さまざまな企業をおまかせでいっぺんに買える投資信託。この投資信託を使えば、投資初心者でも、日本の株式だけでなく、世界の株式へ投資できます。連載第2回は、海外への投資に興味を持っている人に読んでほしい海外株式型の投資信託についてです。(著者/MonJa編集部、日興フロッギー編集部、Junichi Kato)
【投資信託 第1回】さまざまな株を“おまかせ”で“いっぺんに”買える
誰もが知ってるアメリカの「あの会社」に投資するには?
みんなが持っているあのスマートフォンを作っているのは、「アップル」。インターネット通販といえば、「アマゾン」。映画やドラマのネット配信でおなじみなのは、「ネットフリックス」。そして、黒くて甘い炭酸飲料といえば、「コカ・コーラ」――。これらはすべて、アメリカの企業です。
こうしたアメリカの企業に投資するのは難しそう、と思われるかもしれませんね。しかし投資信託を使えば、簡単に外国の株式に投資することができます。
世界最大の経済大国であるアメリカの株式市場は、幾度もの金融危機を乗り越えて成長を続けてきました。コロナショックを受け今年(2020年)3月には一時株価が大きく落ち込む場面もありましたが、過去のリーマン・ショックなどと同じように、力強く乗り越えていくことが期待されます。
アメリカの株式であれば、アメリカを代表する企業30社を対象とした「ダウ工業株30種平均」(ニューヨーク・ダウ、略してNYダウと呼ばれることが多い)に連動する投資信託や、アメリカの株式市場の時価総額の約6割をカバーする株価指数「S&P500」に連動する投資信託などに投資することができます。
特定の株式銘柄をピンポイントで選ぶことはできませんが、株式を複数いっぺんに買うことで、アメリカの株式市場全体の成長を利益として受け取ることができます。
投資信託のタイプとしては日本株式の投資信託と同じように、特定の株価指数への連動を目指す「インデックス型」の投資信託、そして資産運用会社が銘柄を選ぶ「アクティブ型」があります。
経済成長に期待できる新興国の株式も買える
アメリカへの投資よりさらに難易度が高く感じられるのが、新興国への投資かもしれませんね。皆さんに質問です。たとえばインドやインドネシアを代表する企業の名を聞かれた時に、思い浮かぶ企業はありますか? それでも、先進国にはない新興国の将来性に魅力を感じて、株式を買ってみたい場合は、投資信託を使うことで、簡単に投資することができます。
たとえば、今や世界第2位の経済大国にまで成長した中国。はたまた13億人を超える人口と先進的なIT産業を抱えるインド。あるいは勤勉といわれる国民性で経済成長が続くベトナム。こうした国々の株式を複数いっぺんに買うことができるのも、投資信託の大きな魅力です。
IMF(国際通貨基金)の見通しによると、新興国の経済成長率は先進国を大きく上回ると予測されています(新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては、見通しが大幅に変わる可能性もあります)。
一般的に、経済成長率が高いほど株価も上がりやすい傾向があるので、投資信託を通じて新興国株式に投資すれば、5年後、10年後には大きな利益を手にできるかもしれません。
ただし、市況が悪くなって株価が落ち込むときの下落率は、新興国の方が大きくなる傾向があるので、その点は注意が必要です。
カエル先生の一言
IMF(国際通貨基金)って何?
International Monetary Fund(国際通貨基金)の略で、国際的な専門機関です。常に世界全体や加盟国の経済状況を把握・監視しており、「世界経済見通し」は投資の世界で注目されています。
投資信託の中には、特定の国だけでなく、「先進国全体」「新興国全体」、さらには「全世界」の株式市場を対象とするものもあります。特定の企業や業界などを全部チェックしなくても、「先進国」「新興国」といった大きなくくりで、その地域の経済成長だけを頼りに投資するという方法もおすすめです。
ここでもうひとつ、外国の株式に投資をする時に、投資信託を使うことのメリットを挙げます。
海外の株式に投資する場合、証券会社によっては、自分で外貨を用意してから買う必要があります。そして、外貨の金融商品へ投資する場合は、株式に限らず、為替相場の変動リスクを考慮しなければなりませんが、こういった面倒なことをしなくて済むのが投資信託です。
外国の株式を売買する時は、株価だけでなく、現地通貨の為替レートも考慮しながら買い時、売り時を判断しなければなりません。なぜならば、いくら株価が上がっても、為替が円高(他の国の通貨に対する円の価値が高くなること)に動いてしまうと、現地通貨がその分下落し、利益が消し飛んでしまうこともあるからです。
投資信託には、この為替の影響を受けるものと受け難いものがあり、為替の影響を受け難いものを選ぶことができるのです。
カエル先生の一言
為替レートって何?
為替とは、海外と自国の通貨を交換すること。それぞれの通貨といくらで交換できるのかを示すのが為替レートです。例えば1ドル100円であれば、100円で1ドルを手に入れることができます。
1ドルと交換するための金額がこれまでより高くなれば「円安」となり、輸出を行なっている会社にとっては追い風となるので株価が上がりやすい傾向があります。逆に安くなれば「円高」となり、輸入を行う会社の株価が上がりやすくなります。
投資信託を使って、世界の株式市場の成長を味方につけてみてはいかがでしょうか。
- 投資信託なら、世界の株式へ手軽に投資できる
- 対象先としては、先進国や新興国、全世界を対象にしたものなどがある
- 外国の投資信託にもアクティブ型とインデックス型がある
次回は、株式投資と比較しながら、投資信託の特徴や魅力をさらに掘り下げていきたいと思います。
カエル先生の一言
投資信託を使えば、手軽に世界に投資ができることがわかりました。まずは、どんな投資信託があるのか、調べてみましょう。
(日興フロッギーより転載)