株を夜間に売買するなど、証券取引所のルールに縛られずに取引ができるPTSをご存じでしょうか。PTSを活用することで取引のチャンスが広がります。ただし、PTS取引には特有のデメリットもあるため注意が必要です。当記事では、PTS取引についてわかりやすく解説します。

  • PTSは証券会社が構築する私設取引システムであり、時間外取引が可能
  • 時差のある海外で起きたイベントに即座に反応するなど、取引チャンスが広がる
  • 取引参加者が少なく、希望価格で取引できないこともある

夜間などの時間外取引が可能

PTSとは「Proprietary Trading System」の略語で、私設取引システムと訳されます。PTSは証券会社が私設で取引システムを構築しているため、証券取引所を経由した売買は行いません。そのため、証券取引所を経由する際のルールとなっている売買単位や取引時間などに縛られることがありません。単元未満株での購入や夜間での取引も可能です。

証券取引所が定める取引時間外に取引ができることで、時差がある海外で重要指標が発表された際にすぐに反応できる点や、日中は仕事で忙しく売買ができない人でも早朝や夜間に取引ができるというメリットがあります。

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また、PTS取引では手数料も安く設定されていることがあります。PTSでの取引が無料の証券会社もあるため、コストの面でもメリットがあるといえるでしょう。

PTS取引ができる主な証券会社はSBI証券、マネックス証券、楽天証券などが挙げられます。

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取引参加者が少ない点に注意

PTS取引を行う際は、市場参加者が少ないという点に注意が必要です。市場参加者が多ければ多いほど、購入希望者も売却希望者も多くなるため、取引は成立しやすくなります。

PTS取引は市場参加者が少ないため、証券取引所経由での取引に比べて希望価格で購入できる可能性が低くなります。売却をする際も、希望価格で売れないことがあります。

トラリピインタビュー

また、PTS取引では成り行き注文ができず、希望する売買価格を指定して発注する指値注文のみとなります。

取引チャンスは広がるが高値づかみになることも

PTSを積極的に活用することで、取引のチャンスが広がります。例えば、海外市場で株式に好影響のニュースが流れた際、素早く手に入れて利益を狙うことが可能です。逆に、海外市場でネガティブなニュースが流れたときには、いち早く売却して損失の拡大を最小限に防ぐといった使い方もあります。

また、ポジティブなニュースが流れた企業の株がストップ高となってしまい、証券取引所経由の取引で手に入れることができなかったときは、PTSを活用して時間外で購入する方法もあります。翌日以降も株価が値上がりする可能性が高い場合は、時間外取引で株式を入手しておくメリットは大きいでしょう。

ただし、ストップ高となっている銘柄が、翌日も値上がりするとは限りません。予想に反して下落してしまった場合、PTS取引で購入した株が高値づかみとなってしまうため、安易な売買は避けたほうがよいでしょう。

PTSは時間外で取引できるなど、取引チャンスが広がる取引システムです。取引参加者が少ないという特徴を把握したうえで、証券取引所経由の取引とうまく組み合わせて活用しましょう。

PTSのメリット
・早朝や夜間でも株取引ができる
・売買手数料が安く設定されていることもある

PTSのデメリット
・参加者が少ないため、証券取引所の取引と比べて売買が成立しにくい
・成行注文ができず、指値注文のみ

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