結婚しようと思える世帯年収は500万円前後?

「結婚する相手の年収の最低ラインは○○万円!」という婚活系の記事は多いです。恋だの愛だの語る以前に、生活がかかっていると考えれば、お金の話になるのは当然かもしれません。普段は謎の後ろめたさに駆られ、お金の話にあまり積極的になれない我々日本人も、一緒に生活していく相手とはしっかり話し合いたいはず。

「(自分が/相手が)お金がない(給料が少ない、貯金が心許ない…など)から結婚できない」という話は確かによく聞きますが、年収がいくらあれば、精神的に結婚に踏み切ることが可能なのでしょう? また、実際に結婚している人たちの年収はいくらなのでしょうか?
今回は20代の結婚観についてお金の面から探っていきたいと思います。

SMBCコンシュマ―ファイナンスの「20代の金銭感覚についての意識調査2018」によると、「結婚しようと思える世帯年収」は、年収500万円が17.6%と最多です(「どんなに少なくてもしたいと思える」を除く)。次に多いのが年収400万円の12.2%、続いて年収600万円の10.0%とあり、年収500万円前後が妥当だと考えているひとが多いようです。

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続いて、「出産・子育て(1人)をしようと思える年収」のケースを見ていきます。こちらも結婚に踏み切るのと同様、年収500万円が16.1%と最多です。次に多いのが年収600万円の12.8%、続いて年収400万円が9.1%でした。下図を見ると、「出産・子育て(1人)を使用と思える年収」の割合は、年収500万円を境に「結婚しようと思える年収」に占める割合を逆転しています。子育てとなると教育費などを考慮しなければならないため、やはり単に結婚するよりもお金が必要だと考える方が多いようです。

この調査は“世帯年収”という条件でした。20代のうちに年収500万円台へ到達するとなると該当者はかなり限られてきますが、共働きであれば二人分の年収の合算となりますので、「しようと思える世帯年収」は意外と実現できる金額といえるかもしれません。


出所:SMBCコンシュマ―ファイナンス「20代の金銭感覚についての意識調査2018」より作成

結婚している世帯主の年収は300万円以上が多い

「備えあれば患いなし」ともいいますし、お金はあるに越したことはありませんよね。一方で、「案ずるより産むが易し」ということわざもあります。あれこれ心配するよりも、行動に移したほうが話は早いかもしれません。実際に結婚している世帯の年収が一つの目安になるのではないかと思い、すでに結婚している30歳未満の世帯主の年収別の割合を調べてみました。(※データは世帯ではなく世帯主です)

■二人以上の世帯の世帯主(30歳未満)
年収別比率と貯金額

■年収300万~500万円の単身世帯(30歳未満)
正社員の貯金額


出所:総務省統計局「全国消費実態調査」(平成26年)より作成
※5年ごとに調査実施

今回は、30歳未満の二人以上の世帯を既婚世帯として考えていきます。上図を見ていくと、すでに結婚している30歳未満の世帯主の年収は、200万~300万円未満が9.9%、300万~400万円未満が27.5%、400万~500万円未満が22.5%、500万~600万円未満が15.1%です。世帯主の年収300万~500万円未満の層が、50%を占めています。まだ年収が上がる前に結婚を決めた方がこれだけいるという結果は心強いのではないでしょうか。

おまけで、すでに結婚している30歳未満の世帯主の貯蓄額もチェックしてみました。300万~500万円未満の世帯の平均貯金額は、200万円以上です。二人以上の世帯でも、30歳未満で200万円以上は貯金できている世帯が多いと考えられます。結婚していない単身世帯の貯金額と比較してみると、年収300万~400万円未満の場合、二人以上の世帯のほうが多く貯めているようです。


共働きなら世帯年収の底上げも可能。貯蓄も前向きに?

いまは共働きが一般化してきています。二人あわせて世帯年収を底上げしていこうと考えている方は若年層であればあるほど多いのかもしれません。
一方で、希望の金額に達していないからといって、年収がいつか上がることを信じて待つほうが正解なのでしょうか? 30代、40代になると、理想の年収はどう変化するのでしょう。次回はその点を見ていきたいと思います。

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