宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、上昇を続ける相場の中で株式を高値づかみしてしまったという方に向けて、「長い目で見た運用」の大切さと、暴落のリスクに備える運用についてアドバイスします。

  • 長い目で株式を運用していくには、企業に関心を持って投資することが大切
  • コロナ禍のような経済環境に対して、強い業種と弱い業種の両方を持つ
  • 米国の成長企業に目を向けるなど、投資先を海外にも求めてみる

長期目線での株式投資は、企業に関心を持つことが大切

【質問】
コロナ禍になって1年過ぎ、そろそろ経済も安定してくるかと思い、数種の日本株式を買いました! でも買ったとたんに下落となり、さえない株価が続いています。ここで質問ですが、外国株を組み入れた方が、全体での値下がりは小さくなるのでしょうか?

前回のテーマは「株式投資での失敗」でした。今回も株式をテーマに、「株式投資のリスク」にスポットを当てて考えていきます。

初めての株式投資で値下がり! この先どうする?

日本経済に目を向けると、前代未聞の大幅な金融緩和政策による超低金利が長く続いており、その影響もあって日経平均株価はここ数年で大きく上がりました。金融市場は、バブルに陥っている状況にあるといえます。
これは日本に限らず、世界の金融市場にも当てはまるのですが、その中でも日本の財政は特にひどいものがあり、いずれバブル崩壊はやってくるでしょう。
その時、バブル崩壊と株価の暴落をあわてずに迎えられるのか、そうでないのかで、これからの株の運用法は変わってくると思います。

最近初めて日本株式を購入した方に言えるのは、すでに値上がりした後の購入が大半であり、高値づかみをしている可能性が高いということです。そもそも、株式を購入した目的が、短期での利ザヤ稼ぎになっていなかったでしょうか? 目先の儲けに走るのであれば、損することも覚悟で投資をしなければなりません。そうではなく、長期でお金を増やしたいと思って株式を購入したのなら、たとえ高値づかみをしてしまっても、今後も損を軽減しながら運用できることも覚えてほしいです。

多くの株式などに投資する投資信託のような価格変動が比較的少ない商品と違って、暴落の可能性がある個別株式投資では、どうやって長い目で運用すればいいのでしょうか?

長期で利益を増やしていくための株式投資では、企業に関心を持つことが重要です。その延長に儲け(運用の成果)が出てきます。
メディアや金融雑誌で取り上げられたという理由ではなく、自分自身で興味を持ち、好きになった成長企業に投資ができるか?
きれいごとに思えるかもしれませんが、このような投資を多くの投資家が実行したらどうでしょう。投資家の関心や興味が、長い目で見れば企業を成長させることになりうるのです。
だから株式投資は、「思い」や「気持ち」も大事なのかなと考えています。

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上昇トレンドは業績を確認、下降トレンドは原因を探す

さて、ここからは株式を購入する時になるべく高値つかみを防ぐためのヒントや、暴落のリスクに備えた株式の分散のあり方を、自身のポートフォリオを例にして話していきましょう。

まず、私がこれまで投資した個別株や投資信託などの状況について説明します。
スタートは①日本株式中心の投資信託でしたが、そのあとは②日本株式→③中国株式→④ベトナム投資信託→⑤米国株式という順に投資してきました。

現在、投資状況はどうなっているのかというと、①日本株式中心の投資信託(アクティブ運用)約50%、④ベトナム投資信託が約5%、②日本株式が約30%、⑤米国株式が約15%となっています。

③中国株式に関しては、GDPが日本を抜いて2位になったのを見て高度成長が終了したと判断し、11年前に手仕舞いしました。
④ベトナム投資信託は保有継続中で、⑤米国株式は昨年から運用を始めています。
今、積立投資を続けているのは①日本株式中心の投資信託だけですが、運用成果は②日本株式以外まずまずです。

私の場合、日本株式の個別銘柄はグロース銘柄(成長株)に多く偏っていることもあり、長期で視ることに徹しています。ある程度の株価のブレでは心が揺れることもありませんので心配していませんが、同じ業種に偏らないようにはしています。
例えば、コロナ禍ではANAホールディングスなど厳しい状況の銘柄と、コロナ禍のキャンプ人気を追い風にしたアウトドアのスノーピークなどというように、両極端の銘柄を持っていれば、コロナの状況がどのように変化してもバランスを保てるでしょう。

キャンプ
コロナ禍で、密になりにくいとされるレジャーとしてキャンプが人気を集め、スノーピークなど関連銘柄の株価が上がった(写真はイメージです)

皆さんも株価のチャートを見たことはあるかと思いますが、スノーピークのチャートのようにきれいな上昇トレンドラインができていれば、ある程度株価が上がっていても、買ってもいいのかなという判断になります。
ただし、個別銘柄を買うのが初めての方は、検討中の銘柄が下降トレンドの場合はその原因を探すのも重要で、原因によってはコロナ禍が終わっても上昇しないかもしれないので、厳しい状況の銘柄については「買わない」という選択肢もあると思っています。

成長パターンを見抜くには、半期の業績をチェックすることも必要です。どういうトレンドラインであるかは、チャートだけでなく業績からも見極めてください。
今回の相談者は、日本株式を高値づかみしてしまったということですが、その原因が「上昇トレンドだから買った」ということであるならば、また株価が上がるまで忍耐が必要かもしれません。待ってみましょう。

米国の成長企業にも目を向けて、国や業種の偏りを減らす

また、私が米国株式の個別銘柄を組み入れたのは昨年度からですが、成長性を重視したグロース銘柄が中心になっています。コロナウイルスでたくさんの人が亡くなりながら、経済の回復が速く、インフレ懸念すらついて回る大国に嫉妬すら感じます。
世界恐慌、リーマン・ショックなどで金融市場の暴落が起ころうとも、成長を続ける企業はあります。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表される巨大IT企業と、それに関連する企業は成長性を増大させています。残念ながら、日本企業の遅れを認めざるを得ないのです。

コロナ禍以降、国ごとにも株価の推移に大きな差が出てきています。日本もいいのですが、米国の成長企業にも投資してみるのもいいでしょう。
ただし、米国経済も日本と同じくバブル状態であり、いずれ崩壊はやってくると思います。その際に損を軽減できるよう、国や業種があまり偏らないような運用を目指すことも重要だということを、忘れないでください。

次回も株式運用について考えていきます。