料金は5~6万円から。水漏れや結露を未然に防ぐ
去る3月14日は、バレンタインのお返しをするホワイトデーでした。今年もたくさんの男性が、大切な人に素敵なプレゼントを贈ったことでしょう。平日は忙しいので、ホワイトデーの贈り物を今日手渡すという方も多いかと思います。
実はこの3月14日、「ホームインスペクションの日」でもあります。
ホームインスペクションとは住宅診断のことです。住宅建築のプロであるホームインスペクター(住宅診断士)が家屋の調査にかかる平均時間が3時間14分だったことから、3月14日をホームインスペクションの日に制定しました。記念日としての認知度は低いものの、住宅の購入前に第三者のプロが住宅の不具合をチェックしてくれることで、トラブル発生の可能性を下げてくれるホームインスペクションの注目度は徐々に高まっています。
このホームインスペクションでは、住宅のどんなところを調べてくれるのでしょうか?
調査範囲は各業者によって異なりますが、基本的に建物の基礎や外壁、屋根、給湯や排水といった水周りはもちろんのこと、床下や屋根裏に入り込んで異常を調べてくれるところもあります。
床下や屋根裏の調査はオプション料金になるのが一般的ですが、見てもらうことで図面上では設置されているはずの屋根裏の断熱材の取り付け忘れ、床下の水漏れなどを発見してもらうケースも実際にあります。断熱材に隙間があると断熱効果を下げるだけでなく、寒暖差による結露で屋根裏などにカビ、ダニ、シロアリが発生。さらに住宅の主要材料である木材の腐食により、耐震性や耐久性を損なう恐れも出てきます。ホームインスペクターに見てもらうことで、これらのトラブルを事前回避することができるわけです。
気になる料金は、NPO法人日本ホームインスペクター協会によれば、床下や屋根裏にもぐらず、目視だけの調査の場合は5~6万前後、建物の傾きを調べる測定レーダーなどの機材を使用する詳細診断の場合には、10万円以上になることもあるようです。
せっかくのマイホームに欠陥が見つかるのはつらいもの。できるなら住み始める前にきちんと確認して、修復をすませておきたい
最近、大手不動産会社のレオパレス21が手がける賃貸住宅で、大規模な施工不良が発覚しました。一部の入居者は退去を余儀なくされ、引っ越しにかかる費用を不動産会社が負担するそうですが、引っ越し業者の手が足りず、多くの入居者が退去したくてもできずに困っているという話も聞きます。
一戸建ての住宅では、さすがにそこまで重大な欠陥は見つからないとは思いますが、家の隅々まできちんと調べて異常がないことを確認できれば、より安心して暮らすことができます。
ホームインスペクションの料金を高いと思うか、安いと思うかは人それぞれですが、人生で一番高い買い物といわれる住宅の購入前に異常を発見してくれる、その安心感は大きいのではないでしょうか?