2020年6月末現在、日本国内には約6,000本もの公募投信があります。投資対象とする資産や国・地域、投資手法など、そのスタイルは千差万別です。あまりに種類が多すぎて、どう選べばいいかわからないという人も少なくないでしょう。ファンド選びのアプローチのひとつとして、特定のテーマに着目するという方法があります。今回は絞り込まれたテーマに沿って投資する「テーマ型ファンド」を紹介します。

テーマ型ファンドとは?

テーマ型ファンドとは、世の中で話題になっているテーマに着目し、そのテーマに関連する銘柄に的を絞って投資するファンドのことです。

1990年代はインターネット関連企業に投資するIT関連ファンドや、環境問題に着目したエコファンドが多く設定されました。2000年代はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)ファンドやゲノム・バイオファンド、2010年代はシェールガスファンドなど、その時々で脚光を浴びるテーマ型ファンドが誕生しています。

アクサ・インベストメント・マネージャーズ 未来の世界を見据えて、持続的な成長が期待される企業に厳選投資

最近では、AIやロボット、フィンテックといった技術革新に投資機会を見いだすテーマ型ファンドが注目を集めています。

テーマ型ファンドのメリット

何に投資しているかがわかりやすい

投資信託には少額で分散投資ができるメリットがある一方、何に投資しているかがわかりにくいといわれることがあります。その点、テーマ型ファンドは何に投資するかが明確です。「再生可能エネルギー」「AI」「ロボット」「宇宙開発」など明確なテーマが設けられており、どのような企業に投資しているかを理解しやすいというメリットがあります。

自分の興味、関心を投資に反映しやすい

VR(バーチャルリアリティ)やドローン、IoT(モノのインターネット)など近年いたるところで技術革新が生まれています。近未来を予感させる、ワクワク感のあるテーマですが、こうした専門性の高い分野で国内外の優良銘柄を探し、投資するのは簡単ではないでしょう。最新のテクノロジーやトレンドに興味を持ったとき、個別の優良銘柄を探すことは難しくても、その関心を投資に反映する手段としてテーマ型ファンドは有効です。

市場平均より高いリターンを狙える

テーマ関連銘柄への「集中投資」により、市場平均より高いリターンを狙うことが可能です。ただし、裏を返せば分散が不十分という見方もできます。市場全体の値動きを表す指数に連動するインデックスファンドなどと比べればハイリスクハイリターンな傾向があるといえます。

VRに投資するテーマ型ファンドテーマ型ファンドなら、VRやドローンなど、ワクワク感のあるテーマへの関心を投資に反映できる

テーマ型ファンドの注意点

テーマへの関心が薄れるリスク

世間で注目されるテーマは、時間とともに変化します。テーマへの関心が薄れると、そのテーマに的を絞ったファンドへの資金流入が減少し、純資産総額が小さくなることが懸念されます。結果として運用の継続ができなくなってしまうこともあるため、注意しましょう。

関連企業の業績が期待したほど伸びないリスク

仮にテーマへの関心が薄くなっても、投資先企業の業績が伸びていれば株価も上昇すると考えられるため、問題ありません。しかし、期待していたほど企業業績が伸びなければ、ファンドの運用成績も先細りしていく可能性が高くなります。例えば、シェールガスは世界のエネルギー事情が大きく変わると期待されましたが、原油価格の暴落などにより関連企業の株価も軒並み下落、低迷しています。

失敗しないためのポイント

長期継続が期待できるテーマを選ぶ

その時々のトレンドに着目するテーマ型ファンドは多くの投資家の関心を集めます。重要なのは、そのテーマが一過性の流行りではなく、長期的に継続しうるかどうか。さらに、関連企業の業績に持続的な恩恵をもたらすかどうかを検討することが大切です。

購入時期を分ける

上がったり下がったり値動きが大きくなりがちなテーマ型ファンドは、積立投資が有効です。一度にまとめて買うのではなく、購入時期をずらして少しずつ定額で購入するといいでしょう。安いときは多く、高いときは少なく買うことで高値づかみを避けやすくなり、効率よく投資できます。

資産の一部で保有する

どれほど期待値の高いテーマであっても、必ず継続する保証はありません。他のファンドにもいえることですが、すべての資産をひとつのファンドに振り向けることは避けましょう

まとめ

世界銀行の見通しでは、2020年の世界の経済成長率は過去数十年間で最悪の-5.2%*1になるとされています。一方で、個々の分野に目を向ければ、世界の平均を上回る成長が期待できる投資テーマは数多く存在します

子どものころ、ドラえもんの「ほんやくコンニャク」や「タケコプター」に憧れた経験はないでしょうか?前者は自動翻訳機として現実のものになりつつあり、後者は災害救助ドローン開発のヒントになっているそうです。そうした近未来を予感させる、夢のある投資機会を得られることがテーマ型ファンドの醍醐味であります。ポートフォリオに加えることで、投資にワクワク感をプラスできるでしょう。

*1 出所)世界銀行「世界経済見通し」

mattoco Lifeより転載)

「mattoco Life」SNSアカウント
「mattoco Life」の記事配信を中心に、お金全般、投資信託、資産形成、つみたて投資に関する役立つ情報などを発信。
Twitter:mattoco(マットコ)
FaceBookアカウント:mattoco(三菱UFJ国際投信)

メルマガ会員募集中

ESG特集