去る2019年12月17日に立命館東京キャンパスで行われた記者会見で、学校法人立命館が「立命館・社会起業家支援プラットフォーム RIMIX」を開設することを発表しました。会見にはコモンズ投信、ジャフコ、ソニー、READYFORの各社の代表も参加し、社会起業家の育成に向けた取り組みについて語られました。

「社会に良い影響を与える投資」への注目

株式投資の話題で、「ESG」「SDGs」というアルファベットの並びを見かける機会が増えてきました。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取ったもので、「ESG投資」は「環境と社会と企業統治に配慮する企業に投資しましょう」という意味になります。

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SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」のことで、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」など、具体的な17の目標が設定されています。さまざまな企業や自治体が、SDGsへの取り組みをホームページなどで発信しています。

外務省「SDGsとは?」

ESGもSDGsも、その目的をざっくり言うなら「企業は世のため人のためになる活動をしましょう」ということです。世の中の企業が社会に貢献するような仕事に取り組むことで、そこで働く人も安定的な収入が得られて、みんなが安心して生きていけるという考え方です。

ESGやSDGsに関連する言葉に「インパクト投資」というものがあります。インパクト投資は「金銭的リターンだけでなく、社会的リターンを生むための投資」と位置づけられています。たとえば、投資した企業が発展途上国に大きな浄水場をつくったとか、伝染病を治す新薬を開発したとか、そうした「社会に良い影響を与えること」を目的とする投資です。

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社会を良くする企業に投資のお金が集まるようになれば、実際に社会が良くなり、企業の経済活動がもっと活発になる。そうした考え方から、世の投資家の間ではESGやSDGsを意識した投資や、インパクト投資が近年のトレンドとなっています。

社会起業家の育成・支援も「資産運用」

「立命館・社会起業家支援プラットフォーム RIMIX」の目的は、「社会起業家」を育成すること。社会が抱える諸問題の解決に向けた学生や生徒のアイディアをビジネスとして形にすべく、企業や投資家がサポートする試みです。2020年初頭から本格的に始動するということです。

会見にはコモンズ投信の代表取締役社長、伊井哲朗さんの姿もありました。コモンズ投信は、国内株式を投資対象とする『コモンズ30ファンド』などの投資信託を運用する資産運用会社で、同商品はつみたてNISAの対象商品にも選ばれています。

伊井 哲朗さん
コモンズ投信 代表取締役社長 兼 最高運用責任者
伊井 哲朗さん

コモンズ投信は、投資信託の運用で得た信託報酬の1%を社会起業家に寄付するという活動を10年以上前から行っています。今回の「RIMIX」への参加もその活動の一環ということです。コモンズ投信では、社会起業家への寄付を資産運用の「本業」のひとつと位置づけています。

社会が持続可能なものでなければ、長期投資は成り立ちません。私たちがつみたてNISAやiDeCoなどで資産形成に取り組むための大切な前提が、社会や経済、環境の持続可能性です。社会を取り巻くさまざまな問題をビジネスチャンスととらえ、問題を解決する存在として期待されるのが、「RIMIX」やコモンズ投信が支援する未来の社会起業家たちです。

持続可能な社会をつくる方法は企業への投資だけではありません。コモンズ投信などが取り組む寄付もそうですし、私たちひとりひとりが日頃の生活において省エネや環境保全に配慮したり、差別や偏見のない行動を心がけたりすることも、ひとつの社会貢献といえます。

投資や資産運用を狭い意味での「お金を増やすこと」ととらえず、より広い視野で考えてみると、資産形成のために私たちが投資すべき対象も変わってくるかもしれませんね。