プラチナの価格が上昇しています。金(ゴールド)より高級かつ希少な貴金属であるプラチナは投資先としても注目が高まっていて、実は個人でも手軽に投資できます。プラチナ市場の現状と、プラチナに投資する方法について説明します。

新たな資金の投資先となるプラチナ

MonJa編集長による金(ゴールド)投資の記事や、森田アソシエイツ代表の森田隆大さんの人気連載「『金』で読み解く世界経済【第4回】」など、このところ貴金属の記事が続くMonJaですが、私も今回、いまどうしても取り上げておきたい貴金属のことを書きます。そう、プラチナです!

森田さんの記事にもありましたが、プラチナ価格は2019年8月末に急騰し、現在(9月24日)も1トロイオンス(=31.1035グラム)=900ドル台で高止まりしています。これは2018年4月以来の高値圏です。

【図表】プラチナ先物価格の推移(2019年6月2日~2019年9月24日)
プラチナ先物価格の推移

価格上昇の背景には、世界的な景気減速懸念や米国の金利低下などの影響でリスクオフの姿勢が強まり、多くの投資家が投資資金の避難先として貴金属を選んでいることが挙げられます。

貴金属投資といえば、金が一般的でしょう。ただし金価格は、今年6月頃から上昇基調にあり、9月上旬には、2012年8月以来の高値となる1トロイオンス=1552ドルを付けました。ちなみに日本でも国内の金の小売価格が約40年ぶりに1グラム=5500円を超えるほど上昇し、話題になりました。

「有事の金」とはいえ、さすがにここまで高値になると、多くの投資家が投資をためらうかもしれません。そこで次の避難先として、プラチナを選ぶ投資家が増えているようです。過去の日本経済新聞を振り返ってみると、

安値のプラチナに底入れのサイン ETF残高が急増
(プラチナETFは)19年初めから増加に転じ、3月上旬時点では70トン程度と年初比約1割多い
(2019年3月5日 日本経済新聞 電子版)

プラチナETF残高、一段と増加 3年半ぶり高水準に
プラチナ(白金)の相場に連動する上場投資信託(ETF)の残高が急増している。直近の残高は3年半ぶりの高水準だ
(2019年3月22日 日本経済新聞 電子版)

といった記事もありました。
プラチナに資金を移す投資家は、今年の初めからじわじわ増えているようです。

水素燃料電池車(FCV)がプラチナの救世主に

さらに森田さんは記事の中で「今年に入り、プラチナは産業用貴金属としてその成長性を再評価されている感がある」と指摘しています。これについては、水素燃料電池車(FCV)の普及がプラチナにとって救世主になりそうです。

水素燃料電池車プラチナ価格上昇の救世主となるかもしれない水素燃料電池車(FCV)

プラチナは、ディーゼル車の排ガス触媒に欠かせない素材として知られていますが、2015年のフォルクスワーゲンの排ガス不正問題で、ディーゼル車のイメージは悪化し、需要は低迷しています。

その一方で、各国で進む新たな自動車燃費規制をクリアするために、電気自動車(EV)やFCVの開発が進んでいます。FCVは排ガス触媒に使うプラチナの量が多く、ディーゼル車の10倍といわれています。現在はEVとFCVのどちらがガソリン車に代わるかわかりませんが、もしFCVが普及することになれば、プラチナ価格にとっては、強力な追い風となります。

価格修正局面に入ったプラチナ、実は少額から投資できる

本来プラチナ価格は、その希少性から金価格よりも高いはずですが、この4~5年は金価格を下回る逆転現象が継続しています。しかし投資資金の流入も増え、産業需要にも希望が持てるようになりました。長年、安値に放置されてきたプラチナ価格は、ここへ来てようやく修正局面に入ったのかもしれません。

そう考えるとプラチナ投資に俄然興味がわいてきませんか? そういう方のために個人がプラチナに投資する方法をご紹介します。

①現物投資

地金やコインといった方法があります。地金なら500g、100g、10g、5gなどさまざまな重さのものがあります。値段は、例えば田中貴金属なら9月24日時点の税込み小売価格は1グラム=3,673円。5グラムなら20,000円弱で購入できます。
コインには、『プラチナウィーンコインハーモニー』(オーストリア造幣局発行)、『プラチナイーグルコイン』(アメリカ合衆国造幣局発行)など、発行する国によって種類が異なり、重量も1オンス(=31.1035g)から1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスなどコインによってさまざまです。

②積立投資

純金積立はよく知られていますが、プラチナも積立投資が可能です。楽天証券なら月々1,000円から可能なので、気軽に始められます。

③プラチナETF

三菱UFJ信託銀行の『金の果実シリーズ』なら、プラチナETFの『純プラチナ上場信託』(証券コード:1541)があります。ETFのメリットは、現物の裏付けがあり、株式同様、リアルタイムの価格を見ながら取引でき、一口単位なので比較的少額から始められる点です。現物と交換することも可能です。

上記以外にも先物取引を使う方法もありますが、それは投資上級者に限られるので今回は省きます。貴金属投資というと、まとまったお金が必要と思うかもしれませんが、実は少額から始められ、投資の方法も多様です。

プラチナの上昇余力に期待してもいいでしょうし、一歩進んだ分散投資の選択肢として活用してもいいでしょう。いま貴金属投資を検討するなら、高値の金よりも、プラチナのほうが面白いかもしれません。