「つみたてNISAはインデックス型一択」というイメージを持っていませんか? 実は、つみたてNISAで選べるアクティブ型の投資信託には、優秀な運用成績を残しているものがあります。長期積立投資でも、うまく取り入れればインデックス型より高い運用成績を残すこともできるかもしれません。ぜひ本記事を参考にして、つみたてNISAにアクティブ型も検討してみてください。

  • 信託報酬が低いインデックス型がつみたてNISAの対象商品に選ばれやすい
  • アクティブ型を選ぶポイントは「インデックス型を上回る実績」
  • 優秀なファンドマネージャーが運用するファンドを見極める

つみたてNISAで買える投資信託の大半がインデックス型

つみたてNISAは20年間にわたって投資運用益が非課税になる制度です。一般に株式の個別銘柄より低リスクな投資信託を、じっくり時間をかけて成長させることが、つみたてNISAのオーソドックスな使い方だといえるでしょう。

つみたてNISAを管轄している金融庁は、対象商品を選ぶときに「信託報酬の低さ」を重視しています。そのため、信託報酬を低く設定しやすいインデックス型の投資信託が、つみたてNISAの対象商品に選ばれやすいのです。また、インデックス型の投資信託は日経平均などの指数に連動するため値動きを読みやすく、投資初心者でも挑戦しやすい点も、つみたてNISAの対象商品にインデックス型が選ばれる理由のひとつです。

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ただし、数は少ないものの、つみたてNISAで買えるアクティブ型の投資信託も存在しています。『ひふみプラス』や『コモンズ30ファンド』に代表される株式型のファンドは、つみたてNISAの対象として金融庁の厳しい基準を突破した、優秀なアクティブ型ファンドといって差し支えないでしょう。

アクティブ型を選ぶポイントは「インデックス型を上回る実績」

アクティブ型の投資信託を選ぶ際にデメリットとして理解しておきたいのが、信託報酬の高さです。アクティブ型投資信託の信託報酬は国内株式で1%程度、外国株式などでは1.6%程度のものが多いようです。

インデックス型投資信託の信託報酬は概ね1%を大きく下回る水準なので、アクティブ型の投信がいかにコストが高いかがわかります。インデックス型と比較すると、アクティブ型は年間で1%ほどのハンデを負っているといえるかもしれません。アクティブ型から商品を選ぶときは、信託報酬のハンデを補えるだけの運用実績をあげているものを選ぶことがポイントです。

ハードル
信託報酬というハンデを大きく超える収益を出せれば、インデックス型を上回る運用成果が期待できる

アクティブ型がインデックス型を上回る可能性

つみたてNISAの制度が始まってから3年以上経ちますが、実際のところアクティブ型とインデックス型のどちらが高い成長率となっているのでしょうか。

金融情報の提供を行うモーニングスターの調査によると、2020年11月までの実績ではアクティブ型のほうが運用成績が優秀という結果が出ています。

つみたてNISAスタートから34カ月、積立運用成績はアクティブファンドに軍配(モーニングスター)

つみたてNISAは運用コストの低さが注目されがちなため、しばしば低コストのインデックス型投信を選ぶのが最良の選択のように捉えられがちです。しかし実際のところは、アクティブ型の方が成績がよかったという結果もあり、必ずしもインデックス型の方がつみたてNISAに向いているわけでもないようです。

アクティブ型投資信託の選び方のポイントは、優秀なファンドマネージャーが運用するファンドを見極めることです。「素人にファンドマネージャーの良し悪しなんて見分けられない」とお考えの人もいると思いますが、実はつみたてNISAの対象に選ばれているアクティブ型ファンドはどれも優秀なファンドマネージャーが運用する投資信託といっても差し支えありません。なぜなら金融庁の選定基準はとても厳しく、その基準を超えて選ばれているだけでも信頼に足る投資信託だと判断できるからです。

アクティブ型かインデックス型の2択で考えるのではなく、うまく商品を選びつつインデックス型の中にアクティブ型投資信託を取り入れていくことが効果的かもしれません。
アクティブとインデックスの適切なバランスを保てれば、適度にリスクヘッジしつつ、資産を成長させることができそうです。

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