長期の積立投資を後押しする非課税制度『つみたてNISA』。主に投資対象としているのが、国内外の株式や債券、リートなど様々な投資対象に分散投資するバランスファンドです。今回は、バランスファンドの運用スタイルのひとつである「ファミリーファンド」について解説します。

  • つみたてNISA対象のバランスファンドは「ファミリーファンド」が多い
  • マザーファンドごとの比率を変更し「安定型/中立型/積極型」などにシリーズ化
  • 年齢に応じて資産の投資比率を変更するならターゲットイヤー型ファンドを検討

つみたてNISAのバランスファンドを詳細分析①

2021年6月18日に金融庁の「つみたてNISA対象商品届出一覧」が更新されました。新たに6本が追加され199本になりました。追加された商品は全てインデックス型(167本→173本)です。また、6本のうち5本がバランスファンド(83本→88本)になります。

「ベビー」が「マザー」に投資するファミリーファンド

投資信託(ファンド)の目論見書をみると、「商品分類」と「属性区分」という2つの表が掲載されています。これにより、その商品の概要がわかるようになっています。
*商品分類、属性区分の項目や項目数はファンドにより異なります。

つみたてNISA対象のバランスファンドの場合、属性区分の投資対象資産が「その他資産」、投資形態が「ファミリーファンド」と表記される商品が多くなっています。

ファミリーファンドとは、複数のベビーファンドが1つあるいは複数のマザーファンドに投資する方式をいいます。投資家が購入できるファンドがベビーファンドです。マザーとベビーなので、投資形態はファミリーファンドと表記されます。マザーファンドとベビーファンドの関係は下図のとおりです。

マザーファンドは、運用先が株なら「MSCIコクサイインデックス」、債券なら「FTSE世界国債インデックス」、リートなら「S&P先進国REITインデックス」など、それぞれ指数に連動するように運用されます。

バランスファンドは複数のマザーファンドに投資

バランスファンドは、株や債券、リートといった資産、先進国や新興国といった地域に分散投資を行うため、ファミリーファンド形式の場合、それに応じたマザーファンドに分散して投資をすることになります。
その関係で商品分類の投資対象資産は「資産複合」となります。

運用会社がシリーズ化しているバランスファンドは、マザーファンドごとの投資比率を変更することで複数の商品が作られているケースが一般的です。つみたてNISA対象商品の中にも、いくつかマザーファンドへの投資比率が異なるファンドをラインアップし、シリーズ化している商品があります。

一般的に国債など債券のマザーファンドの投資比率が高いと「安定型」、株式のマザーファンドの投資比率が高いと「積極型」になります。「安定型」「中立型」「積極型」の3パターンに分けているファンドや、もっと細分化しているファンドもあります。分けた時の個々のファンド名称はそれぞれ運用会社などにより異なります。

また、同じシリーズの中で投資するマザーファンドを絞ることで、分散する数を8、6、4といったように分けて商品を提供している運用会社もあります。

つみたてNISAではスイッチングはお勧めできない

スイッチングとは、現在運用している投資信託を売却し、その資金を使い他の投資信託を購入する投資方法です。シリーズ化しているファンドの中で、「積極型」から「安定型」などのスイッチングを購入手数料なしでできることもあります。しかし、つみたてNISAの場合は、以下の2点からスイッチングをお勧めできません。

  1. 年間の投資枠に40万円の上限がある点
  2. 過去の投資枠で購入した投資信託を売却し、新規の投資枠を使って他の投資信託を購入するため、非課税投資枠内の全体資産が減る可能性がある点

年齢の上昇に応じて資産の投資比率を考えるのであれば、ターゲットイヤー型のファンドが選択肢になります。ターゲットイヤー型ファンドは、運用方針として2050年などゴールを決めて運用します。ゴールに近くなるほど株の比率を下げ、債券など安定資産の比率を上げて運用します。ゴールまでの運用比率の変更は運用会社が行います。

ゴールの年に到達すると到達時の比率でその後も運用するファンドもあれば、国内の短期債券などより安定的な運用に切り替えるファンドもあり、商品により運用方法が異なります。

マザーファンドが連動させている指数に注目

インデックス型のバランスファンドを選ぶ際は、目論見書を確認し、マザーファンドが連動させている指数に注目しましょう。それにより、投資しようとしているバランスファンドに対する理解がより深まるはずです。

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