計100万円の投資で、1年後は109万7422円に
投資信託は種類がたくさんありすぎて選べない!
実際のところ、お金は増えるの?
よほど良いファンドを選ばないとだめ?
損するのはイヤだし、また今度にしよ……。
日本には約5000本もの公募投資信託があると言われます。その中から1本選ぶのは大変ではないですか?
そんな人のため(になるか分かりませんが)、今回は日本を代表する大型投信の成績を検証してみます。デカいファンドを適当に買って1年間投資したら、どのような結果になったでしょうか?
検証方法
①純資産総額上位10本の投資信託を10万円ずつ購入したと仮定
②2018年3月30日から2019年3月29日まで保有した場合の評価額と受け取った分配金の総額を算出
③購入時にかかる販売手数料・税金などは考慮しない
2018年3月末時点の純資金総額ランキングは以下の通りでした。
順位 | ファンド | 会社名 | 純資産総額 (億円) |
---|---|---|---|
1 | 新光 US-REITオープン | アセマネOne | 7844 |
2 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | フィデリティ | 7828 |
3 | フィデリティ・USリート・ファンドB (為替ヘッジなし) |
フィデリティ | 7422 |
4 | ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) | 日興 | 6094 |
5 | ひふみプラス | レオス | 5729 |
6 | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド (毎月分配型) |
ピクテ | 5651 |
7 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型) Bコース(為替ヘッジなし) |
大和 | 5563 |
8 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型) | 日興 | 5101 |
9 | 野村インド株投資 | 野村 | 5040 |
10 | グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) | 三菱UFJ国際 | 5036 |
※億円以下は四捨五入で表記
※DC(確定拠出年金)、SMA(ラップ口座)、ETF(上場投資信託)などを除く
出所:モーニングスター
10本中4本がREIT(不動産投資信託)に投資するファンドなのが気になりますが、ここでは「純資産が大きいってことは人気があるってことだよね。だったらそれ買っとけば間違いないっしょ」の精神で臨むことにしましょう。
10万円ずつ計100万円投資したとして、1年後の成果は以下の通りでした。
純資産総額 順位 |
ファンド | 評価額 | 分配金 | 合計 |
---|---|---|---|---|
1 | 新光 US-REITオープン | 10万7367円 | 1万2408円 | 11万9775円 |
2 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 9万7842円 | 1万632円 | 10万8474円 |
3 | フィデリティ・USリート・ファンドB (為替ヘッジなし) |
10万9616円 | 1万2456円 | 12万2072円 |
4 | ラサール・グローバルREITファンド (毎月分配型) |
10万4653円 | 1万3956円 | 11万8609円 |
5 | ひふみプラス | 8万9783円 | 0円 | 8万9783円 |
6 | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド (毎月分配型) |
9万5777円 | 1万8216円 | 11万3993円 |
7 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型) Bコース(為替ヘッジなし) |
10万3636円 | 1万9028円 | 12万2664円 |
8 | グローバル・ロボティクス株式ファンド (1年決算型) |
9万9193円 | 0円 | 9万9193円 |
9 | 野村インド株投資 | 9万8541円 | 1912円 | 10万453円 |
10 | グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) | 9万9958円 | 2448円 | 10万2406円 |
合計 | 100万6366円 | 9万1056円 | 109万7422円 |
※小数点以下の端数は切り捨てて算出。通常、普通分配金は課税対象になります。
検証結果
①評価額と受け取った分配金の総額は109万7422円
②トータルでは9万7422円の利益に
③プラスリターンのファンドは8本、マイナスリターンのファンドは2本
グローバルREIT、米国REITの好調さが運用成果を押し上げ、全体として良い結果になりました。以下、各ファンドの運用成果を見てみましょう。
新光 US-REITオープン
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は413907口(100000円÷2416円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 10万7367円(2594円×413907口÷10000)
分配金 1万2408円(1034円×12回)
合計 11万9775円
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド
3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は295508口(100000円÷3384円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 9万7842円(3384円×295508口÷10000)
分配金 1万632円(886円×12回)
合計 10万8474円
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は296823口(100000円÷3369円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 10万9616円(3693円×296823口÷10000)
分配金 1万2456円(1038円×12回)
合計 12万2072円
ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は465332口(100000円÷2149円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 10万4653円(2249円×465332口÷10000)
分配金 1万3956円(1163円×12回)
合計 11万8609円
ひふみプラス
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は24059口(100000円÷41563円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 8万9783円(37318円×24059口÷10000)
分配金 なし
合計 8万9783円
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は303766口(100000円÷3292円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 9万5777円(3153円×303766口÷10000)
分配金 1万8216円(1518円×12回)
合計 11万3993円
ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)
2019年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は339904口(100000円÷2942円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 10万3636円(3049円×339904口÷10000)
分配金 1万9028円(2039円×4回、1359円×8回)
合計 12万2664円
グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は69497口(100000円÷14389円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 9万9193円(14273円×69497口÷10000)
分配金 なし
合計 9万9193円
野村インド株投資
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は38258口(100000円÷26138円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 9万8541円 (25757円×38258口÷10000)
分配金 1912円(1912円×1回)
合計 10万0453円
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
2018年3月30日に10万円購入した場合、
保有口数は204039口(100000円÷4901円×10000)
2019年3月29日時点の運用成果
評価額 9万9958円(4899円×204039口÷10000)
分配金 2448円(204円×12回)
合計 10万2406円
渾身の1本より、いろいろなファンドを少しずつ買う
今回の検証結果から「そんなに深く悩まなくていいんだ」と気持ちが少しでも軽くなった方がいたらうれしいです。ただ、この1年はたまたまREITの市況が良くてプラスになっただけかもしれませんので、銘柄選びが重要でないというわけではありません。
一方で、今回のような適当な選び方でも、10本に投資することである程度分散効果が働き、マイナスリターンのファンドをカバーすることができました。数あるファンドの中から渾身の1本を選ぶことに頭を悩ませるより、いろいろなファンドを少しずつ買って値動きを楽しむほうが、意外と良い結果が生まれるのかもしれません。