医療保険やがん保険に加入をする時、入院1日あたりの給付金日額を決めることがほとんど。「設定した金額が少なくて、いざという時に足りなかったらどうしよう。かと言って、多く設定して保険料負担が大きくなるのも心配……」そんな人は、実損填補型の保険を検討してみるのも良いかもしれません。
- 実際に入院や治療でかかった費用を保障する保険を実損填補型保険という
- 実損填補型保険は、損害保険会社の保険で医療保険とがん保険がある
- 生命保険会社の医療・がん保険とは異なる点が多いので注意が必要
損害保険会社が販売する実損填補型保険とは
「実損填補(じっそんてんぽ)型保険」とは、損害保険会社の販売する保険の種類です。「実費補償型保険」という名前で扱われていることもあります。
生命保険会社の販売する医療保険・がん保険は、基本的に、入院1日あたり5千円や入院1回につき10万円など、日数や回数を基準に給付金が支払われるタイプが多くなっています。対して損害保険会社の販売する実損填補型の医療保険・がん保険は、実際に入院や治療でかかった費用を基準に給付金が支払われます。ですので、自分で日額や支払限度日数などを決定する必要がありません(一部の保険では、ニーズに合わせて特約を選択する必要はあります)。
基本的には窓口で支払う金額と同額を補償されるため、実損填補型保険が「自己負担ゼロの保険」などと言われることもあります。
実損填補型の医療保険・がん保険をチェック
実損填補型を検討したい場合、医療保険とがん保険の2種類をチェックすることになります。
医療保険は病気やケガ全般での入院や手術に、がん保険はがんの治療のための入院や手術に備える保険です。
実損填補型の医療保険では、公的医療保険の対象となる医療費の自己負担額が主な補償対象となります。実際の治療にかかった費用に加えて、差額ベッド代や食事代などの諸費用が補償されるものもあるようです。実損填補型のがん保険では、公的医療保険の対象になる治療だけでなく、全額自己負担となる自由診療を補償対象とするものも多いです。
保険商品名 | 保険会社名 | 種類 | 特徴 |
---|---|---|---|
みんなの健保 | AIG損害保険 | 医療保険 | 差額ベッド代や入院中のベビーシッターやペット ホテルなどの利用料も限度額の範囲で補償する |
入院パスポート (6月発売予定) |
損害保険ジャパン | 医療保険 | 入院前に準備金として一時金を受け取れる (特約)、AIシステムによる24時間以内の 給付金支払いを実現 |
SBI損保のがん保険 | SBI損害保険 | がん保険 | がん診断確定時に受け取れる一時金を100万・ 200万・300万・なしから選べる |
メディコム | セコム損害保険 | がん保険 | 自己負担額だけでなく高額療養費制度の対象 になる部分の金額も補償対象 |
※ここでは保険商品の概要をご紹介しています。また、商品発売前のニュースリリースを基にした情報も含みます。詳細は、保険会社のサイトやパンフレットなどを必ずご確認ください。
実損填補型・日額型それぞれ特徴を比較して検討を
実費が補償されるということで、入院時の費用が足りなくなることを不安に思う人には、心強い味方になる実損填補型の保険。一方で、注意しておかなくてはいけないポイントもあります。
実損填補型保険の多くは、補償期間が5年や10年などの一定期間に区切られている定期タイプの保険になっています。5年ごとに契約更新を行うことで90歳など高齢まで補償を確保することも可能です。
ただし、更新の都度、保険料はその時の年齢を基準に再計算されるので、それまでの保険料より上がっていくのが一般的です。生命保険会社の販売する日額型の保険は、終身タイプを選択すれば、変わらない保険料で一生涯の保障を得られますので、その違いはしっかり意識しておきたいところです。
また、生命保険会社の販売する医療保険やがん保険の多くで用意されている、保険料払込免除特約が用意されていないことが多いです。そのため、三大疾病など大きな病気をした後も、保険料の払込は継続する必要があります。
実損填補型と日額型で保険検討をする場合は、両方の特徴をしっかりと確認しながら、自分の将来にわたってのニーズと支払いを予想して、選択できると安心ですね。