たばこのイメージは「かっこいい」から「だらしない」へ

たばこを吸い始める動機なんて、たいてい不純なものです。

「大好きなバンドのギタリストがたばこを吸っていたから……」
「学生寮で麻雀をしながらたばこを吸っていた先輩の姿がかっこよく見えたから……」
「無人島でワインを飲みながらラジオで音楽を聴き、たばこをふかす豚の紳士に憧れた……」

働くビジネスマンの姿も同じです。「仕事ができる社会人」と「たばこで山盛りの灰皿」は密接な関係があると思いこんでいました。

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ドラマの影響なのか、漫画の影響なのか。

平成初期に生まれた筆者にとってたばこはかっこいい大人の象徴だったのです。

時代は流れ、平成の終わりが近づくいま、喫煙者に対して「だらしない」「仕事ができなそう」といったイメージを抱く人の方が多くなっているのではないでしょうか。そうした環境で、たばこは吸い続けるべきものなのでしょうか。悩んでいる喫煙者は多いはずです。

実際、喫煙者を取り囲む環境は厳しさを増しています。度重なるたばこ税の引き上げや街中の喫煙スペースの縮小を受け、喫煙者は減少の一途をたどっています。全面禁煙の飲食店や就業時間内の全面禁煙化に踏み切る国内企業も増えてきており、喫煙者の肩身は狭くなるばかりです。

価格は2倍、喫煙者は半減

中でも、喫煙者を悩ませているのが、増税によるたばこの値上がりでしょう。


近年では野外でたばこを吸うことが禁じられている自治体も増えている。たばこの価格も、物価がほとんど変わらない中で上がり続けている

国内で最も売れているたばこの銘柄「セブンスター」の価格の推移を振り返ると、1997年4月から2018年のおよそ20年の間で、たばこの価格は2倍近く上昇しています。

【図表】セブンスターの値段の推移(1997年~現在)

年・事柄 値段
1997年4月 消費税増税(5%) 230円
1998年12月 たばこ特別税創設 250円
2003年7月 たばこ税増税 280円
2006年7月 たばこ税増税 300円
2010年10月 たばこ税増税 440円
2014年4月 消費税増税(8%) 460円
2018年10月 たばこ税増税 500円

価格の上昇に伴い、喫煙者の数も減少傾向にあります。厚生労働省の「最新たばこ情報」によると、1997年頃の喫煙率は、男性56.1%、女性14.5%に対し、2018年には男性27.8%、女性8.7%と大きく減少しています。たばこの値段は、たばこを吸い続けるかどうかを決める、大きな理由になっているようです。

今後も、増税によりたばこの値段はどんどん上がっていくでしょう。街で喫煙者の姿を見る機会も減っていくのではないでしょうか。喫煙者のわたしにとって、たばこ文化が無くなっていくこの状況は少し寂しい気もしていますが。

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