に厳しい家庭でしたから、当時からめちゃくちゃ調べました。各社のパンフレットを揃えて、どれがいいんだろうと頭を悩ませたのが始まりです。

何事も損したくない性格で、昨年購入したテレビは半年、車は1年がかりで調べて買いました。「これがいいだろう」という買い方ができないんですよね。「これがいいだろう、他も大丈夫だよね、やっぱりこれがいい」とならないと買えません。

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実際に買う以外のものもすべて調べないと納得できないんですね。

鮎原さん 20代の頃にお金に苦労した経験も大きかったと思います。都内のダイニングバーで働いていたときは、毎日20時間働き、2カ月ほとんど休みなく、それでも月収15万円ということもありました。

紆余曲折を経て、6年前には「保険で損したくない! 仕事にして詳しくなってやる!」という気持ちから、生命保険会社に転職しましたが、保険の販売はあまりうまくいきませんでした。体育会系の営業スタイルが合わず、完全歩合制のため給料がほとんどなく、「やめるしかない」と思っていました。そんなときに、たまたま参加した勉強会で講師を務めていたFP事務所に声をかけてもらいました。

FP「やめちゃうのもったいないね。何か強みはないの?」
私「自信のあることは何もありません」
FP「じゃあ、自分では思わないけど、人からすごいと言われることは何かない?」
私「うーん……。思いつかないんですが、強いて言うなら友達にケータイのことを相談されてアドバイスしたらすごいと言われました。全然すごくないんですけどねー」

こんな会話から「何それ? どういうこと?」と興味を持って色々聞いてくれ、「それうちに来てやったほうがいいよ」と誘ってくれたんです。

携帯電話の知識は自分にとって当たり前すぎて、それに価値があるとは全く思っていませんでした。お茶は自販機よりドラッグストアで買うほうが安いというくらいの感覚です。「こんなことでお金をもらっていいの?」と思っていましたが、相談に答えていくうちに紹介が増え、気づいたら仕事になり、テレビなどにも解説者として呼んでもらえるようになったという感じですね。

その価値に気づいたFPの方との出会いが大きな転機になったんですね。

鮎原さん はい。非常に大きかったと思います。保険販売で求められるのはやはり売上です。どうしても富裕層に対象が向きがちですが、私はお金に困っている人の助けになりたいという思いがありました。私が携帯電話に詳しくなったのはお金に苦労した経験があったからで。月400時間働いて手取り15万円というつらい時期があったからこそ、いま目の前で相談者に喜んでもらえる。そう思うことで私自身が救われるんですよね。自分にしかできないという自負もあり、保険販売より携帯見直しにやりがいを感じています。

(後編へ続きます)

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