テレビ、ラジオ、動画配信も含めて様々なコンテンツの台本や脚本を執筆する放送作家&脚本家が700人以上所属する日本放送作家協会(放作協)がお送りする豪華リレーエッセイ。ヒット番組を担当する売れっ子作家から放送業界の裏を知り尽くす重鎮作家、目覚ましい活躍をみせる若手作家まで顔ぶれも多彩。この受難の時代に力強く生き抜く放送作家&脚本家たちのユニークかつリアルな処世術はきっと皆様の参考になるはず!
連載第152回は、ムエタイで身体を鍛えているベテラン放送作家の山崎純さん。
毎年立てた目標をクリア!
2023年より年金を受給できる65歳になった。同級生の多くが年金生活を送り始めているが、私はまだ年金をもらっていない。
創業27年の放送作家事務所ブルーマウンテンの代表及び、大学・専門学校の講師をしている事もあり、金銭的に多少余裕があるため、年金繰り下げ受給にした。
私と同じ65歳はいくら会社で取締役などかなり地位が高かった人でも、定年になれば、ただの人。他の仕事に就ければ良いが、なかなかそうはいかない。日々やる事がなく、何の目標もない人が多いため、家の部屋にずっと籠り、テレビを見て、食事して寝る毎日。定年鬱という言葉もあるくらいだ。見た目もかなり枯れている同級生が多い。
前段が長くなったが、私は毎年目標を立て、モチベーションを上げ精神的に若さを保つようにしている。2021年は年間で映画1000本観る目標を立てた。劇場や配信などで結局1164本の映画を観た。映画評論家は年間500本くらいしか観ないそうなので、放送作家の中でもダントツ1位だと思う。
2022年は、自分に興味がある分野の勉強をしたいという欲求が高まり、大学受験にトライした。既に他大学を卒業しているので、一般教養課程は免除される学士入学を目指した。こちらも目的達成。慶應義塾大学文学部の学生となった。
そして2023年の目標はダイエット。太りすぎていたため、腹が極端に出て、完全なメタボ。中性脂肪が高く、酒も浴びるほど飲み、肝炎、高血圧で心臓疾患の狭心症の疑いも出た。少しの距離を歩くだけでも息が上がり、立ち止まる事も度々。「この生活を続けていると、寿命か短くなる」とかかり付け医から説教された。
そこで一大決心としてダイエットに取り組む事に。まずは食事療法。一日一食、夜だけの食事。糖質を落とすため。ご飯・パンはなるべく食べないようにして、低カロリーのおかずを選んで食べた。酒も控えた。次にジム通い。挫折していたジムも週3回ほど通うようにした。
年齢が高くなると代謝が悪くなり、痩せにくいと言われるが、半年経過すると体重は減り、腹回りはスリム化してきた。
夏には長年の夢だった富士山登頂も成功した。永遠に続くと思える絶壁に這って登る苦難の連続。相当辛かったが、登頂した達成感は半端ではなかった。
遂に出合ったムエタイとその効果とは!
そして一番効果があったのがムエタイの練習を始めた事だ。ムエタイとはタイ発祥の格闘技。キックボクシングと違うのは、投げ技・肘打ちなどもある。
このムエタイは、仕事で知り合った女子ムエタイ世界チャンピオン4冠の伊藤紗弥選手からダイエットにも効果があると言われたからだ。出会ってからすぐ6月に早速、彼女の所属するジムに通い始めた。
ここではありがたい事に、伊藤選手からパーソナルトレーニングを受けられたのだ。世界チャンピオンから直接、指導を受けられるのだ。こんな幸せな機会を設けてくれた彼女に感謝だ。格闘技界ではスター選手である彼女。見た目もアイドル並みに美しい24歳。そんな彼女を独占している彼女のファンにはざまあみろだ。
このムエタイはオリンピック種目として候補に上がったが、残念ながら落選。アジア大会では正式種目として採用される見込みだとか。
練習としては、足腰を鍛える基礎トレーニング。サンドバックを使ってのパンチ・キック練習。6月入ジムの頃は、この時点でクタクタ。更にリングでのミット打ち。パンチ・キックなどをムエタイ専用のミットで受け止めてくれるのだ。これを3ラウンド2分行う。このトレーニングでは、息が完全にあがる。でも次第に慣れ、全てのメニューを無理なくこなすことが出来るようになった。最近では伊藤選手との本格的なスパーリングを2ラウンド行っている。
このスパーリング中は相手に有効打を与える事だけ考えているので、余計な邪心は何も浮かばない。無になれる。こんな経験は今までの人生でなかった。なので終わった後の爽快感、ストレス解消にはうってつけ。どんな年齢になろうと格闘技ダイエットは最高におすすめ。
1週間に1回ほどの練習だが、体重はみるみる落ち、最高に太っていた頃からマイナス16キロまでになった。先日は文化放送のある浜松町から新宿まで、全力ウォーキングで走破した。太っていた頃には考えられない成長だ。
2024年の目標としては、ムエタイシニアの部で試合に出る事かな。ただし妻には「ケガして、入院でもしたらどうするの」と強く止められている。
次回は、源祥子さんにバトンタッチ!
【ブルーマウンテン放送作家スクール4月生募集中!】
1997年6月放送作家事務所として発足し、現在50名ほどの放送作家が所属しています。
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また、近年ではテレビ局内定者を数名輩出しております。
放送作家を志す皆様、放送業界に興味がある方、放送局に入社希望の方、是非やる気を持って参加していただければ幸いに思います。
株式会社ブルーマウンテン
代表取締役社長 山崎 純