株式市場では一般的に、直近1年間(52週)内につけた高値からの下落率が20%を以上になると「弱気相場入り」と判断されます。実はいま、世界各国の株価指数が続々と「弱気相場入り」していることをご存知でしょうか? せっかく膨らんだ含み益がしぼんでいく現状に不安を持つ投資家も少なくないでしょう。一方で「もしかして、暴落のいまはチャンスかも……」と思っている人がいたらちょっと待った! 「【投資家】ぽんちよ」(2022年6月21日現在登録者数34.5万人)を運営し、「投資家ぽんちよのブログ」も大人気の投資YouTuberぽんちよさんに、その理由を教えていただきます。

  • コロナショックは誰でも利益を出せる相場だった
  • リーマン・ショックは暴落前の最高値を超えるまでに4年間かかった
  • 弱気相場入りしたいまをチャンスと捉えるのではなく、長期目線で積立投資を続ける

2022年弱気相場入り、投資スタートには絶好のチャンス?

どうもこんにちは、ぽんちよです! 私は普段、日本株・米国株に投資をすると同時に、投資発信者としてYouTubeチャンネル「【投資家ぽんちよ」や「投資家ぽんちよのブログ」を運営しています!投資初心者の方が視聴している私のチャンネルでは「これから投資を始めようかな」と思ってくださる人も多いです。そして、2022年6月現在、世界同時株安の中で「暴落でいまが投資のチャンス」と思っている方も多いのではないでしょうか?

暴落は投資スタートのチャンス? コロナショックを振り返る

2020年3月、コロナウイルスが世界で拡大し、人類は初の「感染症リスク」による株安を経験しました。米国株価指数S&P500は-33%、このタイミングを見計らって投資を始めた人も多いです。

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実際に2020年は大手ネット証券で平年の2~4倍の口座開設数となったというニュースも報じられました。このように「コロナショックで暴落だから投資スタートのチャンスだ!」と思い投資を始めた人は、大きな幸運に恵まれました

コロナショック時のS&P500の推移
コロナショック時のS&P500チャート
出所:Trading Viewのデータを基に筆者作成

コロナショック時の暴落相場で特徴的だったのは、「短期間での急速な下落」「回復が早かった」の2点です。暴落の最初は「ロックダウンで企業活動ができない」「未知の感染症」ということで株式相場に不安による大暴落が起きました。しかし、実際にロックダウン・在宅化が進んでいく中で、在宅支援を行うテクノロジー企業『ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ』や『ドキュサイン』などが急激に業績を伸ばしました。

また、ネット通販需要の高まりにより『アマゾン・ドット・コム』、在宅ワークのためのPC購入により『マイクロソフト』『アップル』など、大手のテック企業がコロナにより業績を大きくのばすことが明らかになってきて、株式相場も急激な回復を遂げました。結果的に暴落期間も短く、たとえ下落相場の最初で投資を始めた人でもすぐに含み損を解消でき、「誰でも利益を出せる」というのがコロナショックでした。

暴落で投資スタートは正しいのか? リーマン・ショックの場合

ここまで聞くと「暴落時の投資スタートは絶好のチャンス」と思う方もいるかもしれません。しかし、過去の暴落がコロナショックのようにイージーな相場だったわけではありません。

リーマン・ショック時のS&P500の推移
リーマン・ショック時のS&P500チャート 出所:Trading Viewのデータを基に筆者作成

例えば2007年に発生したリーマン・ショックの場合、下落期間は1年半、最大下落率は-56%の暴落でした。また、暴落前の最高値を超えるには4年間の歳月を要し、なかなか含み損を解消できない暴落相場がリーマン・ショックと言えます。

投資初心者にとって「お金が増えるはず」と思って投資を始めたのに、資産が減っていくというのはなかなか耐えられないことでしょう。もしかしたら、せっかく投資を始めたのに、「投資はお金が減る」と勘違いをし、すぐに投資を辞めてしまう方もいるでしょう。

「今がチャンス…?」投資の始め時を考えてはいけない!

2022年の米国相場は、最高値から-20%以上の下落幅を記録し、「弱気相場入りした」とみられています。今の下落幅からさらに大きく下げるのか、それとも今後回復に向かっていくのか、未来は誰にもわかりません。だからこそ短期目線で「今が投資のスタートのチャンスかも!!」と変に予想をするのはやめましょう

投資初心者にとっては「毎月定額積立」がおすすめであり、下落相場でも上昇相場でも「毎月定額で積み立てる」という投資行動は変わりません。淡々と定額で積み立てるからこそ、「安い時に大量に、高い時に少量購入できる」というドルコスト平均法が活きてきます。ぜひ「暴落だからチャンス」と思って投資を始めるのではなく、長期目線を持ち、短期的な相場の上下に惑わされず淡々と投資をしていきましょう。

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