4月16日、新型コロナウイルスの感染防止に向けた緊急事態宣言の対象が、これまでの7都府県から全国に拡大されました。感染がいつ収束するのか見通しが立たない中で、株式や投資信託で資産運用をしている方は、今後どのような行動を取ればよいのでしょうか? 投資信託を運用する資産運用会社、三井住友DSアセットマネジメントの金井麻理子さんにお話をうかがいました。

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金井麻理子さん

三井住友DSアセットマネジメント
資産形成推進部 推進チーム長
金井 麻理子さん
2009年入社、営業企画、外部委託運用、年金基金へのコンサル営業を経て、2016年4月から現職。個人顧客や運営管理機関への情報発信を行いながら、積立投資などの推進に取り組んでいる。

日々の値動きに一喜一憂せずに保有を継続

Q.「解約が増えている」「むしろ資金流入が増えている」など、今回の調整局面で貴社ファンドはどのような影響を受けていますか?

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当社ではインターネット経由での投信直販サービス「三井住友DS投信直販ネット」(以下、直販)を運営しておりますが、今年に入って口座開設申し込み、新規買付額ともに大幅に増加しています。昨年末にかけて比較的株式市場が好調だったことから、ここもとのコロナショック以降、基準価額が下がったタイミングでご投資を開始されたり、増額されたりするお客さまも多いようです。

Q. 販売会社や個人投資家から増えている質問はありますか?

特定の質問が増えているといった傾向はありません。

しかし、こういった状況なので、当面の運用環境や銘柄選択に関しては、臨時レポートやメールマガジン、SNSを通じてファンドマネージャーから直接発信する等、お客さまの不安を少しでも解消できるよう努めています。

トラリピインタビュー

Q. こうした局面で個人投資家がやってしまいがちなミスや、やってはいけない行動には何がありますか?

これ以上損をしないうちに、と慌てて売却することは避けていただきたいです。投資の基本は長期保有による資産成長を目指すことです。保有資産によってばらつきはありますが、リーマンショック後も辛抱強く長期保有を続けられた方の多くが資産価値を回復しています。地道ではありますが、こういった局面でも、日々の値動きに一喜一憂せずに保有を継続することが大切です。そのために、普段から「当面使う予定のないお金」だけを投資にまわしていただくことをおすすめします。

きめ細やかな運用がアクティブファンドのメリット

Q. 個人投資家は現状にどう向き合い、どのような行動をとるべきでしょうか?

長期保有と併せてご提案しているのが積立投資です。当社直販のお客さまも、約75%が定期積立を活用していただいています。こういった不安定な市場環境でこそ、積立投資の平均買付単価を引き下げるメリットが活きるため、先々市場が回復する局面では資産成長にプラスに働く効果が期待できます。

今から投資を始める方にも、コロナウィルス感染の影響がいつまで残るのか不透明なことから、極力一括投資を避け、積立投資等の時間分散をしていただくのが良いかと思います。

Q. こうした局面だからこそ見直したい、投資信託のメリットは何ですか?

アクティブファンドであれば運用の専門家が市場環境を見極めて組入銘柄の入れ替えを行うなど、きめ細やかにお客さまの資産を運用します。(パッシブファンドは市場平均に連動するため運用方針は原則変更されません。)

例えば、直販専用の「アクティブ元年・日本株ファンド」では、同じ下落局面の中でも、ポートフォリオを守ることに重点を置く初期のフェーズなのか、回復局面を見据え中長期で成長力のある銘柄を組み入れていく下落期の終盤なのかを考えた銘柄選択を行っています。こういった投資を個人で行うのは難しく、投資信託をご活用いただく利点と言えるのではないでしょうか。

Q. 最後に個人投資家にメッセージをお願いします。

大切な資産があっという間に10%も20%も値下がりしてしまうのを見て、心穏やかにいるというのは難しいことです。私自身も保有している投資信託がどれも大きく値下がりしてしまい、証券口座には真っ赤な数字が並んでいます。

ただ、ここからどういった行動をとるかで、先々の運用成果は変わってきます。積立投資で割安に投信を購入できる好機だと、むしろポジティブに気持ちを切り替えて、長期的な視点で保有を継続してもらえたらと思います。我々も、お客さまの資産を守り、育てるために日々思考しています。この難局を共に乗り越えていきましょう。

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