資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

前回は株価の動く仕組みについてお伝えしました。今回はリスクとの付き合い方についてお話したいと思います。

株式投資をされたことがない方にとっては「株式投資は興味があるけれど、リスクがあるから今ひとつ踏み切れない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「リスク」=「危険」は間違い!?

確かに株式投資だけでなく、投資にはさまざまなリスクが付きものです。しかしこのリスクという言葉の意味は

「危険」

ではなく、

「投資成果が変動すること」

を指します。
つまり「リスクがある」ということは、投資の結果がプラスになることもあれば、マイナスになることもあるということです。

株式投資をするうえでリスクとのうまい付き合い方を知ることは非常に大切です。リスクを分散させる方法の基本は、「長期」「積立」「分散」です。この3つをまず、押さえておきましょう。

リスク分散の方法①=長期投資

長期投資はリスク分散の基本です。企業の業績が成長している優良企業であっても短期的には、市場の環境や投資家心理によって株価は上下に変動します。しかし着実に利益が成長していく企業であれば、長期では株価の上昇が期待できます。

さらに長期投資では複利の効果を生かすことができます。複利とは投資によって得られた配当や利子を再度投資に回す方法です。これに対して得られた利子や配当を再投資せずにもともとの元本だけで再度投を行う方法を単利といいます。

例えば年間 0.5%の複利で100万円を30 年運用した場合、100万円は116.1万円に増えます。これを0.5%でなく、年間3%の複利で30年連用すると100万円は242.7万円になり、大きな差が付くことになります。年間の利率の差があまり無いように見えても長期で複利を活用すると大きな違いとなって現れます。このように時間を味方に付けることにより、短期のリスク変動を抑えることができます。

複利効果のイメージGPIF

リスク分散の方法②=積立投資

次にご紹介するのは積立投資です。積立投資は例えば毎月2万円といったように金額を決めて機械的にコツコツと投資を行っていく方法です。例えば投資額を一度にまとめて株式や投資信託を購入した場合、投資がうまくいけば大きなリターンを得ることができる半面、値下がりしてしまった場合に損失額も大きくなってしまいます。

そこで毎月など定期的に一定額を機械的に購入することで、株価が下がっていて安い場面では株数を多く買うことができます。逆に株価が値上がりしている場面では少ない株数しか買いません。結果的には高値掴みになりにくい投資の手法とも言えます。この方法はドルコスト平均法とも呼ばれ、投資の手法としては割と有名です。投資をこれから始めようとする方にはおすすめです。

リスク分散の方法③=分散投資

最後にご紹介するのは分散投資です。よく言われる投資の格言に「たくさんの卵を一つのカゴに盛るな」というものがあります。投資商品や投資先、タイミングを分散することによりリスクの偏りを平準化することができるのです。

たくさんの卵を一つのカゴに盛るなGPIF

株式投資での分散投資のやり方はいろいろあります。例えば半導体関連の業種が有望だと思ったら、1つの銘柄だけでなく業種内で2つか3つの銘柄に分散するのもよいでしょう。

また、景気変動の影を受けにくい安定業種と景気敏感の業種の銘柄を合わせて保有することで、景気の変動のリスクを抑えることかできます。値動きが少なめな安定配当の銘柄と値動きの大きめな成長期待の部門のみを合わせて投資する手法は機関投資家などもリスク管理の手法としてよく用いています。

いかがでしょうか? 今回はリスクとのうまい付き合いで知っておきたい3つの方法についてご案内しました。繰り返しになりますが、リスクをただ敬遠するのではなく、リスクとのうまい付き合い方を知ることが大切です。

リスクをよく知ることによって投資しようとしている銘柄や投資商品のリスクとリターンのバランスが取れているかわかるようになります。つまり目利き力がつくということになります。