宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、結婚を予定している若い方が、将来の出産やマイホームの購入、働き方や資産運用といった将来の生活設計をどうすべきかについて、「人生の転換期」という観点で考えていきます。

  • 夫婦共働きでないと子どもを持ち、家を買うのは難しい。生活設計を考えるのも大切
  • 20~30代の「第1の転換期」に重要なのは、夫婦間で話し合う時間を持つこと
  • NISAを使った積立投資など、資産運用も必須。「うまい話」に惑わされないこと

「金利がある生活」が始まろうとしている

【質問】
今は一人もんですが、来年あたり結婚ができそうです。先の話になりますが、子供も欲しいし家も欲しいと思っています。僕が心配性のせいか、人生100年時代と言われますが、結婚後のライフプランがなかなか思いつきそうにありません。専門家に依頼するとお金がかかるのはわかりますが、自分でも理解ができるようなお金や生活のプランがあれば教えてください!

まずはご結婚おめでとうございます。長い人生の中で、伴侶と共に生きていくのは素晴らしいことだと思います。1つの家族を構築することに意義がありますし、先を見据えた人生設計を描きたいということで、私も相談者のようにもっと早く描けていたら、人生にも大きな変化があっただろうと感じます。

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生きていけばさまざまな挫折があったりして、成功談よりも失敗談のほうが多くなっていきます。それでも時折訪れる「良いこと」を求めて生きていくことに、人生の意義があると信じています。

私の場合、家庭を持ち子どもが産まれ、そして自分の住み家を持つことをプランニングに入れている方にはまず、「夫婦共働きをしていく予定ですか?」という確認からさせていただいています。
というのも、余剰資金が有り余っている人は別にして、夫婦共働きをしなければ、持ち家まで含めたプランニングはほとんどの場合で達成が難しくなるからです。

家を購入
現代において、持ち家の購入まで含めた生活設計は、夫婦共働きでないと難しい

相談者の年齢は23歳だそうです。共働きでなければ、自身が希望するプランでは数年後に家計はマイナス運用になってしまいます。自動車購入にも我慢が強いられる状況になってしまいます。

確かに最近の日本経済は、マイナス金利が続いたせいで、安易に買い物ができる環境でした。大きな買い物をするにも、金利が安いから借りればいいと錯覚をしている方もあるでしょう。「金利ボケ」とも言えるでしょうか。

消費者物価指数の上昇率は年平均2~3%と言われていますが、実は私たちが常に使っているもの(食料品、燃料など)に限ると物価上昇率は6%以上ある、という話も聞きます。この物価上昇により、デフレ脱却も時間の問題であり、その後には本格的なインフレの到来が始まります。いよいよ「金利がある生活」のスタートです。

人生の転換期こそ、生活設計をしっかり構築する

話を戻しますが、現在は、私たち「バブル世代」や、それ以前の高度経済成長期のように、努力が必ずしも報われる社会ではありません。バブル以前の「会社に貢献して、競争に勝って出世したい」という意識が強い世代は定年を迎えます。そして今の「ゆとり世代」「Z世代」の感覚では、いかに「今が満足できているか?」が重要となっているようです。家を持ちたい、子供を授かりたいといった「未来のためのプランニング」を実現するハードルは高くなり、ますます少子高齢化が進みそうです。

そこで今回は、夫婦共働きの家庭をモデルにして、いかに賢く情報を入れながら、お金や生活のプランニングをできるかを考えます。

夫婦共働きをベースにするのは、将来お子様を持ち、家を持つための、お金に直結するプランニングを考えていくためです。人生設計は人それぞれであり、人生に合わせて多様なプランが存在します。今回はあくまで「共働き夫婦に向けたひとつのプラン」として勧めていきますので、誤解のないようお願いします。

夫婦で働くベースとして一般的なものはお互いの給与でしょう。生活が豊かになるには、給与所得のアップが大切です。夫婦で昇進意欲(キャリアアップ)の話などしながら、働く意欲を高めることができれば素晴らしいでしょうし、所得アップも望めそうですね。

さて、共働きの夫婦の人生設計において、仕事をリタイヤするまでに「3つの転換期」に直面することが報告されています。その3つの転換期とプランニングをしっかりと重ねながら生活設計を構築できれば、生活の質を上げていくことは可能と考えています。

そこで今号より、夫婦で共働きをしていくうえで、人生の転換期に考えるべき「ライフスタイルとお金のプランニング」について説明していきます。

第1の転換期、20~30代でやるべきこと

第1の転換期となるのが20~30歳代です。結婚後、最初に直面する出来事として、仕事上での異動、転勤。転職もあるかもしれません。そして子どもの誕生です。家族の住み家は、当然お金に直結することになります。

何より夫婦間の話し合いが大切

では、どうすればいいのか? まずは、夫婦で話し合いする時間を多く持ちましょう。

この時期、お子様の誕生と仕事の問題は、同時並行で対応することになります。お互い働いていれば、まだ若いということもあり、日々のストレスも限界にあるでしょう。まずは、互いの仕事や生活に優先順位を付けながら、コミュニケーションの時間を取りましょう。

夫婦で話し合う
生活のプランニングも、日々の暮らしも、すべては夫婦間の話し合いから始まる

子どもが産まれたら、働き方や住居も子どもに合わせたい

さらに、子どもが誕生したあとは子ども優先の生活になるので、リモートワークができる仕事に転職したり、子供の預け先を優先で住居を考えたりするようになります。
ここで思うように働ける環境が整うと、自身のキャリアアップにもつながり、生活の満足感も広がるようになります。

子供のお世話も、夫婦間で役割分担をキッチリとして、できなければ話し合いをする。そして生活における仕事の優先度ですが、互いのキャリアアップを尊重するのは当たり前のことになります。

お金は大事。家を購入するなら、しっかり悩んで決める

そしてお金の問題です。お子さまの誕生により、今後、養育費として支出が月1~3万円アップすると予想されます。

もうひとつの問題が家の購入です。若いがゆえの暴走で安易に家を買っちゃった、などといったことがないよう、十分に悩んだうえで家を選ぶことを忘れないでください。
たとえいい物件があっても、頭金20%を用意できないようであれば、いったん諦めるのも肝心です。見得よりもゆとりを選びましょう。

NISAでの積立投資は必須。うまい話に惑わされてはいけない

もちろん資産運用として、NISA口座での長期積立投資は最低限やっていきます。

とはいえ、何事も無理は禁物です。うまい話に惑わされて失敗しやすいのも20~30代のこの時期です。お金を動かすごとに、相談は必要です。自身で投資先を選ぶ場合は、主に流動性のある金融商品、つまり投資信託や株式のようにいつでも売り買いできる商品を選んでください。

第1の転換期には、夫婦で話し合うことが、将来に向けたプランニングにいい結果をもたらすことになります。

次回は、第2の転換期について考えていきます。

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