配偶者や親を亡くした時に利用できる「遺族年金」には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。中でも今回は、会社員など国民年金第2号被保険者の遺族が受け取れる「遺族厚生年金」の金額や受給資格などについて解説します。

国民年金第1号被保険者の遺族が受け取れる「遺族基礎年金」については、【金額・条件は?】遺族基礎年金をわかりやすく解説の記事をご参照ください。

  • 第2号被保険者の遺族には遺族基礎年金に加え、遺族厚生年金が用意されている
  • 遺族厚生年金で受給できる金額は、被保険者の平均標準月額などにより異なる
  • 「中高齢寡婦加算」や「経過的寡婦加算」が加算される場合も

国民年金第2号被保険者が対象の「遺族厚生年金」

会社員や公務員など国民年金第2号被保険者(以下:2号被保険者)は、老齢年金として1階部分の老齢基礎年金と2階部分の老齢厚生年金を原則65歳になると受給できます。

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配偶者や親を亡くした時に一定の要件のもとで受け取れる「遺族年金」でも同様に、2号被保険者には「遺族基礎年金」(第26回参照)に加えて「遺族厚生年金」が用意されています。遺族基礎年金が第1のセーフティネット、遺族厚生年金が第2のセーフティネットと考えることもできるでしょう。

遺族年金の種類

遺族厚生年金の受給要件は?

遺族厚生年金を受け取るためには、原則として以下3つのいずれかの条件に該当する必要があります。

1)被保険者が死亡した時、または被保険期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡した時。ただし、死亡日の前日において保険料納付済期間(免除、学生納付特例、納付猶予の期間を含む)が加入期間の3分の2以上であること

2)老齢厚生年金受給資格期間が25年以上ある方が死亡した時

3)1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられた方が死亡した時

ただし、特例として2026年3月末までは、65歳未満であれば死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの直近の1年間に保険料の未納が無い方も対象になります。

遺族厚生年金の対象者は?

遺族基礎年金は「子のある配偶者」「子のみ」に対する遺族補償であり、「子のない配偶者」など要件を満たさない場合には受給できません。

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一方の遺族厚生年金は、遺族基礎年金に比べて受給できる対象者の範囲が広がります。遺族厚生年金の対象者は妻(子の有無を問わず)、子、孫、夫、父母、祖父母で、死亡当時、死亡された方と生計を同一にしていた原則年収850万円未満の方が該当します。

ただし男女の賃金格差などを背景に、夫(子なし)、父母、祖父母に関しては、被保険者の方が死亡した時の年齢が55歳以上である点と受給は60歳からになるという条件があります。また、亡くなった方の配偶者が再婚した場合は支給停止となります。

遺族厚生年金の対象者*18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者

受給できる優先順位は下記の通りです。

1. 子のある妻、子のある55歳以上の夫
2. 子
3. 子のない妻
4. 子にない55歳以上の夫
5. 55歳以上の父母
6. 孫
7. 55歳以上の祖父母

優先順位の1,2にある方は、遺族基礎年金も併せて受給できます。また、30歳未満の子のない妻に関しては5年間の有期給付になります。それ以外の対象者は一生涯、遺族厚生年金を受給できます。ただし、65歳以上で自分の老齢厚生年金を受給できる場合には、遺族厚生年金が調整されます。