リスクとは、一般的に「危険」という意味にとらえられていますが、投資の世界では、収益(リターン)の「不確実性」のことをいいます。株式投資には、さまざまな不確実性があります。例えば「株価変動リスク」とは、株価が上昇したり下落したりすることによって、損益が変動する可能性のことをいいます。この不確実性がプラスにぶれればいいのですが、期待に反してマイナスにぶれて思わぬ損失が発生することがよくあります。
リターンを得ようとするなら、リスク(不確実性)を受け入れることが必要です。株式投資に伴う「リスク」をよく理解して、自分に見合ったリスクを取りましょう。
今回は、初心者向けに少ないリスクで株式取引を行う方法を説明します。
- 株式投資のリスクは減らせる。対処法を知ろう。
- 初心者は安定成長企業に少額投資がおすすめ。
株式取引のリスクの種類と対処
福沢 隆雄
若葉マークの株式投資 代表
株式投資にはさまざまなリスクがあります。下図の「株式固有のリスク」とは、株式そのものが保有しているリスクです。どのような銘柄を選ぶかにより、リスクを低減することができます。例えば、「急騰銘柄、新興市場銘柄、テーマ株」を避けることにより、大きな株価変動リスクを防げます。
また、下図の「取引手法のリスク」は、買い方に注意することで低減することができます。例えば、少額かつ安いところで買い、リスクを小さくします。
初心者は「安定成長企業」を安く、少し買う
では、初心者向けにリスクの少ない株式取引を整理して紹介しましょう。投資対象企業は、「安定成長企業」、株価は安いところ「安値圏」で買いましょう。また、買付け金額は、「少額」投資としましょう。「安定成長企業」は、第3回・第4回を参照ください。「安値圏」は、第7回を参照ください。
リスク管理とは「リスク」をなくすことではない
株式投資にあたり、リスクを自分の許容範囲内として管理をしましょう。リスク管理とは「リスク」をなくすことではなく、どの程度リスクをとって資産運用するかを考え、対処することです。自分の知識・経験・資産状況に応じたリスク管理を検討してみましょう。
負わないリスク(投資をしないリスク)
投資を恐れて、何もしなければリスクの発生が無く失うものはありません。今までの預貯金のほうが、はるかに楽で、居心地がいいかもしれません。しかし、今のままでは心もとない低金利です。得るものは少なくなります。
リスクの語源はイタリア語のRisicare「勇気をもって試みる」
リスク(Risk)の語源はイタリア語のRisicare(リジカーレ)に由来し、「勇気をもって試みる」という意味です。これには「危険をおかす」とともに「冒険や挑戦」といった意味合いも含まれており、未来に希望を持ち、積極的にチャレンジ(挑戦)する言葉です。
何かを得ようとするにはチャレンジが必要です。従来の預貯金の世界からの脱皮が必要です。飛躍するためには障害や抵抗がありますが、この「不安定」なリスクへのチャレンジがないと次のステップにはいけません。安定成長企業を安値圏で少額投資ならば、低リスクです。投資の基礎を学び、1株からの投資を試みてみませんか。
勇気をもって株式投資に挑戦しましょう。
次回(11月20日予定:最終回)は、「株式貯蓄のすすめ」について説明したいと思います。