〈記事提供:日興アセットマネジメント〉
「覚悟」がないと、短期的な値動きに振り回される
「最後にフォーカスして途中を無視しましょう」というこの考え方は、投資において避けられない日々の変動のストレスに耐えるためのひとつの考え方です。だって、やっぱりどんな投信だって日々それなりに動くんですよ。そのストレスに耐え結果的な成功を収めるためには、こんなふうにある意味達観した考え方でいることが必要だと思うんです。「私は5年後の30,000円をゴールにしてるんだから、目先の上下は関係ないさ。なんたって、それは年利7.2%にも相当する運用なんだから。目先の上下は無視!無視!」と考えるわけです。
こういう考え方を根っこで持っている人は強いですよ。逆にこういう覚悟あるいは達観がない人は値動きに振り回されます。具体的に言うと、ちょっと下がったところで気になって仕方なくなり、結果的にその後から見た底値のところで売却してしまったり、その後には上がったところでまた「もっと上がりそうだから」と買ったりと、つまり短期間で売買を繰り返しながら、下手すると「逆、逆」を繰り返しながら資産を減らす(しかも買付時に購入時手数料を払いながら)という愚をやってしまいます。
下がっても上がっても悠々と「途中は無視無視、なぜなら私は……」と構えられる人が、きっと最終的な成功を手にする人です。これが「投資の成果は後から測られるもの」という、今日一番大事だと言ったことの意味です。
どうでしょう。ついつい、しつこく話してしまいましたが伝わりましたでしょうか。投資とか株というと、どうしても「毎日のニュースを見て経済情勢をにらんで臨機応変に売買しないとダメなもの。だから私には関係ない」と思われる方が多いですよね。でも、そういうのは「趣味の株の世界」では正しいかもしれませんが、投信を使った資産運用にはまったく当てはまりません。
今日私がお話していること、つまり普通の人が将来の選択肢を増やすために勇気を出して資産運用を人生設計に取り入れようという場合、持つべきスタンスは「毎日ニュースを見て」とは真逆になります。先ほどの例で言えば、5年後の30,000円という少し遠い目標を定め、それにより途中を無視する。そして最後に笑う、といった考え方ですもんね。そう、「最後に笑う」ということなんです。
途中を無視して最後に笑う
最後に笑うために、わざわざ嫌いなリスクを取って途中のストレスに耐える。そのリスクをできるだけリーズナブルに取るための箱が、私たちが作る投資信託という商品なんだと思います。最初に「使い方が難しい」「正しく使って欲しい」と言ったのはそういうことです。相場を張るためでなく、途中を無視して最後に笑うために、投信という箱を正しく使ってもらいたい、そう考えているんです。