「つみたてNISAで利益が出たけれど、今すぐ売った方がいいのか?」このような疑問を抱いたことはないでしょうか。つみたてNISAはいつでも売れるからこそ、いつ売ればいいか悩んでしまうことがあります。本記事では、つみたてNISAの売り時について解説していきます。
- つみたてNISAの売り時は「お金が必要になったとき」
- つみたてNISAは値上がりしたから売るのはNG。さらなる値上がりを期待したい
- お金が必要なライフイベントから逆算して、値上がりしたときに売却するのもあり
いつでも換金できるのがつみたてNISAのメリット
つみたてNISAとは、長期的に資産を増やしていくための積立投資を支援する非課税投資制度です。年間40万円まで非課税で投資でき、非課税の期間は20年間なので、最大で800万円までの投資の利益が非課税となります。
つみたてNISAのメリットとしては、購入した投資信託の売却や解約に制限がなく、いつでも換金できるという点があげられます。定期預金や個人向け国債には満期があり、中途解約すると得られる利息が少なくなりますが、つみたてNISAでは利益が減ることはありません。
また、つみたてNISAと同じく非課税で積立投資ができるiDeCoの場合は、60歳まで原則としてお金を引き出せないという、定期預金より強い制約があります。これらと比較すると、つみたてNISAは思わぬ事態にも対応できる、融通の効きやすい投資の手段だといえるでしょう。
売り時は「お金が必要になったとき」
では、つみたてNISAはいつ換金するのが良いのでしょうか。結論としては、つみたてNISAは「お金が必要になったとき」に換金すればいい、ということになります。
長い人生の中では、病気や事故などのトラブルに見舞われることもあります。その際に手持ちの資金が少ない場合、つみたてNISAの投資信託を売るのはもったいないからと借金をしてしまうよりも、つみたてNISAを切り崩した方が合理的です。そもそも「将来への備え」としてつみたてNISAを始めたのですから、人生の大事な時期に使うことは、当初の目的に合っているといえます。
ただし、つみたてNISAの投資信託を一度売ってしまうと、その分の非課税投資枠は再利用できないため、よほどのことがない限り、できれば非課税期間の20年間は手放さずに持っておいた方が良いでしょう。
「値上がりしたから売る」のはNG
つみたてNISAの良くない売り方が「値上がりしたから売る」というものです。なぜ良くないかというと、つみたてNISAの非課税で投資できるメリットを十分に活かせないからです。
例えば株式の個別銘柄やハイリスクな投資信託であれば、長く保有していると暴落のリスクもありえるので、値上がりしたという理由で売って利益を確定させても良いでしょう。しかし、つみたてNISAの対象となっている投資信託の多くは、長い目で見ればさらなる成長が期待できるので、目先の値上がりを理由とする売り方はもったいないといえます。
むしろ、多少の値上がりに浮かれたりせず、より大きな利益を狙っていった方が良いと考えるべきでしょう。つみたてNISAは20年という長い非課税期間があるのですから、その「時間」を最大限に活用することがポイントです。
ライフイベントから逆算して売却するのもあり
「値上がりしたら売る」のは良くない売り方ですが、2~3年後に教育費などの大きな出費が発生することがわかっている場合に、その時点で投資信託が十分に値上がりしていたら、売却して利益確定させるのもよいかもしれません。もし2~3年後に相場が暴落したら、値上がりしている状態で換金する場合と比べて、より多くの投資信託を売る羽目になります。つみたてNISAから必要なお金を先に確保しておくことで、このようなリスクを回避できます。
ポイントは、「お金が必要になったときに、必要な分だけ」換金することです。一時的な値上がりや値下がりのみに左右されて、運用をやめてしまうのがないように注意しましょう。