まるで綿菓子のような、ふわふわもこもこのビションフリーゼのハナちゃんは、由緒正しいセレブ犬。今はセレブ生活に憧れるまんが家のリコたんと暮らしています。見かけは可憐な美人さんだけど、一皮むけばツンデレで獰猛。でもハナちゃんは飼い主に金運をもたらすハッピー犬。今回は、ずばり! 「かわいい」の本質に迫るのだワン!(あやせ理子=絵とお話 聞き手・文=だーま)
ハナちゃんの好物は「かわいい」
こんにちワン! ビションフリーゼのハナちゃんです。
ハナちゃんをひと目見ると、みんな第一声は「かわいい!」
「かわいい」という言葉は、もはやハナちゃんの代名詞かも! って思うくらい、ハナちゃんの背景にはかわいいの花文字でオーラができるほど。
ま、そのかわいい顔の裏側には、超ツンデレな怪獣犬の素顔があるんですけど、それがまたかわいくて、飼い主のリコたんをメロメロにしています。
ところで、この「かわいい」という言葉は、もはや世界共通語「kawaii」に!
アメリカでもイギリスなどの英語圏はもちろん、ハナちゃんのご先祖が暮らしたおフランス、はたまたイタリア、ロシア、それからブラジルやインドネシアでも「kawaii」で通じちゃうのです。
英語でいうと“pretty(プリティ)” “cute(キュート)” “lovely(ラブリィ)”、フランス語では“mignon(ミニヨン)”、イタリア語では“carino(カリーノ)”という言葉があるけど、日本語の「かわいい」のニュアンスを訳しきれないので、「kawaii」がそのまま、海を越えて使われるようになったというわけなのだワン!
さすが、ハナちゃんの代名詞だけあって、グローバル!
ところで、kawaiiの他にも日本語のまんま、世界共通語になってる言葉、案外たくさんありますよね。
昔から良く知られている日本語には「sushi(寿司)」「tempura(天ぷら)」「judo(柔道)」なんてのがあって、その後、「koban(交番)」「karaoke(カラオケ)」「mottainai(もったいない)」などなども世界で知られる日本語に。
そして、リコたんが生業にしている「manga(まんが)」をはじめ「anime(アニメ)」「cosplay(コスプレ)」「emoji(絵文字)」なども、クールな日本文化を象徴する世界語として使われるようになったのです。
面白いんだワン!
アニメって“animation(アニメーション=動画)”の略だし、コスプレも“costume play(コスチュームプレイ=扮装した時代劇)”の略。
両方とも日本語の中で生まれたいわば和製英語なんだけど、いまや、アニメ、コスプレで充分に通じるんだもんね。
たしかに、世界で大人気の日本のアニメは、単なる動画とは別カテゴリー。
コスプレも日本のアニメキャラに扮装することで、元の英語のニュアンスとは違うものね。
だから、日本のまんがやアニメが世界共通語になって、キャラクターに描かれるかわいらしさを表す言葉も、その国の言葉に訳すよりも、「kawaii」という方がしっくりいくのだわね。
しかも、この頃は日本語の「かわいい」自体も進化を遂げています。
「キモかわいい」とか「ブサかわいい」とか、かわいいの範疇もどんどん広がって……いったい、「かわいい」はどこまで進化をとげるのでしょう?