FXで選べる通貨ペアは、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円などオーソドックスなもの以外にも、ポンドやトルコリラなどさまざまな選択肢があります。メジャーだからという理由で米ドルを選んでいる人も、ほかの通貨にチャレンジするとFXの世界は広がるでしょう。FXで取引できる代表的な通貨ペアの特徴を紹介します。
- 米ドル/円の値動きは比較的緩やか。スプレッドも低く設定されている
- ユーロ/円も比較的低リスク。英国のポンドはやや値動きが大きくなりやすい
- 豪ドルはかつての高金利通貨。トルコリラなどの新興国通貨は値動きが非常に大きい
世界のさまざまな通貨に手軽に投資できるFX
米ドルやユーロだけでなく、英国のポンドやスイスフランなどの先進国通貨、さらには南アフリカランドやトルコリラといった新興国通貨にも投資できるのがFXの魅力です。もちろん、通貨ごとに値動きや金利は異なるため、通貨の特徴を知ったうえで取引する通貨ペアを選ぶことが成功には欠かせません。
ここからは、FXでよく取引される6つの通貨について、特徴や取引のポイントを紹介します。
米ドル/円……取引量No.1の最注目通貨ペア
米ドルと円の為替レートはニュースでも毎日報道されており、FXに興味がない人でも注目を集める通貨ペアです。日本経済は米国経済との関わりが深く、レートの変動が日常生活にも影響を及ぼしています。
米ドルは世界的に取引量が多く、値動きは比較的緩やかな部類です。スプレッド(売り値と買い値の差)は全通貨ペアの中でも最も低く設定されているケースが多くなっています。スリッページ(注文した価格と、実際に売買が成立した価格に差が生じること)も発生しにくいため、初心者でも取引しやすい通貨です。
どちらかというと欧米の市場が開いている日本時間の夜に価格が動きやすいため、平日の夜に投資しやすいのも人気の理由のひとつと考えられます。
ユーロ/円……米ドルに次ぐ世界の基軸通貨
ユーロは米ドルと同様に、世界的に取引量が多い通貨です。米ドルと同様、値動きが比較的安定している傾向があります。
ドル/円の動きが小さいときには、ドル/円同様に比較的低リスクといわれるユーロ/円で利益を狙うのもよいでしょう。
ユーロ/米ドル……世界二大通貨の組み合わせ
日本円が絡まない通貨ペアなので、どちらかといえば中上級者向けかもしれません。日本円とのレート比較とはまた違った感覚が必要とされます。ユーロと米ドルは取引量が多い通貨の組み合わせなので、ステップアップに選ぶ通貨ペアとしておすすめです。
アメリカとEUで金融政策に差が生まれた際に価格が動きやすくなるので、それぞれの中央銀行(FRBとECB)の動向を見ながら取引しましょう。
ポンド/円……米ドルやユーロより値動きは大きめ
ポンドは英国の通貨です。先進国通貨ですが、米ドルやユーロと比べると取引量が少ないため、値動きは大きくなりやすい傾向があります。先進国通貨の中でも少し違う通貨にチャレンジしたいという時におすすめです。
ポンドの値動きが大きいのは英国市場が開いている、日本時間の夕方から夜にかけてです。夜間に取引しやすいのもポイントになるでしょう。
豪ドル/円……かつての高金利通貨
オーストラリアは先進国であり、資源国でもあります。資源国は高金利になる傾向がありますが、オーストラリアドル(豪ドル)もその例外ではなく、リーマン・ショック前は欧米より金利が高いことで知られていました。FXではスワップポイント狙いの投資家から人気を集めた通貨です。
近年は超低金利政策を続けていますが、今後の利上げを期待したいところです。値動きは米ドル/円などより大きい傾向があります。
トルコリラ/円……金利は魅力だが、値動きが激しい
トルコリラ/円は新興国通貨ペアの代表格のひとつです。通貨自体の金利が高いためスワップポイントが期待できますが、値動きが非常に大きいため、短期的に大きな損失を抱えてしまうリスクがあります。
トルコリラだけでなく新興国通貨全体に言えることですが、値動きが読みづらくハイリスクな取引になりやすいのが特徴です。
FX初心者は米ドル/円から始めよう
初心者は、ほぼ希望の価格で取引できて、急な変動もほとんど起こらない先進国通貨がおすすめです。まずは米ドル/円でFXの感覚をつかみ、慣れてきたら他の通貨ペアを試してみるという順番がよいでしょう。
米ドル以外にも魅力的な通貨はたくさんあるので、FX初心者を脱出したい人はこれを機に、他の通貨にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。