相談料金は安くなる金額の5カ月分

知らなかった……。そのあたりの詳しいお話は後ほどじっくりうかがいます。相談はどういう流れで進むのでしょうか?

鮎原さん まずは現状分析から始めます。会社とプランはもちろん、電話の頻度、パケット通信料、契約更新のタイミング、端末、家族構成、インターネット環境など、携帯料金に関わるあらゆる情報を確認します。

これらは契約者のマイページでも確認できますが、情報があちこちにあって分かりにくいので料金明細書を見せてもらいます。携帯会社ごとに異なる料金明細書の取得手順を案内し、事前にスクリーンショットを送ってもらうことが多いです。キャリアのHPに手順は掲載していないのですが、私の用意した手順通りに行えばだいたいオンラインで2~3分で取れます。

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その情報をもとに、適切な会社やプランに変更することで「いくら安くなるか」、2年契約などの“縛り”を踏まえ「手続きを実行するのはいつがいいか」をお伝えします。「あなたの使い方なら月5000円、年間6万円安くできます。見直しのタイミングは10月がいいです」という具合ですね。

携帯見直し本舗では中立公正な立場を維持するために販売手数料で運営せず、安くなる金額の5カ月分を成功報酬型の相談料金としていただいています。この場合は5000円×5カ月で2万5000円となります。この結果をもとに、正式に依頼するかの判断をしてもらいます。

この時点ではどの会社のどのプランかはわからないということですね。

鮎原さん おっしゃるとおりです。順序立ててお話をして、正しい理解をするための知識があった上で具体的な会社やプランを聞かないと誤った判断をしてしまう可能もありますからね。

確かにそうかもしれませんね。相談料金を支払うとその先を教えてもらえるんですか?

鮎原さん いいえ、実際に相談料金をいただくのはもっと後です。正式に依頼をもらったら、見直しプランと選定の根拠をすべてお伝えします。現状はどういう内訳で料金がかかっているかを解説して、それがこの会社のこのプランにすることでいくらになるということを1円単位でしっかりお話しします。

メリットだけでなくデメリットが発生することもあります。例えば携帯会社を変えるとそれまで使っていたキャリアメールが利用できなくなるデメリットがあります。端末保障がなくなったり、留守電が使えなくなったりということもあります。そのあたりを全部伝えたうえで、「通話プランのオプションはつけておきたい」「通信量はこのくらいでいいのでもっと安くしたい」といった相談者の希望も聞いていきます。

結果、当初5000円安くなると提案したものが4000円に変わることもあります。その場合は相談料も下がって2万円になります。相談者が納得しない提案のまま相談料をいただくことはありません。使い方の分析をしたうえで問題ないと思われるプランを提案しますが、デメリットを許容できず「見直ししない」という結論になることもまれにあります。その場合、相談料は受け取りません。

提案されたプランで確定せず、希望を聞いてもらえるのは安心です。その後はどうなりますか?

鮎原さん プランが決まったら、相談料金を支払っていただきます。その確認ができ次第、手順書をお渡しします。「ステップ1 ○○ショップの△△店に電話して□□と伝える。~」のようなものです。お店で口頭で伝えるのは難しいと思いますので、「これでお願いします」と見せれば済む画像も用意します。

お店で見せる画面のイメージ
お店で見せる画面のイメージ

割引がきちんと適用されるようにするのはもちろん、余計なオプションを付けられないようにすることも大切です。「この時期にこういう契約するとこういう提案をされると思いますがそれはいりません」ということも手順書の中でしっかりお伝えします。

複雑で難しい相談のほうが燃える

手厚いですね。先ほど、相談は鮎原さんだけで対応しているとうかがいました。スタッフを増やすことは考えていますか?

鮎原さん 教えるのも覚えるのも大変なので、今のところ考えていません。正直、あまり儲かるビジネスではありません(笑)。成功報酬ですから、数時間話しても見直しに至らなければ売上はゼロです。だからこそ多くの人に気軽に相談していただけるのだと思いますが、人を雇うにはあまりにも不安定な仕事だと思います。好きでないとできない、好きだからできていると感じますね。

好きと思うのはどんなところでしょうか?

鮎原さん 相談者から感謝してもらえると、やはりやりがいを感じます。「家族全員の見直しで、複雑ですみません」と言っていただくことがありますが、そういうほうが燃えます。人数や台数が多いとクイズを解くような感覚で、とても楽しいんです。

中には家族全員が同じ会社にしない方が良いケース、手順をずらした方が良いケースもあります。携帯ショップに行けば全員同じキャリアを勧められ、その場で契約することを求められるでしょう。売れば売るほど評価されるシステムになっているので当然ですが、私はそうではありません。「これは携帯ショップにはできない」と思うような提案ができたときはすごく気持ちがいいです。

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