新年を迎え、学生さんは冬休みもそろそろ終わる頃。成人式などの準備や、すぐ後の入学や進級、卒業などのイベントも近付いているので、これから忙しくなるという方も多いでしょう。今年20歳を迎える方は国民年金への加入をすることになりますので、改めてその概要を確認していきましょう。

※ここでは国民年金と学生納付特例制度の概要についてご説明しています。詳細は日本年金機構のウェブサイトを必ずご確認ください。

  • 年金保険料が払っていないと、将来、年金の受け取りに支障が出る可能性もある
  • 学生で年金保険料が払えない場合は「学生納付特例制度」を活用する
  • 反対に支払いに余裕があれば前納制度を使い割引を受けたい

国民年金は生活を支えるお金の備えをする制度

国民年金保険とは公的な制度の一つで、老後の生活や病気やケガで障害を負った時の生活などを支えるためのお金を、国や一定の世代の人たちで保険料を出し合って準備しておく仕組みです。

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日本に住んでいる人が20歳になると、国民年金保険へ加入することになります。20歳を迎えると、その後2週間程度で国民年金保険への加入のお知らせや保険料納付書などの書類が、その後さらに少し期間をおいて年金手帳が郵送されてきます。

年金保険料は毎年度変わり、令和4年度(2022年4月~)は月額16,590円の払込が必要になります。期限は納付対象月の翌月末で、納付書を使っての現金払い・口座振替・クレジットカード払いなどの方法を選べます。

なお、2022年には成人年齢の引き下げがありますが、国民年金保険の加入および保険料納付についてはこれまで通り20歳を迎えてからになります。

国民年金保険料の納付は20歳から
2022年には成人年齢が引き下げられるが、国民年金保険の加入および保険料納付はこれまで通り20歳を迎えてから

年金保険料が払えない学生のための「学生納付特例制度」

大学などに在学中で収入が少ないため、現時点では年金保険料の納付をするのが難しい、あるいは、アルバイトなどの収入でこれまで納付していたけれど収入が減少して難しくなった、という場合もあるかもしれません。

しかし、そのまま何もせずに年金保険料を支払わないのは、おすすめできません。老後に年金を受け取るためには、一定期間以上の受給資格期間が必要です。保険料の未納期間は受給資格期間に加算されませんので、未納の期間が積み重なると、老後の年金受け取りに支障が出る可能性があります。また、病気やケガで障害を負った際、障害年金の受け取りも難しくなることも考えられます。

そこで活用したいのが、学生納付特例制度です。

学生納付特例制度とは、前年所得が基準以下の学生の年金保険料の納付が猶予される制度です。大学などの学校に所属している学生で、前年所得が基準以下の人が対象です(この基準も、毎年度変わります)。

この制度を利用すれば、猶予されている期間も受給資格期間として数えられます。また、病気やケガで障害を負った場合の障害年金の受け取りも可能になります。ただし、猶予期間中の保険料はあくまで猶予されているだけですので、そのままにしておくと将来受け取れる年金額が少なくなります。10年以内であれば追納(後から保険料を納付すること)できますので、後から支払いをできるように準備ができると良いでしょう。

年金保険料納付猶予のイメージ
年金保険料の支払いが困難な学生は、学生納付特例制度を活用しよう

申請には、学生証のコピーまたは在学証明書と、申請書類の提出が必要です。申請書類の入手方法は上で書いた年金関連書類と一緒に送られてきたものを使うか、日本年金機構のウェブサイトからダウンロードする、お住まいの市区町村役所で入手するなどがあります。年度ごとに書類提出が必要ですので、忘れないようにしてくださいね。

保険料納付をする場合、前納制度で割引を受けられる

アルバイトなどで収入が多かったので学生納付特例制度の対象にならなかったなど、保険料納付を行える人もいるでしょう。

もしも余裕があるのでしたら、前納制度の活用も検討してみるのも良いでしょう。国民年金保険料は通常、4月分を5月に、5月分を6月に払う翌月末振替になっています。前納制度では、2年・1年・6カ月のまとめ払いか、口座振替での当月末払いを選ぶと、保険料の割引が受けられます。

また、ポイントサービスのあるクレジットカードをお持ちの場合、クレジットカード払いにすることでポイントを貯めることもできるでしょう。ポイントを貯めて活用したいと思っている人には、良いかもしれませんね。

既に会社勤めなどをしている方の場合も、学生向けではなく、一般向けの免除・納付猶予制度を利用できる可能性があります。収入の減少や失業などで、年金保険料の支払いが難しくなった場合には、お住まいの市区町村役所の窓口に相談してみてください。

<参考サイト>
日本年金機構「20歳到達時の国民年金の手続き」

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