半導体関連の市場は、今後も世界的に成長が期待される市場です。日本では大手企業が共同で出資し、先端半導体を国産化する動きも見られています。為替相場の急激な動きの中でも、半導体市場への投資はより一層注目を集めるようになってきました。半導体に特化した投資信託を2本ご紹介します。
- 日常生活を送る上で欠かせない半導体は、今後も市場の成長が期待される
- 『野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)』は、世界の半導体企業に投資
- 『グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF』は、半導体関連の日本企業に投資
今後も成長が期待される半導体市場
半導体は、スマホやパソコンなどのインターネットデバイスだけでなく、多くの家電製品や交通・通信などの社会インフラに利用されており、日常生活を送る上で欠かせないものです。景気の減速で以前ほどの需要はないものの、半導体市場は今後も成長が期待されます。
日本ではトヨタ自動車やソニーグループ、三菱UFJグループなどの8社が出資し、2027年を目処に先端半導体を国内で製造する新会社を設立することで合意しています。また、日本政府も、半導体の研究開発拠点の整備費用などに巨額の補助を実施する予定です。
投資においても、半導体市場に注目が集まっています。例えば、半導体の売上高で見ると、アメリカのインテルや韓国のサムスン電子はいずれも2021年の売上高が600億ドルを超える超巨大メーカーです。
また、台湾のTSMCや韓国のSKハイニックスなども200億ドルを超えており、今後の成長が期待されます。日本に目を向けると、日立製作所やソニーグループ、パナソニックホールディングスなどは半導体・電子部門業界で突出した売上高を上げています。
半導体関連企業の株式に注目することもできますが、半導体市場に特化した投資信託もあります。複数の企業の株式が組み合わさることで、特定企業の業績に価格が左右されにくくなり、半導体市場全体への投資を実現できます。日本で購入できる半導体に特化した投資信託を2本紹介します。
野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)は、世界各国の半導体関連企業の株式を主対象とする投資信託です。購入時手数料は購入価格に対して3.3%(税抜3.0%)以内、換金時には信託財産留保額として基準価額に0.3%を上乗せした形で支払います。信託報酬は年1.65%(税込み)と、やや高めの設定となっています。
2022年12月27日時点の基準価額は57,843円、純資産総額は321.2億円です。
種別:投資信託
設定日:2009年8月27日
信託期間:2024年6月28日まで
決算日:毎年6月28日
過去1年騰落率:-15.4%
過去3年騰落率:98.2%
信託報酬:年1.65%(税込み)
運用会社:野村アセットマネジメント
※2022年11月30日時点。騰落率は分配金を非課税で再投資したものとして計算
2022年6月 | 2,650円 |
---|---|
2021年6月 | 2,800円 |
2020年6月 | 1,450円 |
2019年6月 | 1,010円 |
2018年6月 | 1,140円 |
2022年6月28日時点の組入れ銘柄数は22。比率が高い銘柄は以下の通りです。
銘柄名 | 国(地域) | 比率 | |
---|---|---|---|
1 | TAIWAN SEMICONDUCTOR | 台湾 | 16.0% |
2 | NVIDIA CORP | アメリカ | 12.9% |
3 | BROADCOM INC | アメリカ | 8.9% |
4 | ASML HOLDING NV | オランダ | 7.7% |
5 | APPLIED MATERIALS | アメリカ | 5.1% |
6 | TEXAS INSTRUMENTS INC | アメリカ | 4.2% |
7 | QUALCOMM INC | アメリカ | 4.1% |
8 | ANALOG DEVICES INC | アメリカ | 4.0% |
9 | MARVELL TECHNOLOGY INC | アメリカ | 3.8% |
10 | INTEL CORP | アメリカ | 3.6% |
基準価額はコロナ禍以降で大きく上昇し、過去3年騰落率ではほぼ2倍となりましたが、2022年以降は世界の景気が減速することへの懸念があるのか、年初をピークとしてやや低調に推移しています。
なお、現時点での信託期間は2024年6月28日となっており、信託期間の延長がなければ、この日に償還されることになります。投資を検討する場合には、償還の可能性にも注意しましょう。
グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF
グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFは、半導体関連の日本企業を対象とするETF(上場投資信託)です。購入時手数料は証券会社によって異なりますが、投資信託と違って、売却時に支払う信託財産留保額の設定はありません。
株価指数への連動を目指すインデックス運用のため、信託報酬は投資信託より低く設定されているのが特徴です。
2022年12月27日時点の基準価額は206,756円、運用資産残高は35.84億円です。
種別:ETF
銘柄コード:2644
設定日:2021年9月24日
決算日:毎年4・10月の各24日
過去1年騰落率:-8.4%
信託報酬:年0.649%(税込み)
運用会社:Global X Japan
※2022年11月30日時点。騰落率は分配金を非課税で再投資したものとして計算
2022年10月 | 1,000円 |
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2022年4月 | 1,700円 |
2022年4月28日時点の組入れ比率が高い銘柄は以下の通りです。
銘柄名 | 比率 | |
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1 | ルネサスエレクトロニクス | 11.39% |
2 | 旭化成 | 10.92% |
3 | 信越化学 | 10.72% |
4 | 東京エレクトロン | 9.92% |
5 | HOYA | 9.90% |
6 | アドバンテスト | 9.72% |
7 | ディスコ | 8.06% |
8 | レーザーテック | 6.86% |
9 | ローム | 6.59% |
10 | SCREENホールディングス | 3.44% |
設定日がコロナ禍の最中なので、コロナ前後での騰落率を測ることはできませんが、先ほどの『野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)』と比較すると、過去1年の騰落率ではマイナスになっているとはいえ『グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF』が上回っています。