本連載では、税理士に寄せられた相談者からの質問をもとに、主に「おひとりさま」の相続に関するさまざまな疑問に答えていきます。第7回は、愛猫と暮らすおひとりさまが、猫のために遺産を相続できるかどうかを考察します。

遺言書で犬や猫を「相続人」にできるのか?

先月アメリカの歌手レディー・ガガさんの愛犬2匹が散歩中に強奪された事件はまだ記憶に新しいところですね。レディー・ガガさんはこの2匹の返還を求めて50万ドル(約5,300万円)の懸賞金を提示することをツイッターで語っています。

彼女はこの中で愛犬たちを「my family」と呼び普段からとても可愛がっていたことも報道されました。
もちろん、日本でもペットを家族の一員として認識することが今や当たり前となっています。
今回の質問者さんのように、「おひとりさま」とペットのだけの家庭もこれからはますます増えていくことが考えられます。

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Q.
愛猫と私との二人暮らし(一人と一匹)です。自分に万が一のことがあったときは、猫に自分の財産を託して相続させたいと考えています。どのような準備が必要でしょうか?

A.
日本ではペットは法律上「物」として扱われるため、相続や贈与をすることはできませんが、亡くなったあとも、間接的にペットのために自分の遺産を使う方法があります。

昔のような3世帯同居の世帯が減り、高齢夫婦のみの世帯やおひとりさまの世帯が増える中で、犬や猫などのペットも大切な家族のひとりとして、その存在感は高まっています。ペット保険の市場も拡大を続けています。犬や猫が唯一の家族というおひとりさまにとっては、もし自分が先立つことになったら、遺産をペットのために使いたいと思うのも自然なことかもしれません。

日本の法律では、ペットに遺産を相続することは認められるのでしょうか?

アメリカの一部の州では、ペットへの相続が認められています。しかし、日本ではペットは法律上「物」として扱われるため、現在の法律では、ペットに相続や贈与をすることはできません。したがって、遺言書にペットへの相続を書いても法的な効果はありません。

しかしながら、ご自身の死後も間接的にペットのために自分の遺産を使う方法があります。
「信託による方法」と「負担付き遺贈」です。ただし、どちらも生前にペットの世話をしてくれる人を探し、その方にも承諾していただくことが必要です。

「信託」か「負担付き遺贈」でペットのために遺産を使う

ペットの世話をしてくれる人をAさんとすると、「信託」と「負担付き遺贈」は以下のような手続きとなります。

信託
生前に自分がAさんに依頼して、「自分の財産をAさん名義にしますから、その代わりに財産は愛猫のために使ってね」という契約や遺言をすること。

負担付き遺贈
Aさんに最後まで愛猫の世話をすることを条件にして、自分の財産をAさんに相続させるという遺言書を書くこと。

どちらの方法でも、手続きには弁護士や司法書士などの専門家へ依頼することをお勧めします。

もし、このような手続きを取らずに愛猫を残したまま他界してしまい、その後新たな飼い主が見つからない場合には、残念なことに、愛猫が殺処分されてしまうことになります。
ペットに託す財産がない場合でも、生前に新たな飼い主を探してくれるボランティア団体に相談をするほか、老犬、老猫の介護や世話をしてくれる企業も最近はあります。そのような施設をあらかじめ探して委託しておけば、万一の事態が起きても大切なペットを守ることができます。

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