「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回のテーマはREIT。その価格変動について、株価指数や不動産価格と比較してみました。
- 東証REIT指数とTOPIXの推移は一致しない。真逆の動きになることも
- 東証REIT指数と不動産価格指数(住宅)も動きが異なる時期がある
- 配当込み指数で比べると、東証REIT指数はTOPIXを上回る時期が長かった
皆さん、こんにちは! 朝晩は、特に冷え込みますね。その一方で株価はホットです……中国との冷え込んでしまった関係が気になるところです。
前回と前々回では、NISAの金融機関の変更について述べてきました。その前では、REITについて書いておりました。REITが保有する物件の多くは国内です……インバウンド事業もありますので、海外の影響がないとは言い切れませんが。
ところで、そのREITは株式市場に上場しながら、REITの株価(=投資口価格)は株式とは異なる値動きをします。また、REITの投資口価格は不動産価格とも異なる動きをするようです。
本稿では、REITの価格変動と他の資産の価格変動について書きました。
東証には上場しているものの
J-REITは他の株式と同じく東証プライム市場に上場しています。とはいうものの、TOPIXの推移と東証REIT指数の推移は一致していません。

※TOPIXはグラフの始点を1000として指数化
図表1をご参照ください。特に2016~2019年と、2023~2024年とでは真逆の動きになっていることが分かります。
もし、これが一時的ではなく……だいたいの期間において真逆の動きですと、「逆相関」と言って、分散投資の効果を得ることができるのですが……グラフの全ての期間を見る限り、TOPIXと東証REIT指数とでは分散投資の効果を得るのは難しそうです。
TOPIXはニュースなどでも報じられますし、インターネット上でも頻繁に情報提供があります。「Yahoo!ファイナンス」でもアプリにタップすると、日経平均とともにTOPIXがまず表示されています。
しかし、東証REIT指数はニュースなどで報じられることはないでしょう。REITの価格変動の推移を知りたければ、インターネット上での頻繁な情報提供がないため、自らの手で検索する必要があります。なお、REITはTOPIXに含まれていません。
不動産価格とREITの株価(投資口価格)は一致しない?
図表2は国土交通省が発表した不動産価格指数(住宅)の推移です。2023年から2024年にかけて上昇しているのが分かります。しかし、図表1では、逆に2023~2024年の東証REIT指数は下落しています。

期間は2008年4月~2025年8月。全国、季節調整値
出所:国土交通省
不動産価格とREITの投資口価格は一致していないと考えられます……とはいっても、REITが保有する物件のうち、住宅は15%ほどですが。しかし、REITの投資口価格は東京証券取引所という、市場で取引されたことによって決まった価格です。不動産価格と異なるのも、当然のことかも知れません。
まとめに代えて
REITは「大家さん感覚」で投資をするイメージなのですが、REITの投資口価格の推移は、不動産価格の推移とは異なると思っておいた方が良いでしょう。そして株価の変動とも違います。
「REITは、あくまでもREIT」だと割り切った投資スタンスで臨んだ方が良いと思います。
閑話休題
図表3をご覧ください。実はこのグラフは本稿を書くに当たり、初めて見た図です。配当込み指数の推移です。

※TOPIXはグラフの始点を1000として指数化
出所:J-REIT.jp(不動産証券化協会)より引用。2025年12月1日時点
配当込みですと、少なくとも2010年から2024年頃までは、REITの方が、TOPIXを上回るパフォーマンスであることが分かります。もしNISAで長期保有をしつつ、配当金(REITの場合は分配金)を得ることを目的に投資をするなら、REITも選択肢になり得そうですね。
配当金を含まなければ、REITとTOPIXは異なる値動きをしますから、どちらかに偏らず、分散投資を検討した方が良いかもしれません。


















