「資産形成に興味はあるけれど、どうしたらいいのかわからない」そんな方も多いのではないでしょうか。投資は誰でも楽しくできること。tsumiki証券CEOの寒竹が投資初心者の茜さんといっしょに疑問を解決していきます。第4回のテーマは「つみたて投資」。前回の「どこに投資すればいいの?」に続いて、今回は「どうやって投資すればいいの?」という悩みにお答えします。
- 相談者:茜さん(仮名)
- ・25歳、社会人3年目。流通会社でマーケティングを担当
・東京近郊で両親と実家暮らし、らくちんだけど一人暮らしにも憧れる
・趣味は旅行とアイドル
損がこわいのは本能。だから失敗を減らしたい
茜さん- あのー、資産形成の大切さは理解できてきたんですけど、今から始めなきゃダメですか? もう少しあとでも良くないですか?
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寒竹- どうして?
茜さん- どんなにいい投資信託でも、値下がりすることありますよね。私お給料少ないんで、お金減ると困るんです!!!
寒竹- 投資信託の値段は毎日動きますからね。損がこわい、これはもう人間の本能です。茜さんだけじゃないですよ。
茜さん- そうですか……。貯金じゃお金増えないですしね。
寒竹- 「好きな人に振られるのがいやだから、告白しない」っていうわけにいかないように、資産形成を始めるにもちょっとだけ勇気が必要です。
ただ資産形成の場合、やり方次第では失敗の可能性を減らすことができるんですよ。
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つみたて投資、3つのよいところ
茜さん- そうなんですか!? 好きな人にもお金にも振られたくないです!
寒竹- 茜さんのような投資はじめてさんにおすすめなのが「つみたて投資」です。
茜さん- 貯金みたいなやつですか?
寒竹- そうですね、毎月自動引き落としの定期預金にちょっと似てるかも。
つみたて投資とは、「毎月・一定金額を・時間をかけて」投資信託などの金融商品を買っていく投資の手法です。
茜さん- 意外と地味ですね。お金はもっと神技的なもので増やすんだと思ってました。
寒竹- そう! ものすごく地味で地道。
つみたて投資のよいところはこの3つ。
①長く続ければ、利益が出やすい
投資信託の値段(基準価額)が安い時はたくさん・高い時は少なく買うので、結果的に安く・たくさんの金融商品を買えます。
②手間も気持ちも“らくらく”
毎月自動的に買うから、忙しい人にぴったり。
自分でタイミングを決めなくていいから、気持ちもやすらか♨
③つみたてNISAがつかえる
つみたて投資なら、税金の優遇がうけられます。やらないともったいない!
(つみたてNISAについては、前回をみてくださいね)
「安いときに買いだめ」できるのがつみたて投資
茜さん- あのー、「安い時はたくさん・高い時は少なく」って? わかるような、わからないような……。
寒竹- ちょっと計算してみましょうか。
このグラフみたいに、値動きする投資信託30,000円ぶんを1回で買った場合と3回に分けて買った場合を比較してみましょう。
※投資信託の数のことを口数(くちすう)といいます
寒竹- 安い時にたくさん買えてるでしょ?
投資信託で資産を増やすには「数」が大事なんです。
茜さん- 好きなお菓子を安売りの時に買いだめておく感じですかね?
寒竹- そうそう!
茜さん- でも、お菓子とお金のことを同じに考えて大丈夫ですか? 実際に私のお金が増えてくれないと、安心して○○ちゃんを応援できません!
寒竹- そうですね。実際に投資信託をつみたて投資した場合でもみてみましょうか。
これは、世界中の株式と債券(国債とかのこと)に半分ずつ投資した投資信託を2007年から約12年間、毎月1万円つみたて投資した時の実績です。 - ちなみに、
「基準価額」とは、投資信託の値段(毎日変わります)。
「(投資)元本」は、実際に支払う金額。
「評価額」とは、その時点での資産の金額のことですよ。
※1 2007年5月から2019年3月まで143カ月間、毎月1万円ずつつみたて投資を行った場合の運用実績。税金は考慮していません。
積立による購入は将来の収益を保証したり、基準価額下落時における損失を防止するものではありません。上記は過去の一定期間の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
茜さん- えっ、1.5倍!!!
寒竹- 2008年に起きたリーマン・ショックなど、価格が下がるときもあるけれど、淡々と買い続けることで、成果が出るんです。
長く続けることが大切!
茜さん- すごい! でも、いい話には裏もありますよね。
寒竹- デメリットもお伝えしますね。
①成果が出るのに時間がかかる
「どうしても短期間で大きくお金を増やしたい!」人には向いていません。最低でも5年・いや10年・いや20年がんばってほしいなあ。続けるほどに効果があります。
②地味
毎月ただ淡々と買い続けるので、刺激がありません。自分で判断して金融商品を売り買いしたい人には向いていません。
③市場の動きによっては成果が出ない場合も
お金が必要になって投資信託を売却するタイミングに、リーマン・ショックみたいなことが起きてしまうと、利益が出ないこと・損しちゃうことがあります。
なので、長く続けること・前回お話ししたロングセラー商品をえらぶことが必要なんです。
茜さん- 経済のことよくわからないですけど、景気が悪いとか・良くなったとか、よく言ってますよね。
寒竹- そう! 景気の良くなったり・停滞したりを、時間をかけることで味方につけるのが「つみたて投資」なんです。
茜さん- 地味だけど、いいような気がしてきました。
寒竹- 急がば回れ!です。
〈今回のまとめ〉
未来に前向きに・平等に与えられた時間を有効活用するには「つみたて投資」がいちばん!
茜さん- 今度こそ、大丈夫かな!?
次回がついに最終回! 今回に引き続いて、つみたて投資の始め方・続け方・使い方を考えていきたいと思います。(次回は12月26日公開予定です)