「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回も「50歳以上の方のためのNISA」をテーマに、資産形成の中心的な資産となるであろう「投資信託」の特徴や仕組みについて説明します。
- ひとりだけのお金でできないことを、大勢の人たちのお金で実現するのが投資信託
- 投資信託は分散投資=たくさんの会社の株式などを買うことが実現できる
- 投資信託はファンドマネージャーといわれる専門家に、株式などを選んでもらえる
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皆さん、こんにちは。お正月は能登半島で大きな地震に見舞われ、その翌日には羽田空港で大きな事故がありました。特に海上保安庁の飛行機は能登半島の被災地に向かうところだったとか。被害に遭われた方をお見舞い申し上げます。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
さて「恒久化し、無期限になったNISA」が始まりましたね。お正月も明けた頃に書店に出かけたのですが、雑誌のコーナーは「NISA」一色に染まっていました。手にとってみたところ、中身はあまり違わないような……。イラストや図が多いとか、文字ばかりとか、ビジュアルに違いがあるくらいでしょうか。
驚いたのは値段です。ひと昔前の雑誌に比べて、だいぶ薄くなってしまったのに、お値段は倍は大げさですが、でも倍くらいになってしまった印象があります。物価高なんですね。加えて、書店の生き残りというのもあるのかもしれません。
NISAの歴史と流行り言葉
ところでNISAが始まったのは2014年だったと記憶しておりますが、NISAが定着したころから「分散投資」という言葉が言われ始め、その後、2018年にはつみたてNISAが始まりました。その影響か否かは存じませんが、「配当貴族」や「オルカン」などの言葉も流行り出したように感じます。
さて、「分散投資」・「配当貴族」・「オルカン」、これらの流行り(?)言葉を理解するためには、「投資信託」を知っていなくてはなりません。そこで、本稿は「あらためて、投資信託って何だろう?」というテーマで、投資信託について掘り下げていきます。
「ひとりだけのお金でできない」ことを「大勢の人たちのお金で実現」する
何だか募金の呼びかけかと見紛うようなタイトルですが、これが「投資信託とは何か?」という問いに対する答えになろうかと思います。
ちなみに「ひとりは皆のため、皆はひとりのため」とは、保険などを形容するフレーズとして紹介されますが、このフレーズは保険会社には使って欲しくないですね。
では、投資信託ではどのようなことが実現するのでしょうか?
分散投資の実現
「分散投資とは何か?」という問いに対しては稿を改めてお話し申し上げるとして、投資信託なら分散投資が実現します。
分散投資を平たく言うと、例えば株式であれば、とにかく「たくさんの会社の株式」を買うこと。たくさんって、どのくらい? 少ないもので30社、多いものだと、それこそ「オルカン」なら2831社です。ちなみに「オルカン」はオールカントリーの略で、要するに「世界中」という意味。
果たして、「ひとりだけのお金」で「オルカン」は実現するでしょうか?
専門家にお任せできる
ところで、とにかく「たくさんの会社の株式」を買うにしても、闇雲に買うわけにはいかないですよね。じゃあ、どこの会社の株式を買ったら良いの?という問いに答えることができるのが投資信託です。
投資信託は「大勢の人たちのお金」ですから、それこそ数十億円から、中には1000億円を超えるお金を集める投資信託もあります。それだけの巨額ですから、投資する会社の株式を、ファンドマネージャーといわれる専門家に選んでもらうことができるのです。
そもそも「大勢の人たち」を、どうやって集めるのか?
では、そもそも「大勢の人たち」を、どうやって集めるのでしょうか? NISA口座を開くことができる金融機関や証券会社は、ネット上はもちろん、全国、津々浦々にお店を構えています。そして、各店舗には証券外務員の資格を持つ投資商品販売のプロがいます。つまり、金融機関や証券会社の営業努力やネットによる集客効果で、「大勢の人たちからのお金」を集めているのです。
まとめに代えて
いかがでしたでしょうか? 「あらためて、投資信託とは何か」について、独自の視点と言葉でまとめてみました。
最後になりますが、以下に投資信託協会の「投資信託イメージ図」を載せておきます。あわせて、ご覧ください。