レポート提供:アセットマネジメントOne(2019年5月31日)
- 4月の米中古住宅販売成約指数は市場予想に反し低下するなど、足もとで住宅市場の回復はやや一服気味か。米住宅建設株のパフォーマンスは4月まで良好も、5月以降は低下。
- US-REITは5月16日に過去最高値を更新した後も、相対的に堅調に推移。低水準の米金利といった市場環境がプラスに働いているとみられ、US-REITは当面、堅調な展開が見込まれる。
米住宅市場の回復は継続も足もとやや一服気味か
30日に全米不動産業者協会(NAR)が発表した4月の中古住宅販売成約指数は前月比-1.5%と、市場予想の同+0.5%(ブルームバーグ集計)に反し低下しました。同指数は、売買契約は成立しているものの、引き渡しが完了していない物件を指数化したもので、中古住宅販売に1~2カ月先行するとされています。
前月に同+3.9%と大幅な伸びを記録した反動とみられることに加え、中古住宅の在庫が足もとで低水準にあることなどが要因と考えられます。
同指数は前年同月比では1年ぶりにプラスに転じたことなどから、今年に入ってからの住宅市場の回復はおおむね継続していると思われますが、足もとの動きはやや一服気味といえます。
【図表1】米中古住宅販売成約指数の推移
※期間:2014年4月~2019年4月(月次)
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
米国株と比較してUS-REITは堅調に推移
フィラデルフィア住宅建設株指数の年初来の動きをみると、住宅ローン金利低下などに伴って住宅市場に改善の兆しがみられるなか、4月までは良好なパフォーマンスがみられました。ただし、5月に入ると、住宅市場の動きがやや一服気味であることに加え、軟調な推移となっている株式市場全体の動きに歩調を合わせるかたちで、パフォーマンスが低下しています。
これに対し、US-REIT(FTSE NAREITオール・エクイティ・REIT・インデックス、配当込み)は5月16日に過去最高値を更新した後も株式市場の動きに引きずられることなく、相対的に堅調に推移しています。
米中貿易摩擦の拡大が世界的に景気減速を招くのではないかとの懸念が強まるなか、30日に米10年国債利回りは2.21%台と、およそ1年8カ月ぶりの低水準をつけるなど、US-REITにとって市場環境がプラスに働いているとみられます。
こうしたことから、当面、低水準の米金利などを背景にUS-REITは堅調な展開が見込まれます。
【図表2】米株価指数とUS-REITの推移
※期間:2018年12月31日~2019年5月30日(日次)
2018年12月31日=100として指数化
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
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