レポート提供:アセットマネジメントOne(2019年8月19日)
- 8月のミシガン大学消費者マインド指数は7カ月ぶりの低水準。7月の米小売売上高は市場予想を上回った。コア売上高の前年同月比の伸びは昨年5月以来の高い伸びで、足もとで回復基調が継続。
- 消費者マインド指数の低下傾向には留意が必要も、小売売上高が堅調さを維持するなど個人消費が依然好調とみられることを考慮すれば、米国景気の先行き懸念は心理的な側面が強いと思われる。
米消費者マインド指数は7カ月ぶりの低水準
16日に発表された8月のミシガン大学消費者マインド指数の速報値は92.1と、市場予想の97.0(ブルームバーグ集計。以下、同じ。)を下回り、7カ月ぶりの低水準となりました。内訳をみると、現在の景況感が2016年11月以来の水準へ低下したほか、先行きの景況感が2012年12月以来、6年8カ月ぶりの低下幅を記録しました。
消費者マインド指数の低下についてミシガン大学は、9月に予定される中国からの輸入品への新たな関税に対し、消費者が強く反応したとしています。8月13日にトランプ政権は、新たな関税発動を携帯電話や玩具など一部品目について12月15日まで延期すると発表しましたが、それでもなお消費者は将来の物価上昇を懸念しているとの見方を、ミシガン大学は示しました。
【図表1】消費者マインド指数の推移
※期間:2009年8月~2019年8月(月次)
2019年8月は速報値。1966年=100とする(日次)
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
米小売売上高は回復基調が継続
15日に発表された7月の米小売売上高は前月比+0.7%と、市場予想の同+0.3%を上回りました。
内訳をみると、オンライン小売の同+2.8%などを中心に主要13項目のうち10項目が増加しました。また、振れの大きい自動車・同部品とガソリンスタンドのほか建設資材と飲食サービスを除いた、いわゆる「コア売上高」は同+1.0%と、市場予想の同+0.4%を大幅に上回りました。コア売上高の前年同月比の伸びは5.1%と、昨年5月以来の高い伸びとなっており、小売売上高は足もとで回復基調が継続しています。
米中貿易摩擦が激化するとの懸念などから、米国の消費者マインド指数が低下傾向にあることには留意が必要です。ただし、小売売上高が堅調さを維持するなど、良好な雇用環境を背景に米国経済のおよそ3分の2を占めるとされる個人消費が依然好調とみられることを考慮すれば、米国景気の先行きに対する懸念は心理的な側面が強いものと思われます。
【図表2】米小売売上高の推移
※期間:2014年7月~2019年7月(月次)
前年同月比、季節調整済み
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
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