近年、投資を行う際の指標として企業のSDGsへの取り組みが注目を集めています。しかし、その取り組みが見せかけだけの企業に投資をすると、うまくいかない場合が多いでしょう。本記事では見せかけだけのSDGs、すなわち「SDGsウォッシュ」と、投資をする際のリスク回避の方法について解説します。

  • SDGsウォッシュとは、SDGsに向けた取り組みが見せかけであること
  • 企業がSDGsウォッシュと判断されると、売上減少や株価下落の要因に
  • SDGsウォッシュのリスクを避けるために、IRページや統合報告書を読み込む

実態が伴わないSDGsの取り組み

SDGsとはSustainable Development Goalsの頭文字をとって作られた言葉で、持続可能な社会を目指すための取り組みです。

しかし、SDGsの実現に向けた取り組みを本当に実践できているか見分けることは簡単ではありません。見せかけだけのSDGsを揶揄する言葉が「SDGsウォッシュ」です。見せかけの環境対策を意味する「グリーンウォッシュ」を元に作られた言葉といわれています。

SDGsウォッシュにはさまざまな例があります。環境に優しい素材を安価で提供すると謳っている反面で、安価で提供するために労働者に過酷な労働を強いているケースや、クリーンエネルギー開発のために大量の森林を伐採しているケースなどが、その代表例です。

SDGsウォッシュはこれからの投資で見逃せないリスク

近年、ESG投資が注目を集めています。ESGとはEnvironment Social Governanceの頭文字を取った言葉で、投資家は持続的に成長が見込める企業かどうかを判断するために、SDGsの取り組みに注目しています。

SDGsの取り組みが見せかけのSDGsウォッシュであると判断されると、企業のイメージが悪くなって売り上げが落ちたり、株価が大きく下落したりする可能性もあるでしょう。

SDGsウォッシュリスクは、これからの投資において見逃せないポイントといえます。

MonJa読者アンケート

SDGsウォッシュリスクを避けるために

SDGsウォッシュリスクを避けるためには、何を心がければよいのか気になるところでしょう。まず認識するべきポイントは、SDGsウォッシュとなっている企業側にも多くの場合、悪意はないという点です。

見せかけのSDGsを意図的に行っている企業は多くありません。多くの企業がSDGsに取り組んでいるつもりでも、実際には内容が伴っていないということなのです。

電通は「SDGsコミュニケーションガイド」でSDGsウォッシュを回避するためのポイントを公表しています。SDGsコミュニケーションガイドには、SDGsについて主に以下のようなことが書かれています。

  • 企業経営へのメリット
  • 取り組む際の留意点
  • 企業経営者のコミットメントに期待
  • SDGsによる広告コミュニケーション
  • SDGsウォッシュが企業にもたらすダメージ

電通の「SDGsコミュニケーションガイド」は経営層などに向けた解説ですが、投資家のチェックポイントとしても有効です。

SDGsコミュニケーションガイドにもSDGsウォッシュによって「投融資先としての企業の魅力を毀損する」と記載されています。今後は、たとえ業績が良くても、SDGsウォッシュと捉えられる企業からは投資家も離れていくでしょう。

したがって、投資をする際には、企業のIRページや統合報告書などを読み込むことで、SDGsに向けた取り組みを具体的に調べることが重要です。実際にSDGsにしっかり取り組めている企業に投資することで、長期的には株価の上昇も期待できるでしょう。