就業不能保険とは、保険会社所定の就業不能状態が長期間継続した場合に、給付金を受け取れる保険です。もしもの時の収入減少に備えられるので頼りになりますが、給付金を受け取れる場合と受け取れない場合があります。仕組みや給付条件などについて改めて整理してみましょう。

  • 病気やケガで収入を得られない状況が続いた場合、毎月給付金を受け取れる保険
  • 仕事ができない場合でも就業不能状態に該当しない場合もあるので注意が必要
  • 加入する場合は、まず自分が利用できる公的保障制度を把握すること

就業不能保険とは?

就業不能保険は、病気やケガで長期間収入を得ることができない状態が続いた場合に、お給料のように毎月給付金を受け取れるというものが一般的です。

ほとんどの場合、60日・90日・180日などの支払対象外期間が設定されており、保険会社所定の就業不能状態がこの期間を超えて継続した時に、給付金の受け取りを開始することができます。

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また、同様の機能を持つ所得補償保険というものもあり、こちらは損害保険会社が販売している保険です。

【図表1】就業不能保険の一例
保険会社 保険商品名 特徴
アクサダイレクト生命 「働けないときの安心」 うつ病などの精神疾患で働けなくなったときも保障される
アフラック 「給与サポート保険」 就労困難状態が継続していなくても最初の6回分給付金を受け取れる
SBI生命 「働く人のたより」 保障対象となる疾病を自身で3つのタイプから選択することができる
T&Dファイナンシャル生命 「働くあなたにやさしい保険」 がんなど特定の疾病で働けなくなったときに給付金を受け取れる
ライフネット生命 「働く人への保険2」 ネットで手続きができ、主婦・主夫でも申し込みができる

給付金を受け取れる場合・受け取れない場合

就業不能保険という名前から「働けなくなったらお金を受け取れる保険なのかな」と思う人もいるかもしれません。しかし、働けなくなったらお金を受け取れる、というのは少し正しくありません。

では、どんな時に給付金を受け取れて、どんな時に給付金を受け取れないのか?ここでは一般的な例を見てみましょう。

※こちらでご紹介する内容はあくまで一例です。保険商品によって給付条件は異なり、給付金の支払い判断は保険会社の審査により決定されます。詳細は各保険会社の「パンフレット」「重要事項説明書」「約款」などを必ずご確認ください。

就業不能保険で給付金を受け取れる例

給付金を受け取れるのは、基本的に、保険会社所定の就業不能状態が支払い対象外期間を超えて継続した場合です。

就業不能状態とは主に、病気やケガで医師の診断を受け、治療のために入院をしている状態をいいます。医師の指示で在宅療養をしている状態も就業不能状態とされることがあるようです。また、最近では障害等級が所定以上となった際も給付対象となる保険が出てきています。

就業不能保険のイメージ就業不能時に毎月、お給料のように給付金を受け取れる就業不能保険

就業不能保険で給付金を受け取れない例

給付金を受け取れない、あるいは受け取りが終了するのは主に、就業不能状態に該当しない・しなくなった場合です。

就業不能状態の原因である病気やケガが治り、仕事を再開できる状態になった場合は給付金の受け取りが終了となると決められているものが多いようです。

また、在宅療養での給付金受け取りには、治療に専念をしていることが条件に含まれます。自宅で事務作業や軽作業を行える、あるいは通院以外の外出に支障がないなどの場合は、就業不能状態とされない可能性があります。

就業不能状態と見なされない場合も会社の倒産などで休業、失業しても給付金は受け取れない

就業不能状態に該当する状態の継続期間が短かった場合も、給付金受け取りが難しいでしょう。先ほども書いたように、就業不能保険の多くには給付金の支払対象外期間が設定されています。就業不能状態に該当する期間がこの支払対象外期間を超えずに回復した場合は、給付金の受け取り開始はできません。

また、会社の倒産などで休業、失業をして収入がなくなった場合に、就業不能保険で備えられないかと考える方もいるかもしれません。しかし、就業不能保険はあくまで病気やケガの療養が必要となった際に備える保険です。これらの場合には給付金を受け取ることはできません。こうしたケースについては公的保障制度を活用できる可能性がありますので、まずはハローワークや役所に相談してみると良いでしょう。

就業不能保険に入る時は給付条件などしっかり確認を!

上記で挙げた以外にも、特定の病気については保障の対象外としているものや死亡保障も付いているものなど、各保険商品で細かい違いがあります。また、メンタルや健康の相談サービスなどが利用できるものも。

自分が利用できる公的保障制度を踏まえて、事前にそれぞれの保障内容・保険料・付帯サービスを調べて、自分にはどんな保障が必要なのかを考えて加入を検討できると良いでしょう。

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