資産運用という言葉を聞くと、株式や投資信託、NISAやiDeCoなどをイメージする人がほとんどではないでしょうか。もちろん、こうした手段も資産運用の定番ではありますが、他にも検討しておきたい資産運用の方法があります。本記事では、株式や投資信託に頼らない資産運用方法の選択肢を紹介します。資産配分を考える参考にしてください。

  • 貯蓄型の生命保険も資産運用の手段。商品によっては元本割れのリスクがある
  • インフレに強いと言われる、金や不動産などの現物資産を保有する
  • 保険の見直しや副業など、支出を減らして収入を増やす工夫をする

長期的に資産を育てる手段は「投資」だけではない

資産運用といわれると、株式や投資信託などのいわゆる「投資」をイメージする人が多いでしょう。しかし、資産運用を「長い時間をかけて資産を育てること」というとらえ方をすれば、その方法は投資に限られるわけではありません。

確かに、少子化や将来の年金への不安は年々高まっています。ある程度の老後資金を自分で準備することが求められるのは、当然の流れでしょう。株式や投資信託は資産を効果的に増やす定番の方法ではありますが、元本割れのリスクもあり万能ではありません。

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本記事ではあえて、投資以外の資産運用方法について触れていきたいと思います。

貯蓄性の生命保険を活用する

株式や投資信託に抵抗がある場合には、生命保険を活用するのも手です。生命保険には「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2種類があり、貯蓄型の生命保険であれば、将来的に支払った保険料を上回った金額が戻ってくるものがあります。

貯蓄型の生命保険は掛け捨てに比べて保険料が高くなる傾向がありますが、将来的にもらえる保険金がある程度予測できるのは大きなメリットです。

ただし、解約のタイミングや契約条件によっては、必ずしも元本が保証されるわけではありません。また、商品によっては為替リスクを取るものもあります。生命保険も金融商品であることをよく理解し、中身をしっかり理解したうえで購入しましょう。

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資産の一部を、金や不動産など現金以外で保有する

超低金利が続く日本では、預金で資産を増やすことが難しい状況です。定期預金であったとしてもごくわずかな利息しかつかず、社会がインフレに動けば相対的に預金の資産価値が下落するリスクを抱えています。

インフレ下で強いといわれるものは、金や不動産などの現物資産です。現物資産は需要や景気にあわせてそれ自体の価格が変動します。そのため、インフレの影響を受けることが少ないばかりか、値上がり益も期待できるのです。

また、不動産は相続対策にも使えることに言及しておく必要があるでしょう。

不動産は評価額が大きくなりがちなため、相続人に過大な税負担がかかるケースがあります。そのため、実際の流通上の価格より相続税評価額が低くなるように配慮されていることが一般的です。いざというときには相続対策としても使えるため、状況に応じて不動産の資産保有を考えてみてもよいでしょう。

不動産
まとまったお金があれば、「資産を不動産の形で保有する」という手段も有効かもしれない

「収入を増やす」「支出を減らす」という工夫をしてみる

「将来に不安があるので、収支に余裕はないが無理して投資に資金を回している」「1円でも安いものを買うためにスーパーを巡り、ポイ活で余裕資金を作る努力をしている」という人もいるでしょう。資産形成するための努力としては涙ぐましいものがありますが、これらは必ずしも賢い方法とはいえないかもしれません。

「収入を増やす」「支出を減らす」という行為は、当たり前すぎて検討するまでもないと感じる人もいるでしょう。しかし、複数の仕事を並行したり、副業をしたりして余裕資金を作るのは決して不可能なことではありません。また、いくつもスーパーを比較することやポイ活をする時間がある人は、その時間を副業に充てれば、もっと効率的に余裕資金を作れるでしょう。

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その上で、不要な保険の解約や車を減らし、子どもの習い事を見直すといった節約を行えば、余裕資金を増やすことも難しくありません。家庭の収支が改善すれば、浮いたお金で株式や投資信託などの資産運用に取り組めるようになり、さらに運用の効率が高まるでしょう。

「収入を増やす」「支出を減らす」ことは地味な方法に感じられるかもしれませんが、資産形成の効率を上げるには最も即効性があります。ぜひ取り組んでみてください。

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