健康を第一に、続けられる方法で、でも浪費はしない
まわた- サラリーマン時代の、平均的な1日のスケジュールを教えてください。
穂高さん- 毎日、大体7時に出社していました。朝は電話が鳴らなくて仕事がはかどるし、早く帰りたかったので。というのも、睡眠の質を高めるため、夕食を食べてから寝るまでに3時間くらい空けるように努めていました。
- ランチはさっと食べ、会社の周りを外国出身の方と散歩したり、公園で懸垂したり……一時期は近くにプールがあったので、食後に30分ほど泳ぐこともありました。
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まわた- それ、休まりますか?!
穂高さん- たまに眠くなることもありましたが、頭も心もスッキリして結局午後の仕事も捗りますし、何より気分が最高でした。とくに夏のプールはとても気持ちよかったです。
まわた- 穂高さんは運動がお好きなんですね。
- 帰宅は何時ごろでしたか? 三菱グループの企業にお勤めだったとのことで、やっぱり激務だったんでしょうか。
穂高さん- 会食などがある日は0時くらいに帰宅することも多々ありました。会食のない日でも、20~21時くらいまで業務に追われていることが多かったです。必死に頑張って仕事を終わらせて早く帰ると、暇だと思われるからか業務が結局どんどん増えましたが(笑)。
まわた- サラリーマンの哀しみ……。
穂高さん- しんどいこともありましたが、明確にセミリタイア後の生活をイメージして、発奮材料としていました。夕食は、外食する時もありました。無理に切り詰めるのはしんどくて続かないですし、体を壊しては元も子もないです。
- 早く帰宅できた日は、近所の区民プールに泳ぎに行くこともあり、22時ごろに寝るよう努めていました。
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まわた- 健康を第一に、続けられる方法で、でも浪費はしないという。とことん合理的で、頭のいい人のお金の使い方って感じがします。
- FIREを達成した、現在の生活はいかがですか?
穂高さん- なんだかんだとても忙しいのですが、朝起きた瞬間に、「今日も1日、自分で主体的に予定をある程度立てられる」という現状に深く感謝しています。
- いつ食事をして、いつ生業に携わってもいいですし、時間を見つけては好きなことをして、今後の展望を描く、自由度の高い生活です。実は今日も、取材前に足湯に行って来ました。
まわた- う、うらやましい……!
でもセミリタイアということは、お仕事も続けていらっしゃるんですよね。
穂高さん- 2020年夏に書籍を出版予定なのでその執筆などをしています。本当は退職後しばらく何もしない期間を設ける予定だったのですが、なんだかんだ忙しくて全く休んでる感じがしません……(笑)。
穂高さんのとある1日
退職後の自由時間は、著述・会合・打合せ・勉強・料理・探検などに充てているそう。
まわた- ブログも精力的に更新していらっしゃいますよね。投資先の銘柄やポートフォリオを細かく公開されているので、参考にする人も多そうです。
- それに、文章自体もすごく面白い! お勤め先だった会社を「豚舎(とんしゃ)」、ご自身を「豚(トン)」と呼ばれていて(笑)。
穂高さん- (笑)。愛情表現です。会社員生活で無駄な経験は1つもありませんでした。
- 最近は読者の方々も増え、投資や新たな生き方に興味を持って頂くきっかけになれば有難く思います。ただ、読者の方々に対して心配もあります。株式市場は常に順風満帆ではないので、逆風下でも耐えられるように、自身のリスク許容度や好みに合わせて意思決定をしていく必要もあります。
まわた- たしかに、読者さんには、ご自身でしっかり考えてから投資判断をしてほしいですね。とはいえ、書籍の発売が楽しみです!
外野の声は気にせず、自分の信念を貫く
まわた- 今後の夢は何ですか?
穂高さん- 挑戦したいことはたくさんあります。ただ、まずは空っぽの時間を作って、少し落ち着きたいですね。そもそもセミリタイアしたかった理由の1つが、「自分が時間に余裕ができたときにどんな心境に至るのか」を客観視したかったからなんです。
- 予定を詰めたくなるのか、暇になって退屈に感じるのか、旅に出たくなるのか、なにをしたくなるのか?? それを知るための期間をまずは作って、その上で判断したいです。
登山以外にも、スポーツ全般がお好きという穂高さん。毎朝のラジオ体操は欠かさないそう。
まわた- FIRE生活に入った今、時間はたっぷりあるわけですから、やろうと思えば全ての夢を実現させられますね。まさに夢のような生活!
- もし今、サラリーマン生活を頑張っている人が目の前にいたら、どんな風に声をかけますか?
穂高さん- 投資に限らず、目標があるなら諦めずに頑張っていただきたいです。目標に向かって進んでいく時って、「そんなの無理だ」「そんなことをしても意味ないのに」とか、色んな外野の声ってあると思います。
- でも、結局は自分の人生。自分のことを一番よくわかっているのも自分です。信念を持って突き進むことで、違う景色は必ず見えます。
- 日本の方々は、良くも悪くも他人の言動に関心を持つ人が多いと思います。出る杭を打ったり、揚げ足を取ったり……気を付けないと、すぐ他人からのノイズに影響を受けてしまう方が多いのではないかと思います。
まわた- 穂高さんがFIREを目指す過程でも、周囲からの様々な横やりがあったこととお察しします。とくにまだお若いので、「若いうちは貯めずに使え!」とか……。
穂高さん- そうですね。ただ、そういったご意見は全く意に介さず、強い意志を持って自分の信念を貫徹する姿勢を維持していたことで、逆に応援してくださる方も増えていきました。
- そのおかげで追い風が吹くような出来事もあって。追い風をつかむためには、自信をもって目標を掲げ続けることが大事だと実感しています。
まわた- ご自身の信念を貫いてきた結果が、今の自由で充実した生活なんですね。
あらためて、FIRE達成おめでとうございます! 今日はありがとうございました。