アニメやゲームでおなじみの『ポケットモンスター』(ポケモン)には、共働き夫婦の資産運用のヒントが満載です。

<「ポケモン」の原点は1996年発売のゲームボーイのソフト。そこからアニメ、キャラクター商品、カードゲームなど世界規模でメディアミックスが進む>

突然ですがクイズです。皆さんは、米国で一番ヒットした日本映画をご存知ですか? 千と千尋の神隠し? ゴジラ? パンツの穴? 黒澤明の「七人の侍」?

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ブッブー。正解は、1998年のポケモン映画第1作「劇場版 ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」。米国での興行収入76億円は、今も歴代日本映画No.1です。

以下、少しだけ映画のネタバレがあります。「ミュウツーの逆襲」を見ていない方で、まだ内容を知りたくない場合は、下の写真のところまで読み飛ばしてください。

この「ミュウツーの逆襲」のリメイク版が、今年7月21日公開のシリーズ第22作「ミュウツーの逆襲 EVORUTION」です。ミュウツーは、悪の組織が幻のポケモン・ミュウの化石の遺伝子情報からつくった人工ポケモン。しかしミュウツーは、自分はオリジナルではなくコピーに過ぎないと悩み、やがて自分を利用するためにつくり出した人間への憎しみから、人類に対する「逆襲」を企てます。

ミュウツーは、逆襲の手立てとしてさまざまなポケモンのコピーをつくり、オリジナルのポケモンと戦わせます。物語の主人公サトシのポケモンであるピカチュウの前にも、姿かたちがそっくりのコピーのピカチュウが立ちはだかります。

トラリピインタビュー

コピーのピカチュウが、オリジナルであるサトシのピカチュウに平手打ちをします。何も言わず、ぶたれ続けるサトシのピカチュウ。コピーのピカチュウは平手打ちを食らわしながら泣き始めます。サトシのピカチュウも泣いています。

やべ……書いているだけで鼻の奥がツーンとしてきた……。昔、娘と見ていて、気付いたら私だけ泣いていたことを思い出しました。このポケモン映画史上屈指の名シーンは、今回のリメイク版では3DCGで見られるとか。楽しみです。

映画館
ポケモン映画は日本の夏の風物詩。劇場には大人のファンの姿も多い

ポケモンの映画やTVアニメの見どころといえば、人間とポケモンが協力して相手チームと戦う「バトル」でしょう。トレーナーと呼ばれる人間が、相棒のポケモンに技などを指示し、相手チームのポケモンを気絶させたら勝ちとなります。

ポケモンは全部で800種類以上。それぞれのポケモンは「ほのお(炎)」や「くさ(草)」、「みず(水)」といった属性があり、ほのおタイプは、くさタイプには強い(草は燃えやすい)が、みずタイプには弱い(火が消えてしまう)といった具合です。属性は18種類あり、なかには複数の属性を備えたポケモンもいます。

ちなみに、珍念がゲームで愛用し、職場の机の上にフィギュアを置いているエモンガは、「でんき」「ひこう(飛行)」タイプ。バトルでの対戦時に苦手とするのは、電気を通さない「こおり(氷)」と「いわ(岩)」タイプのポケモンです。

複数のポケモンで戦うチームバトルでは、このタイプ間の相性が勝敗のカギを握ります。ほのおタイプのポケモンだけでは、相手チームにみずタイプがいると、たちまち窮地に陥ってしまいます。「はがね(鋼)」と「フェアリー(妖精)」のように組み合わせを工夫すると、どんな相手でもバランスよく戦えます。

実は、共働き夫婦の資産運用でも、「異なるタイプの組み合わせ」がキーワードとなります。具体的には、同じ投資優遇税制でも仕組みが異なる「iDeCo(個人型確定拠出年金)と「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」の組み合わせです。この2つでは、年間投資できる金額や途中引き出しの内容などに違いがあります。

■iDeCoとつみたてNISAの比較(イメージ)

iDeCo つみたてNISA
年間の投資枠 加入条件により
14万4000円~81万6000円
最大40万円
運用期間 70歳まで
(拠出期間は原則20歳以上から60歳まで)
最長20年
(投資期間:2018年から2037年まで)
途中引き出し 原則不可 可能
運用商品 一部の定期預金・保険・
投資信託など
一部の投資信託
税制優遇 ①運用益が非課税
②拠出金(毎月の掛け金)は
所得控除の対象
③受け取り時にも税制優遇あり
①運用益が非課税
(所得控除などの優遇はなし)

つみたてNISAはいつでも口座から現金を引き出すことが可能ですが、iDeCoと違って掛け金拠出時の所得控除がありません。そのため、いつ頃使うお金をつくるのか、具体的には「数年先から10年先くらいのお金を用意するならつみたてNISA」、「60歳以降に受け取る年金づくりはiDeCo」と分けて利用するのも一つの方法といえるでしょう。

その際、夫がiDeCo、妻はつみたてNISAのように家族で制度を使い分けると、それぞれの制度を一口座に集約しつつ、老後までの長い期間をカバーできます。

さらに、iDeCoでは世界株式ファンドや新興国株ファンド中心、つみたてNISAでは日本株ファンド中心などと運用商品のタイプも変えると、いろいろな運用環境でリターン獲得が期待できます。夫と妻のどちらの運用成績が良いか比べて、子供が生まれるなどのタイミングで内容を見直してもよいかもしれません。

ポケモンバトルは相手を倒せば終了ですが、iDeCoとつみたてNISAを相棒とした夫婦間の運用パフォーマンスバトルなら、家族の資産が増える楽しみがあります。2つの投資優遇税制を組み合わせて、老後の安心ゲットだぜ!

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