多くの投資信託は、決算ごとに分配金の支払いをします。年の決算頻度が多いほど分配金を支払う回数が増えます。また、一般的に分配金は「受取」か「再投資」かを、その投資信託の購入時に決めて申し込みます。今回は、分配金を受取る方がいいのか、再投資をする方がいいのか、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきます。
- 分配金は、その投資信託が運用で得た利益を投資家に決算後に分配するお金のこと
- 受取は運用益の一部を利益確定できるが、複利効果が生まれにくい。再投資はその逆
- 分配金再投資では税金と購入手数料が引かれる。分配金0円の商品なども検討したい
投資信託が運用で得た利益を投資家に分配
分配金は、その投資信託が運用で得た利益を投資家に決算後に分配するお金のことです。分配金はその投資家が保有している口数に応じて支払われます。
投資信託の利益は、純資産総額の中に含まれ、その投資信託の運用(投資)に回されています。ですから、分配金を支払うと、その分純資産総額が減ります。
次に支払われた分配金を「受取」の場合と「再投資」した場合のメリット・デメリットについてそれぞれ見ていきます。以下では、説明を簡略化するために分配金の種類を「普通分配金」に限定します。
分配金受取のメリット・デメリット
証券会社で投資信託を購入した場合、分配金受取を選択すると分配金が現金としてMRFの口座に振り込まれます。
受取のメリットは、投資家が運用益の一部を利益確定できることです。仮に分配金が5万円支払われると、約20%の税金が引かれた4万円分がMRFに振り込まれ利益を確定することができます。
受取のデメリットは、分配金を受け取る回数や金額が大きいほど、投資元本が増えづらくなり、複利効果を得られなくなる点です。
特に将来の資産形成に向けて投資をしている人にとって、デメリットが大きくなります。逆に、分配金をリタイア後の年金プラスαと考えている人は、受取はデメリットとならないでしょう。
分配金再投資のメリット・デメリット
分配金再投資は、いったん支払われた分配金を使って同じ投資信託を購入する方法です。
メリットは、再投資を行うことで投資元本が増えるので、分配金受取に比べ複利効果が期待できる点になります。
デメリットは、投資信託の基準価額が下がった場合に、投資元本が増えることにより含み損も大きくなるリスクがある点です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
分配金受取 | 利益確定ができる (普通分配金の場合) |
複利の効果が減る |
分配金再投資 | 複利の効果を期待できる | 利益確定できない 基準価額の下落により含み損を抱えることも |
分配金再投資では税金と購入手数料が引かれる
また、再投資では、再投資前に税金、再投資時に販売手数料がかかる点にも注意が必要です。
再投資の流れは以下の通りです。
- 分配金が支払われる。その段階で課税されます。
- 税引き後の分配金で新たに買付をする。買付時には、購入手数料がかかります。
仮に分配金5万円(税引き前)を購入手数料3%の投資信託にすると、純粋な投資額は以下のようになります。
分配金 5万円
↓
税引き後分配金 4万円(5万円×(1-20%))
↓
純粋な再投資額 3.88万円(4万円-(4万円×3%))
上記のように、支払われた分配金のうち、税金と購入手数料が引かれた金額が再投資されます。
ただし、NISA(少額投資非課税制度)を利用して、ノーロードの投資信託を選択することで税金と購入手数料の目減りを防ぐことができます。
また、投資信託は通常年1回以上決算を行わなければなりませんが、分配金の金額は運用会社が決めることができますので、分配金0円としても問題はありません。
課税口座(特定・一般)で分配金の再投資を考えているのであれば、分配金を支払わない投資信託を選択するのも1つの方法です。
以上、分配金の受取と再投資のそれぞれのメリット・デメリットについて見てきました。