まだ先だと思っていた退職が、いつの間にか目に見えるところまで迫り、将来にばくぜんとした不安を抱えている方は多いと思います。
ところで、なぜ退職後の生活に不安を感じているのでしょうか?
年金のこと? 病気の心配? もちろんそれも不安材料ですが、ほんとうの不安の原因は、もっと根本的なところにあるのではないでしょうか?
不安をなくす第一歩は現状を知ること
会社員の方なら、定年退職のときに退職金を受け取ることになります。その金額は会社や勤続年数によって十人十色ですが、勤続20年以上の場合は1500万円以上受け取れるケースが多いようです。
仮に退職金が2000万円だとしましょう。2000万円は確かに大金ですが、このお金で何年暮らしていけるかを考えると、セカンドライフを楽しむのにこれだけでは不十分なことは想像できると思います。
65歳になれば公的年金を受け取れますが、ニュースなどでさんざん言われているように、ほとんどの方は年金だけで暮らすのは難しく、預金を取り崩すなど、年金以外のお金に頼る必要があります。
将来これくらいのお金を使うから、そのためにはこれくらいのお金が必要になる……。退職後の生活費や収入がどうなるか、現状を知ることが、不安をなくすための第一歩となるのです。
「退職後の生活」を思い浮かべる
生活することは、お金を使うということです。まずは、退職後に自分がどのような生活をしているのか、あるいはどのような生活がしたいのか、思い浮かべてみましょう。
退職後は時間に余裕が生まれるので、現役時代には難しかった旅行や趣味を楽しむこともできます。そのためには、どれくらいのお金が必要なのか。
お子さんや孫のためにお金を残すための準備も必要になるかもしれません。
具体的には、以下のお金がどれくらい必要かを、あらかじめ考えておきます。
・毎月の生活費(食費、光熱費、住居費など)
・住宅ローンなどの支払い
・旅行など趣味に費やすお金
・病気など、万一の事態に備えるためのお金
・子どもや孫に残すためのお金
この支出と、退職時点での預貯金などの金融資産、そして退職金や年金など退職後の収入を把握することが、退職後のライフプランを考える第一歩となります。支出と収入を比較することではじめて、充実したセカンドライフを実現するための手段を検討することができるわけです。